もうすぐ七夕。古いものがどんどん廃れていく中、七夕は、今なお大切に引き継がれている年中行事のひとつです。
今回は、七夕をイベントとしての楽しむための、ネタになるようなお話をご紹介しましょう。
七夕はなぜ7月7日なの?
かつての七夕
筆者が子供の頃、七夕といえば8月7日で、笹飾りのほかに、ナスやキュウリ、トウモロコシに割り箸を4本刺して、牛や馬に見たてたものを一緒に飾っていました。
短冊に願いごとを書くために、わざわざ里芋の葉っぱに溜まった朝つゆを取ってきて墨をすったり、半紙でこよりを作ったりしていたことも、懐かしい思い出です。
虚弱児だったあの頃に書いた「じょうぶになれますように」という願い事は、今では見事に叶えられました。こんなに効くなら「もっと賢くなれますように」とか「玉の輿に乗れますように」とか書いとけば良かったかも?
なぜ7月7日?
七夕は、3月3日の桃の節句や、5月5日の端午の節句と同じく、五節句と呼ばれるもののひとつです。五節句は、中国の陰陽五行説に由来し、暦の中で奇数の重なる日のお祓いとして始まりました。
それぞれの節句で用意する料理やお供えモノ、風習には、もともと魔除けやお祓いといった意味合いがあったのだそうです。
旧暦での7月7日は、現在の8月中旬にあたります。筆者が子供の頃の七夕は、旧暦で行っていたということです。
野菜の牛や馬は、お盆の一環としての意味合いもあったそう、雨が降ったことは滅多になかったように記憶しています。
七夕は織姫と彦星のデートの日?
七夕伝説の真実
七夕は遠距離恋愛中の織姫と彦星が、年に1度だけデートできる日だと、筆者は長らく信じていました。しかし、これは間違いなのだとのことです。
本当のところは、働き者だった織姫と彦星が結婚したものの、ラブラブ過ぎて仕事そっちのけになってしまい、怒った神様が強制的に別居させてしまったのだとか。
その後、あまりのショックに泣き暮らす織姫と、引きこもってしまった彦星を不憫に思った神様が、真面目に働いたらご褒美として、7月7日だけ特別にデートを許してやろう、ということになったのが、本当のハナシだそうです。
七夕には雨が多い?
新暦の7月7日といえば、日本では梅雨真っ只中。織姫と彦星がデートできる確率は25%ほどなのだとか。つまり4年に1度、オリンピックなみですね。
8月7日であれば、梅雨明け後の晴天が続き、ほぼ毎年デートできるのに、だいぶ損をしていますね。
また、織姫と彦星は、「こと座のベガ」と「わし座のアルタイル」を指すもので、これに「はくちょう座のデネブ」を結んだものが「夏の大三角形」と呼ばれています。
8月に入ると観測しやすくなるので、ぜひ旧暦の七夕の21時ごろに、お子さん一緒に夜空を見上げてみてください。
七夕飾り 何を作ろうか?
保育園の豪華な笹飾り
ありがたいことに、子供たちがお世話になった保育園では、園長先生が裏山から笹を取ってきて、立派な笹飾りを作ってくださっていました。イベント終了後は、自作の短冊やお飾りが付いた枝を自宅にお持ち帰りです。
したがって、家では笹飾りは作らず、ちょっと豪華版のそうめんやばら寿司を食べるだけという、手抜き七夕でした。
手作りの七夕飾り
子供の入園まで所属していた地域の育児サークルでは、七夕の笹が手に入らなかったとき、折り紙で作った輪をつなげたものに短冊をつけて、壁に飾り付けていました。
どうせなら手作り感テンコ盛りのものにしようということで、子供たちと一緒になって、制作に励んだことを思いまします。そのときに作った、簡単で見栄えのする飾りをご紹介しましょう。
- 天の川
- 吹き流し
- 貝飾り
- お手軽な短冊
蛇腹に折った大きめの紙に、左右から交互に切れ目を入れて広げるだけ
折り紙の上部を1.5cm折り返して枠を作り、枠以外の部分をイカの足のように切り込んだあと、輪にするだけ
半分に折った折り紙の輪の部分から切れ目を入れ、角と角を合わせて糊付けするだけ
縦にして片側から7mmの細さに切り込みを入れ、端を1.5cm残せば吊りヒモいらず
七夕のメニュー
七夕のそうめんはちょっと豪華
古来、宮中では、そうめんのルーツといわれる索餅(さくべい)という小麦粉で作られたモノを、七夕に食していたそうです。この流れで、七夕といえばそうめんというのが定説になったのだとか。
筆者の地元では、年中そうめんを食べていますが、特に七夕のそうめんは外せません。普段より豪華なトッピングにしたり、マメなお父さんがいるご家庭では、竹を切って流しそうめんにチャレンジしたりしています。
トッピングで重宝するのが、オクラ。切るだけで星のカタチになるので、とてもありがたい食材です。錦糸卵や穴子もよく登場します。
ちらし寿司も人気
ちらし寿司も七夕をはじめとする行事食としてよく登場します。子供向けにカラフルなトッピングをほどこしたものや、キャラ寿司なども楽しいですね。
筆者の住んでいる地域では、家庭でのお祝い事などの際、ばら寿司を作る風習があります。最近ではあまりばら寿司とは言わず、ちらし寿司と呼ぶことの方が多いようです。
ばら寿司は、ちらし寿司というよりは五目寿司。すし飯が握られたり押されたりせず、ばらした状態になっているのでばら寿司と呼ばれ、具を混ぜ込んだすし飯に、トッピングも乗せて作ります。
混ぜ込む具は、細かく切って甘辛く炊いた干し椎茸やかんぴょうといった地味なものですが、トッピングは、エビや穴子、錦糸卵、刻み海苔などを見目麗しく散らします。
七夕は親も一緒に楽しもう
忙しい毎日を送っていると、七夕などの年中行事を煩わしく感じることも、正直あると思います。そんなときには、もちろん無理せず手を抜いてOKです。
ただ、筆者は、子供との暮らしに伴う「真珠」のようなものとして「思い出」が作られるのではないかと考えます。
20年前後の長い期間、親は子供が自立するまで養育するのですが、共に過ごした時間の記憶は、親にとっても子供にとっても、自己を形成する大切な要因となるはずです。
渦中にあるときは、面倒だったりうっとうしかったりするだけのように思えても、それがかけがえのないものだったということや、今の自分の一部になっているものなのだということに、後々気づく時が来ると思います。
今日のボタモチ
今日のボタモチは【思い出】です。
過ぎ去った時間は、二度と戻っては来ませんが、あなたの中で思い出として存在し続けています。あなたが思い出しさえすれば、いつでもその時間の中に戻ることができるのです。
そこは、今はもう会えない人であっても、昔のままの姿であなたを迎えてくれる、とても不思議な世界なのです。
※今日はボタモチ1個追加!
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