これまで遺影写真はモノクロ・正装と決まっていましたが、最近はカラーが主流で衣装もかなり自由になっているようです。
とはいえ、お葬式で使うからにはそれなりの決まりやタブーがあるのでは?というわけで、今回は遺影写真に決まりやタブーがあるのかを、飾り方や処分方法もふくめての紹介です。
遺影写真に決まりやタブーはある?
遺影写真はモノクロ・正装でなくてOK
遺影は、遺族が在りし日の故人を偲ぶための写真や肖像画のことです。葬儀のときの祭壇や自宅の仏壇などに飾られますが、旧家では先祖代々の遺影が仏間に飾られていました。
少し前までの遺影はモノクロ、スーツや着物などきちんとした服を着て真面目な顔で写っているものと相場が決まっていたものです。
けれども近年では自然な表情のカラー写真が主流になっていて、フレームやリボンの色も黒以外でOKと、自由度が高くなっています。
遺影は正面を向いていなくても構わない
従来の遺影は、真正面を向いたものと相場が決まっていました。けれども最近は、斜め向きや横向きの「ポートレート」っぽい写真も見受けられるようになっています。
実際に筆者が遺影用にと考えている画像は、やや斜め上から撮影したもの。
伏し目がちに写っていますが、参列者が見て誰が写っているか分かるものなら、遺影用写真の許容範囲と考えてよいでしょう。
遺影用の写真がなくても大丈夫
遺影写真に決まりやタブーは特にありません。
現在のように誰もが気軽に写真を撮る時代でなかった頃には、運転免許証の証明写真や集合写真などから本人だけを抜き出して引き延ばし、遺影に加工していました。
このとき元になる画像のピントが合っていなければ、引き延ばしたときにボケた写真になってしまうので注意が必要です。
おすすめの遺影写真とは?
遺影は故人を偲ぶためのもの
遺影はそもそも祭壇や仏壇に飾るためのものでしたが、近年は故人を偲ぶためのものという位置づけに変化しています。
したがって、遺族が故人を懐かしく思い出すことができるような写真がベストで、故人の人柄や趣味などが前面に出たものを選びましょう。
また終活の一環として、遺影用に気に入った写真を選んだり撮影したりするケースも増えています。
撮影時期はできるだけ直近に
遺影写真は証明写真ではないので、「6ヵ月以内」というような期限は設けられていません。
とはいえ、あまりにも昔の若すぎる写真は違和感があるため、基本的にはできるだけ直近の姿を映したものが適切です。
けれども闘病などで、ものすごくやつれてしまったような場合には、元気だった頃の写真から選ばれているようです。
遺影写真の飾り方
遺影は葬儀の必須アイテム
遺影は祭壇に飾る必須アイテム。四つ切りサイズ(25.4cm×30.5cm)のものがよく使われており、祭壇の飾りつけは葬儀会社の方がやってくれます。
葬儀の後は、納骨まで仏壇の周辺に飾ることが一般的ですが、仏壇がない場合には大きな写真を飾る場所に困るケースが多いようです。
そんなときには、手頃なサイズに焼き直したものをリビングなどに飾るとよいでしょう。
遺影は紙媒体でなくてもOK
遺影は紙媒体でなくてもOKで、葬儀の際にはディスプレイやスクリーンに個人の映像を映し出すスタイルも増えています。
デジタル画像の利点は、後述する処分の悩みが不要になることです。
自宅用の遺影もデジタルフォトフレームを利用すれば、処分が不要なだけでなく、スライドショーで複数の画像を表示することもできますよ。
遺影写真の処分方法
遺影は捨てても問題なし
遺影には宗教的な意味合いがないため、通常の「紙」と同様に処分してもなんら問題はありません。
とはいえ、ゴミとして捨てるのが忍びないもの。そんなときには、お寺などでお焚き上げをしてもらいましょう。
多くのお寺では檀家でない方からの依頼も受け付けているので、近所のお寺に問い合わせてみてください。
また、遺影を預かってお寺などに持ち込んでくれるというサービスを提供している葬儀会社もあります。
遺影写真は好きなものを選んでOK
遺影写真は遺族へのメッセージ
仕事柄、終活関連のワークショップを開催する機会が多くありましたが、自分が死んだあとのことは、遺族の手に委ねるしかありません。
できるだけ遺族に余計な手間を掛けさせないようにするため、あらかじめ遺影を選んでおくのはよいことだと思います。
自分が選んだ遺影が、遺族の心を和ませるものであれば最高ですね。
今日のボタモチ
今日のボタモチは【卒業】です。
「死」がこの世からの卒業だとすれば、葬儀は卒業式といえるものでしょう。中学校の卒業式でときおり発生する、傾いた出で立ちでの乱入や出席拒否などみたいなことが起きないように願いたいものです。
※今日はボタモチ、1個追加!
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