老化対策

認知症の原因は加齢!予防に効果的な生活習慣の改善とは?

投稿日:2019年3月11日 更新日:

このところ物忘れが増え、認知症が他人事ではなくなりつつある筆者。「加齢なる変化」などと言って誤魔化していてはいけないと思い、姫路で行われた認知症疾患医療センターの医師と看護師による認知症疾患予防フォーラムに参加しました。

なぜ認知症になるのか、効果的な予防法はあるのかという、参加者からの疑問に対する医師たちの答えはいかに?

認知症の原因とは?

認知症という病気はない

認知症とは、特定の病気に罹ることによって脳の働きが低下して起こる症状のことで、認知症という病気があるわけではないのです。

認知症の原因になる病気として最も多いのはアルツハイマー病ですが、ほかにも脳梗塞や脳腫瘍などさまざまです。

病気によって症状や治療法が違い、原因によっては早期に治療を開始することで症状を緩和したり進行を食い止めたりすることも期待できます。

認知症はズバリ「加齢現象」

認知症患者の数は寿命の延びと比例して劇的に増えており、85歳を超えると半分以上の方が認知症を発症するそうです。

つまり認知症は加齢現象で、昔はカラダが劣化するまえに寿命が尽きていたため、患者が少なかっただけということでした。

したがって、カラダの老化を抑えることができれば、認知症の発症を先送りすることができるようになるわけです。

難聴やうつ病も認知症の原因

難聴やうつ病も認知症の原因となる疾患です。難聴は加齢現象のひとつですが、進行すると認知機能の低下だけでなく、うつ症状も引き起こします。

認知症の方がうつ病を併発していることはよくありますが、うつ病が認知機能の低下をもたらすことも知られています。

特定の薬物も認知症を引き起こす

認知症の原因として、胃薬や抗うつ薬のほか睡眠薬や殺虫剤などの薬物も挙げられています。

また、薬物は飲み合わせによって危険度が高まることがあり、多種多量の薬を飲んでいる高齢者の場合、薬を減らすだけで認知機能が回復することもあるそうです。

とはいえ、素人判断で薬を減らしたりやめたりすることは大変危険で、必ず医師や薬剤師に相談してほしいということでした。

認知症の予防法とは?

認知症予防に決め手はまだない

認知症は、原因となる病気の予防・治療と生活習慣の改善によって予防できるとされていますが、今のところ予防接種のような決め手となる方法は確立されていません。

認知症の原因となる主な病気は、肥満・高血圧・脂質異常症・糖尿病などのいわゆる生活習慣病ですが、これらの病気は生活習慣の改善で予防できるものです。

したがって、認知症の予防においても生活習慣の改善が鍵を握っているといえます。

脳トレは効かない?

認知症の予防に脳トレゲームが効くという声は以前に比べると下火になっています。

何を隠そう筆者自身、アメリカ発の有料脳トレアプリを1年間頑張りましたが、ゲームが上達しただけでした。ちなみにこのアプリは、脳トレ効果が認められないということでアメリカ連邦取引委員会から200万ドルの罰金処分が下されたシロモノ。

とはいえ何もしないでボンヤリと1日を過ごすことに比べると断然マシで、楽しく熱中できるならやってみることはムダではないということでした。

▼脳トレよりコグニサイズ

サプリは気休め?

脳によいとされるサプリが各社から販売されていますが、確実に効果が得られる成分があれば病院が処方します。

そもそもサプリは薬品ではないため、認知症に直接作用することはありません。けれどもサプリによって血行がよくなったことで、間接的に作用するということは充分ありえます。

Aさんに効果があったからといって自分に効果があるとは限りませんが、飲んでみて調子がよければ続ければよいという程度の位置づけです。

認知症の予防に役立つ健康的な生活習慣とは

認知症を予防したいなら、健康的な生活習慣を維持することがベストです。認知症を引き起こす生活習慣病の予防と、心身の健康を維持することができれば、認知症を遠ざけることができます。

耳にタコができているかもしれませんが、バランスのとれた食生活と良質な睡眠、適度な運動は王道です。運動はハードな筋トレより、ゆるやかな有酸素運動が効果的というお話でした。

なお脳トレの効果は微妙ですが、脳を刺激する活動は推奨されています。特に創作活動や人との交流がおすすめですが、ストレスになるようでは逆効果です。

禁煙は必須ですが、飲酒は適量であればOKということで、日本酒なら100cc以下を推奨されていました。

▼認知症予防は健康への投資から

認知症の予防は毎日の健康生活の実践から

認知症が心配なら早期の受診を

認知症の予防で、コレさえやればOKというものは今のところなく、自分でできる生活改善が最も確実な方法です。

もし物忘れが気になっているのなら、早めに専門医の診察を受けましょう。原因によっては早期の治療で発症を遅らせたり、病気を治療することで症状を改善させたりすることも可能だからです。

フォーラムに参加して、悶々としているだけでは何の解決にもならないと悟った筆者は、脳ドックを受けることにしました。その報告はまたいずれ…。

今日のボタモチ

今日のボタモチは【前倒し】です。

認知症が疑われる方の多くは、認知症外来に行きたがりません。「認知症と診断されるのが怖いから」という理由で、理屈は通りませんが気持ちは理解できます。弱気になってしまう前に、行動を起こしたいものです。

※今日はボタモチ1個追加!

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プロフィール

若杉ひふみ
兵庫県生まれの兵庫県育ち
アラ50のO型
現在、昼間は介護予防事業、アフター5はエイジレスライフ実現への考察と実験に勤しむ日々です。
介護予防につながるエイジレスライフの奥義は、好奇心を失わないこと。その実践として「興味本位」な毎日を過ごしています。おいしそうなボタモチはとにかく食べてみよう!ということで、新たな世界との出会いに加え、足腰が強くなるというおまけも付いてきました。
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