定年後も働き続けることは、老後の三大不安(お金・健康・孤独)を解決する切り札です。しかし、「定年後は働くと年金がもらえなくなる」という理由で働かないという方もおられます。
今回は、働いたら年金はどうなるのか、定年後働くことは得なのか損なのか、についてです。
定年後も働くと年金をもらえなくなる?
定年後に働くと年金は?
定年後も働いていると、年金がもらえなくなると考えている方は、結構おられますが、老齢基礎年金は働いていても全額もらえるので安心してください。
ただし、老齢厚生年金は減額される場合はあり、これを在職老齢年金制度といいます。
老齢基礎年金というのは、国民年金から受給する年金で、厚生年金に加入している方の1階部分からの受給分のことで、老齢厚生年金は、厚生年金の2階部分からの受給分です。
在職老齢年金の仕組み
定年後、厚生年金に加入しながら働く(正社員の4分の3以上の勤務)と、老齢厚生年金の受給月額と賃金に、1年間の賞与の12分の1を合計した額が28万円を超えた場合(65歳以上なら47万円)、老齢厚生年金の受給額は減額されます。
高年齢雇用継続給付がもらえる場合も
ただし、賃金が定年時の75%未満だと、雇用保険から高年齢雇用継続給付を受け取ることができます。
賃金が60歳時の61%以下なら賃金の15%分、61~75%未満なら低下率に応じた額が、65歳に達する月まで支給されることになります。
したがって、定年後に働く場合の収入は、賃金と在職老齢年金、高年齢雇用継続給付金の3つとなります。
ここで注意しなければならないのが、在職老齢年金と高年齢雇用継続給付を同時に受給する場合です。在職老齢年金から再雇用後の賃金の最高6%にあたる額が減らされます。
定年後の働き方が分かれ道
週20時間以上30時間未満のパート勤務なら年金が減らされることはありません、雇用保険に加入して高年齢雇用継続給付をもらえます。
また、自営業者や個人事業主として働く場合は、高年齢雇用継続給付を受け取れませんが、年金の減額もありません。
そもそも年金はもらえて当然のものなのか?
年金の掛け金を支払うことは義務です。通常義務と権利はセットになっているので、年金を受け取る権利が当然あるはずです。
ところが、そうはいかないのが年金の不思議なところで、こんなことが起きるのは、支払った掛け金は支払った人のモノではないからです。
納付した掛け金は、支払った人のためにプールされることなく、年金を受給している方が受け取る年金の一部として消えてしまいます。この一部というところがミソで、現在、年金給付金額の約半分は税金で賄われているのです。
つまり、あなたがこれからもらおうと思っている年金は、あなたの支払ったお金ではなく、現在掛け金を支払っている人と、納税している人のお金なのです。
掛け金は、年金を受給する権利を「買う」ためのモノと理解するのが正解のようで、年金はもらえて当然と言い切れるモノではないということになります。
定年後は働くと損する?
公的年金は積立貯金ではありません。これから受け取る年金は、現役世代が納付する掛け金と、税金から支払われるものなのです。
それに、ひと月に28万円以上の収入が得られるなら、年金を減らされても充分にやっていけるでしょう。
ピンはねされた感じは否めませんが、あなたの掛け金は親のために使われ、子供の掛け金を増やさずにすむと考えて、矛を収めることにしませんか?
また、定年後も働き続けることのメリットは、健康面やメンタル面などたくさんあります。目先のお金に惑わされず、ぜひとも働くことをおすすめします。
今日のボタモチ
今日のボタモチは【殿(しんがり)】です。
国の無策の尻拭いをなぜ私たちがしなければならないのか?疑問に思います。しかし、議員を選んだのは私たちだから、結果に対する責任はしっかりついてくるのです。
※今日はボタモチ1個追加!
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