登山の基本トレーニングとしては、ワンゲル部でもやっている「荷物を背負っての階段昇降」がおすすめです。
これに筋トレを加えるとさらに効果を高められるのですが、ジム通いは、時間がなかったり面倒だったりしてなかなか続きません。
そこで今回は自宅や通勤中の車内でできる、お手軽な筋トレをご紹介したいと思います。
登山の筋トレは自宅でOK
ひと口に登山と言っても、低山ハイキングから雪山登頂まで幅広いバリエーションがあります。必要な装備や技術・体力などの違いは大きく、これを見誤ってしまうと遭難に至ることも。ここから解説するのは、低山での日帰りレベルを対象としたトレーニングです。
▼夏の低山でも遭難は起きる
筋力を鍛えて登山を楽しもう
日頃から登山以外のスポーツをしている方でも、登山の後ではあちこちの筋肉が痛くなることは結構あります。普段使わない筋肉が酷使されたためです。
これらの筋肉はジムに行かなくても鍛えられるもので、自宅での自主トレや通勤中の「なんちゃって筋トレ」で、充分に対応できます。
登山で酷使される筋肉はどこ?
登山では登りと下りで使われる部位は若干異なります。
登りで主に使う筋肉
- 太ももを上げる:腸腰筋
- 太ももを下げる:大殿筋・大腿二頭筋
- 膝を伸ばす:大腿四頭筋
- かかとを上げるために下腿三頭筋
- 姿勢保持:腹筋・背筋・インナーマッスル
下りで主に使う筋肉
- 膝を曲げる:大腿四頭筋
- かかとを下げる:下腿三頭筋
- 姿勢保持:腹筋・背筋・インナーマッスル
下りで足がもつれたり上がらなくなったりするのは、大腿四頭筋と下腿三頭筋の疲労のためです。登りで大殿筋と大腿二頭筋に頑張ってもらえたら、出ずっぱりとなる大腿四頭筋と下腿三頭筋をフォローできます。
以上をまとめると、登山のために鍛えておくべき主な部位は「太もも」「お尻」「ふくらはぎ」「体幹」となるのです。
平衡感覚も鍛えたい
登山では重い荷物を担いで足場の悪いところを歩きます。そのため、転倒事故が起きやすくなっているのです。
平衡感覚を鍛えておくことで、ふらついたり足を滑らせたりしてもリカバーできるようになり、転倒事故の低減や防止が可能になります。
自宅でできる筋トレメニュー
「太もも」「お尻」「ふくらはぎ」「体幹」を鍛えるために自宅でのトレーニングとしておすすめしたいのは、「ランジ」「フロントブリッジ」です。平衡感覚を同時に鍛えるためのアレンジメニューも加えましょう。
ランジで太ももとお尻を鍛える
筋トレのランジでは、太ももとお尻を鍛えることができます。
登山の基本トレーニングとしておすすめしている「荷物を背負っての階段昇降」にランジを加えましょう。階段を上るときに一段ずつ飛ばしていくだけで、ウォーキングランジにパワーアップします。
このときに勢いをつけて昇ってはいけません。足裏で階段を押さえつけるように踏みしめて、しっかり筋肉に負荷を掛けてください。
さらにパワーアップしたいときには、サイドランジを。大きく足を横に踏み出して一段上がり、体重を移動させながらこれを繰り返してゆきます。
片足で立っている時間が長くなるとともに体重移動も加わり、筋力だけでなく平衡感覚も同時に鍛えられるのです。
▼登山の基本トレーニングは階段昇降
フロントブリッジで体幹トレーニング
フロントブリッジで体幹をトータルに鍛えることができます。体幹が鍛えられるとフォームが崩れにくくなり、安定した動作を続けることができるのです。
やり方は簡単で、うつ伏せから肘を曲げて床につき身体を浮かせて30秒保持、その後30秒の休憩をはさんで3回繰り返すだけ。3分程度でできるので、お風呂上がりなど時間を決めて毎日取り組んでいただければと思います。
マスクで持久力アップ
筋肉疲労は筋肉の酸欠が原因で起きるといわれています。そのため、呼吸器を鍛えて酸素を効率よく摂取できるようになれば、持久力を高められるのです。
マスクを付けてトレーニングすることで、呼吸器に負荷を掛けることができます。その結果として最大酸素摂取量が増えて持久力がアップするのです。
通勤中にできる「なんちゃって筋トレ」
通勤中の車内でできるようにアレンジした「ドローイン」「スクワット」「カーフレイズ」をご紹介します。
ドローイン
座ってでも立ってでもできます。おへそを背中に押し付けるようにお腹を凹め、その状態を保ったままゆっくりと呼吸するだけでOKです。
お尻浮かしスクワット
座席に座れたらラッキーです。スクワットをしましょう。座ったまま太ももに力を入れながら、お尻を少し浮かした状態で静止します。
7秒保持して力を緩めますが、余裕があればお尻を座面に付けてしまわずに再びお尻を浮かしましょう。行けるところまで行ってみてください。かなり効きますよ。
かかと上げ下げカーフレイズ
座席に座れなかったらラッキーです。カーフレイズをしましょう。
急ブレーキ対策として、つり革などに軽く手を添えておきます。立った状態でかかとをゆっくりと上げ下げしますが、下げたときにかかとを床に付けてしまわないようにします。
段差がないなんちゃってカーフレイズですが、効果は充分に得られますよ。慣れてきたら片足ずつやって、平衡感覚も一緒に鍛えましょう。
筋トレは続けることが最大のポイント
効果を実感する方法
筋トレに限らず、トレーニングは毎日ではなくても定期的にある適度の期間、続けなければ結果は得られません。何より手軽に行えることが続けるための秘訣ですが、もうひとつ「効果を実感」できることも、続けるための秘訣です。
登山の場合、筋トレで筋肉量を増やすことでもっと重い荷物が持てるようになります。「荷物を背負っての階段昇降」で荷物が軽く感じられるようになったら、筋トレ効果が出てきた証拠です。
ペットボトルなどで重量を増やしてもっと重い荷物を背負えるようになれば、重装備が必要な憧れの山へのチャレンジが可能になりますよ。
今日のボタモチ
今日のボタモチは【習慣】です。
なにごとも続けるコツは習慣化することで、習慣化のコツは「ついで&ながら」化することです。毎日やることにくっつけると、楽に習慣化できそうに思えます。
※今日はボタモチ、1個追加!
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