使い勝手の良さと守備範囲の広さに加え、デザインのユニークさに惹かれて手ぬぐいを愛用している筆者。最初の1枚は、ヱビスビールのおまけでもらったものでした。
特に意識してコレクションしたわけでもないけれど、気が付けば40枚近くの手ぬぐいが手元に集まっています。今回は手ぬぐいの気軽な使い方や、簡単なカバンの作り方についてご紹介しましょう。
本来の手ぬぐいは切っただけの晒
手ぬぐいの基本は34cm幅の晒を90cmの長さにカットし、断ち切りのままにしたものです。
シルクスクリーンのような手法で1枚ずつ染める「手捺染(てなせん)」と、糊染のような手法で重ねた生地の上から染料を注いで染める「注染(ちゅうせん)」が本染めと呼ばれるもので、色合いや肌触りが優れています。
100均で売られているものは、プリント生地を長方形に切って四隅を縫ったものがほとんどです。
手ぬぐいは日常の実用品
最近はタペストリーのように、手ぬぐいを飾って楽しむ使い方も広がっています。手ぬぐいといえども品質のよいものは結構いいお値段で、日常使いするには惜しい気がするものです。
けれども手ぬぐいは飾って眺めるだけでなく、ぜひ手に取って使ってほしいと思います。なにしろ鉢巻をした埴輪が出土しているくらいで、昔から手ぬぐいは「使ってなんぼ」のものなのです。
手ぬぐいの気軽な使い方
手ぬぐいは汗取りに最適
手ぬぐいは薄いのでかさばらず、巻いたり結んだりしやすいものです。また、手ぬぐいと服の色と合わせる楽しみもあります。
暑い時期には汗取りとして頭や首に巻くと、タオルのように蒸れることなく涼しくて快適です。車の運転中、中近東の人のように手ぬぐいで顔をカバーすればUV対策もバッチリです。
手ぬぐいは防災グッズとしても活躍
手ぬぐいはマスクや包帯代わりにもなるので、防災グッズにも加えたいところです。手ぬぐいの本場・堺では、長さが一反もある防災用のオリジナルジャンボ手ぬぐい「防災晒ひなた」が販売されています。
カットすれば手ぬぐい11枚分、大きさを活かせば担架やロープにもなるアイデアグッズです。
手ぬぐいはちびっこにも優しい
綿100%での手ぬぐいは、ちびっこにも優しいものです。よだれの多いお子さんの場合、市販のスタイでは間に合いません。また、防水加工されたものだとあせもができてしまうことも。半分に折った手ぬぐいを安全ピンで止めたものがおすすめです。
水遊びでパンツを濡らしてしまったときには、股下から手ぬぐいを当てて両サイドで結ぶとパンツの代用になります。
手ぬぐいは汗拭きシートより快適
汗を大量にかいたときには、水を含ませた手ぬぐいで拭き取ると快適です。汗を拭き取った後にうちわや扇子であおげば、リフレッシュ効果は絶大。
市販の汗拭きシートを一度に何枚も使う方や、あせもができやすい方には特におすすめで、使用後は水洗いして干せばすぐに乾きます。
手ぬぐいはホコリよけや目隠しにも
ティーセットやおやつカゴなどにかぶせておけば、ホコリよけや目隠しになります。うっかりお茶をこぼしたときには、布巾に早変わり。適当に折れば鍋つかみにもなります。
汚れたらさっと洗って広げておけばすぐに乾くので、どんどん使いまわしてください。
手ぬぐいで何でも包んでしまおう
お弁当やペットボトルなどを手ぬぐいで包んで携行しましょう。お弁当を食べるときには包みを広げると、ランチョンマットやひざ掛けに変身します。ペットボトルを手ぬぐいて包んでおけば、カバンの中に入れておいても安心です。
サイトなどでおしゃれな包み方が紹介されていますが、対象物をカバーできればどんな包み方でもOKです。
手ぬぐいを折るだけでティッシュケースに
筆者は、手ぬぐいをポケットティッシュケースにしています。手ぬぐいとしての出番が来たら外してすぐに使えるところも便利。
重なる部分が多いので、使い込んで少々ヘタリ気味になった「ヴィンテージ手ぬぐい」が扱いやすいでしょう。
★包み方
- 手ぬぐいを半分に折って輪になった方を上にして置く
- 上から5cm下がったところの中央にポケットティッシュを乗せる
- 上の部分を折り下げてティッシュの上半分にかぶせる
- ティッシュの下から5cmのところで手ぬぐいをつまんで引き上げ、ティッシュの下半分にかぶせる
- 左右をティッシュの幅に合わせて後ろ側に折る
- 細長く余った下の部分を後ろ側に折る
- 上部に飛び出ている部分をすきまに折込む
3と4でできる手ぬぐいのすきまから、ティッシュを1枚ずつ取り出すことができます。
簡単な手作りカバン
手ぬぐいで簡単に作れるあずま袋は、小さく折り畳めて携帯にも便利。端を縫ってある100均の手ぬぐいが作りやすいでしょう。
手ぬぐいにハサミを入れずに折って縫うだけなので、縫い糸をほどけば元の手ぬぐいに戻ります。持ち手は結んで使ってください。
★作り方
- 手ぬぐいの裏を表に向けて横長に置く
- 左側は上へ、右側は下へ向けて三角に折る
- 中央の四角い部分の対角線で、右側から折り上げる
- 長辺と重なった部分を縫えば完成
▼筆者愛用の3点セット
もっと気軽に手ぬぐいライフを楽しんで
手ぬぐいは江戸庶民の愛用品
かつて綿は絹より貴重でしたが、江戸時代に綿花が栽培されるようになったことや銭湯が普及したことから、木綿の手ぬぐいが広く使われるようになりました。
浮世絵には、イナセなお兄さんやべっぴんなお姉さんが手ぬぐいを日常使いしている様子が描かれています。手ぬぐいの使い方にルールはないので、気の向くまま自由に使っていただければと思います。
今日のボタモチ
今日のボタモチは【日常】です。
ハレの日はたまにしかなく、日常が日々の色合いを決めます。日常が楽しいと日々が楽しくて、日々が楽しければいつも楽しいわけだから、日常こそが大事だと思うのです。
※今日はボタモチ、1個追加!
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