ギオンコーナーは京都・祇園にある施設で、京舞をはじめ華道や茶道など日本の伝統芸能を鑑賞できるスポットです。海外からの観光客に大人気の名所で、筆者が訪れたときも観客のほとんどが外国人でした。
今回は、ネイティブの日本人が見ても有意義だったギオンコーナーの演目や所要時間のほか、割引やアクセスなどについてです。
ギオンコーナーの演目と所要時間
伝統芸能の演目7つをダイジェストで鑑賞できる
ギオンコーナーでは舞妓さんによる京舞をはじめ、茶道・華道・箏曲・雅楽・狂言・文楽といった伝統芸能7つを実演で鑑賞できます。
ネイティブの日本人である筆者でも、雅楽と文楽はこれまで映像でした見たことがなかったため、ワクワクしながらギオンコーナーを訪れました。
ギオンコーナーは、昭和11年(1936)に竣工した弥栄(やさか)会館の中にあります。歴史を感じるかなり立派な建物です。
▼登録有形文化財・ギオンコーナーの外観
開演の30分前に到着しましたが、すでに長蛇の列が!外国の方ばかりだったので驚きました。
▼受付までなかなかたどり着けません
▼通路横の展示を見ながらしばし待機
鑑賞の所要時間は約1時間
ギオンコーナーではひとつの舞台で7つの演目を上演、約1時間ですべてを鑑賞できます。客席は前後に100ずつの合計200席あり、筆者は前側の最後列ではありましたが、ほぼ中央の席に座ることができました。
西洋系の方と東洋系の方が半々くらいでしたが、東洋系は日本人ではなく大陸・半島の方々のようでした。日本にいながら異邦人の気分が味わえるところも、ギオンコーナーの魅力かもしれません。
▼客席の様子 日本人は筆者だけかも?
日本人も大満足の内容
開演に先立ち、スタッフの方から日本語と英語であいさつと案内がありました。最初に登場する茶道を体験できる方2名が指名され、別席に移動したあとにいよいよ開演。向かって舞台右袖で茶道、舞台上で筝の演奏と華道の実演が行われました。
茶道は、正座が苦手な海外の方に配慮した椅子に座っての作法である、裏千家・立礼のお点前。先に指名を受けた2名の方は、ぎこちない手つきでお茶を飲んでおられました。
▼茶道の実演
箏は上方の生田流、華道は日替わりで池坊と嵯峨御流で、筆者が訪れた日は嵯峨御流でした。
▼筝の演奏と華道の実演
雅楽は舞楽と共に行われました。雅楽はこれまでに映像でふれたことがありましたが、舞楽を鑑賞するのは初めて。演目は「陵王」で、大陸風の衣装と面を着けて大きな動きで舞う様子は、能楽とはまた違った味わいでした。
奈良時代から1000年以上続く雅楽と舞楽に、スマホを高く掲げて熱心に写真や動画を撮影される方が多くみられました。
▼時空を越え天平の風を感じる舞
狂言の演目は「棒しばり」。縛られてもお酒を飲もうと奮闘する酒飲みの性癖は世界共通なのか、会場からはしばしば笑いが起こっていました。
▼笑いを誘うコミカルな演技
祇園甲部の舞妓ふたりが演じる京舞井上流の演目は、「六段崩し」と「祇園小唄」でした。艶やかな姿をカメラに収めようと、客席からはたくさんのスマホが上がっていました。
▼艶やかな舞妓さんの踊り
ユネスコ無形文化遺産に指定されている文楽では、「八百屋お七・火の見櫓の段」が上演されました。文楽を見るのは初めてで、人形が意外と大きいことに驚きました。
生身の人間以上に情感あふれる人形の動きに引き込まれ、筆者的には本日ベストの演目だったように思います。
▼乙女の一途さがあふれる人形の動き
ギオンコーナーに割引クーポンは?
日本人の入場料金はちょっとお高め
ギオンコーナーの入場料金は大人ひとりが3,150円ですが、20名以上の団体さんは2,700円。外国人の大人は2,500円で20名以上だと2,200円となっています。支払いは現金のみです。
▼受付にある入場料金表
公演を見るまでは、「1時間足らずで3,150円は少し高いかな」と思っていました。けれども実際に鑑賞した後では、妥当な金額だと思います。
ダイジェスト版とはいえ、総勢20名以上の出演者による伝統芸を、生で7つ一挙に見ることができるわけですから。
割引クーポンの入手方法
実は割引クーポンがあれば、2,800円で鑑賞できるのです。クーポンの入手方法は、公式アプリ「Gion Corner」をインストールして、クーポン画面を提示するだけでOK。
アプリでは、ギオンコーナーの情報をはじめ、オリジナル壁紙のプレゼントも入手できます。さらにアンケートに答えると、その場でお土産品10%OFFクーポンが手に入ります(税込み2,000円以上の購入で利用可)。
▼舞妓さんの絵入りグッズが並ぶお土産コーナー
バス1日券でも割引OK
京都を巡るときにバスを利用されるなら、京都市交通局の「市バス・京都バス一日券」のご利用がおすすめです。
料金は大人600円・子供300円で、京都市営バス・京都バスの均一運賃区間が1日乗り放題となるうえ、チケットを提示するとギオンコーナーの大人入場料金が2,800円となります。
他にも「京都水族館」「よしもと祇園花月」「京都鉄道博物館」などでの優待割引を受けられるので、かなりおトクですよ。
地下鉄も併用したいなら、「京都観光一日(二日)乗車券」をどうぞ。京都市営バス・地下鉄全線と京都バスのほとんどの路線が、一日または連続二日間乗り放題です。
料金は一日券が大人900円・子供450円、二日券が大人1,700円・子供850円です。京都市内の約60箇所の施設で割引等の優待も受けられます。
ギオンコーナーへのアクセスと詳細
ギオンコーナーへのアクセス
- JR京都駅から市バス206号「祇園」下車
- 京阪電車「祇園四条」駅より徒歩5分
- 阪急電車「河原町」駅より徒歩10分
※敷地内に駐車場があるので、車でもOK(250円/30分)
ギオンコーナーの詳細
- 住所:〒605-0074 京都市東山区祇園町南側570-2
- 公演日時:毎日18時・19時の2回公演 ※但し12月~3月第2週目までは金・土・日・祝のみ
- 休演日:7月16日・8月16日・12月29日~1月3日
- ホームページ:http://www.kyoto-gioncorner.com/global/en.html
個人の場合、予約ができないので開演前に並んで席を取る必要があります。早めに並ばなければ前方の席を取ることは難しいようで、平日18時の部が始まる30分前に到着した筆者でも10列目がやっとでした。
公演が終わると19時になるので、開演前に腹ごしらえをしておきたいところ。十二段家 花見小路店で「生ゆば豆乳鍋定食」をお腹に収めておきました。
▼生ゆばを豆乳でしゃぶしゃぶしていただきます
日本人こそ訪れたいギオンコーナー
未体験の伝統芸能にふれてみよう
ギオンコーナーは外国人観光客向けの施設のようですが、日本人にこそ訪れてもらいたいスポットだと思います。
単体で体験するには正直言って敷居が高い伝統芸能の世界ですが、ギオンコーナーならとても気軽。写真撮影が自由というのも嬉しいところです。
サワリにふれて興味がわいたら、通しで体験してみたくなるかもしれませんね。
今日のボタモチ
今日のボタモチは【サワリ】です。
全く知らないものに興味・関心を抱くことはありません。サワリにふれることで、新しい世界の入り口を見つけることができるのではないでしょうか。
※今日はボタモチ、1個追加!
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