イチョウ並木を歩いていると、妙な臭いがしてきませんか?ギンナンの臭いです。おいしいけれどこの臭いが苦手で、スーパーで買って食べているという声もよく聞かれます。
今回は、臭いギンナンを楽に下処理する方法やおいしい食べ方、保存方法についてです。
ギンナンの下処理にはコツがある
ギンナン拾いには手袋を
ギンナンの実は臭いだけでなく、素手で触ってかぶれると手の皮がズルリとむけてしまいます。
ギンナンを拾いに行くなら、使い捨てのビニール手袋を用意しておくと安心です。
大きな実を拾うコツは?
街中で手軽にギンナン拾いを楽しみたいなら、街路樹沿いが狙い目です。
しかし、街路樹は生育環境が悪いためのか、大きな木が少ないためなのか、落ちている実は小さいことが多いようです。
大粒のギンナンが欲しいなら、学校や神社・寺、公園など敷地が広いところでの採集をおすすめします。
すぐに処理しても大丈夫
ギンナンの下処理方法としてよく紹介されているのが、何日か水に浸けてふやかすというものです。しかし、この方法だとさらに臭くなるので、筆者は拾ってきた勢いですぐに処理しています。
やり方は次の通りで、3までを屋外でおこなうと臭いが部屋に充満せずにすみます。
- スーパーの袋に入れる
- 足で踏む
- 中の実を取り出す
- 実を洗う
- 乾燥させる
まず、スーパーの袋を二重にしたものにギンナンを入れます。
その後、足で踏みますが、靴はゴム底のモノが滑りにくく当たりも柔らかいのでおすすめです。殻が壊れない程度の力加減で踏みましょう。
続いて殻付きの実を袋から取り出します。袋の上から粒を寄せ集めておき、ビニール手袋をした手でつまみ出すと手早くできます。袋の中に残った臭い外皮は、口を結んで捨てるとあまり臭いません。
実を洗う時、いきなりザルを使うと目詰りして後が大変です。水切りネットやみかんなどが入っていた赤い網にギンナンを入れてから、ボウルで洗うと簡単。ボウルは臭いや傷が付きにくいスレンレスのものがいいでしょう。
何度か水を取り替えてキレイになったら、そのまま吊るして水切りしたあとザルに広げて干します。しっかり乾かさないと、臭いの元になります。
ギンナン一押しの食べ方
ギンナンの食べ方は、シンプルに炒って塩を付けて頂くのが一番です。
炒るときに、紙封筒に入れて電子レンジにかけると手軽ですがどうしてもムラになります。面倒なようでも、厚手の鍋を使うと均一においしく炒ることができます。
失敗しない炒り方をご紹介しましょう。ギンナンを入れて蓋をした鍋を中火にかけて1~2分経過後、弱火にして途中2回ほど鍋をゆすり2~3分加熱、その後、火を止めて2~3分置けばできあがりです。
ギンナンご飯もいける
ギンナンの風味が広がる炊き込みご飯。ギンナンを分けて入れるのは、キレイな翡翠色を残したいからです。
作り方(2合分):
- ギンナン30個は殻を割って中身を取り出す
- 小鍋にギンナンを入れてひたひたの水を加えて火にかける
- 網杓子の底でギンナンを転がしながら2~3分茹でる
- 薄皮がむけたらザルにとる
- 米を洗って分量の昆布だしと塩小さじ2/3、酒大さじ1、ギンナンの半分を入れて炊く
- 炊き上がったら残りのギンナンを加えて蒸らす
ギンナンの殻を割るとき、ペンチだと中身が潰れやすいものです。専用のぎんなん割り器を使えば、手早くキレイに割ることができます。
【断捨離対象外 ぎんなん割り器は手放せない】
茶碗蒸しや土瓶蒸しにも
使用量は少ないものの、ある時ない時の差は大きいものがあります。ギンナンご飯の4の状態にしたものを使います。
ギンナンの保存方法
ギンナンの中身は意外と水分が多く、保存していると干からびてしまいます。蓋付き容器にいれて冷蔵庫で保存すれば2ヵ月くらいは大丈夫です。
もっと長く持たせたいなら、ギンナンご飯の4の状態でジップロックに入れて冷凍しておくとよいでしょう。少量ずつ手軽に使えるので、茶碗蒸しや土瓶蒸し用にもおすすめです。
ギンナンの下処理と食べ方や保存法…まとめ
食べ過ぎには注意
ギンナンにはカリウムやビタミンB群、パントテン酸、ビタミンEなどが含まれています。
高血圧や動脈硬化予防、むくみの解消、疲労回復、血行促進などに役立つ食品です。民間療法では夜尿症によいそうです。
しかし、食べすぎは禁物。メチルピルドキシンという成分が神経に働き、痙攣・鼻血・下痢などの中毒症状を引き起こすことがあるからです。特にお子さんには要注意で、5粒程度にしておくのが無難です。
この秋は自ら拾ったギンナンを肴にちょっと一杯、なんていかがですか?
今日のボタモチ
今日のボタモチは【虎穴】です。
臭いに怯んでいてはおいしいギンナンにはありつけません。ご褒美が待っているのだから踏み込めるはず。
※今日はボタモチ、1個追加!
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