広島に行くなら、呉の大和ミュージアム(呉市海事歴史科学館)はぜひ訪れたい人気スポットで、平日でもけっこう混んでいます。今回は大和ミュージアムの見どころや見学に必要な時間のほか、ランチにおすすめの海自カレーやアクセスなどについて紹介します。
呉の大和ミュージアムは見どころがいっぱい
見学は2時間では足りない
呉の大和ミュージアム(呉市海事歴史科学館)は展示がとても充実しているので、きちんと見たいなら3時間はほしいところです。
途中で休憩を取りたい場合、館内は飲食禁止となっているため大和ミュージアム横のカフェをおすすめします。いったん大和ミュージアムの外へ出ても当日なら再入場OK、一息入れてからまた入館して見学を続けられます。
インパクトがすごい!1/10の大和
大和ミュージアムの「顔」ともいえる1/10スケールの戦艦大和は、全長26.3m。館の中央に展示されていて360度どの方向からも眺めることができます。ミリオタや軍艦マニア以外の方も、大和のフォルムの美しさに目を奪われるのではないでしょうか。
大和は当時の世界最先端といえる技術を総結集して建造された実戦のための戦艦ですが、端正な造形美にあふれています。大和の周囲をぐるぐる回って撮影している方も少なからずおられました。
展示解説ツアーは超おすすめ
大和ミュージアムでは、ボランティアスタッフが展示を案内してくれる「展示解説ツアー」を実施しています(参加無料)。
午前10時と午後2時の1日2回、約1時間掛けて1階展示室(大和ひろば・呉の歴史・大型資料展示室)を案内してもらえます。見どころの詳しい解説や興味深いお話などを聞くことができるので、ぜひ参加されることをおすすめします。
驚き!戦争は黒船来航から始まっていた
最初の展示「呉の歴史」は、黒船来航から始まっています。日本が鎖国を続けられなくなったのは、外国船を追い払うだけの軍事力がなかったからです。
以降、列強と渡り合うため呉に旧海軍の鎮守府と工廠が置かれることになり、その後、数多くの軍艦が作られましたが、大和もそのなかの一つでした。
つまり、太平洋戦争は調子に乗った日本が無謀にも大国・アメリカにふっかけたものではなく、黒船来航によってグローバルの荒海に投げ出された日本が、模索を続けて流れ着いた最後の道だったのです。
現代につながる大和の技術力
大和の建造は極秘のうちに行われ、設計図などはほとんど残されていません。しかし、わずかに残された資料を元に1/10スケールの大和が作成されました。
大和に投入された当時の科学技術は戦後の復興・発展の礎となり、新幹線や超高層ビルの建造に役立っているそうです。
残念なのは、高い技術力や生産力を支える資源が日本には乏しかったこと。呉で作られた戦艦や特殊挺を紹介したパネルの最後にあったベニア板製の船が、それを物語っています。
しかし日本近海には海底資源が豊富に眠っているらしく、これを確保できれば当分安泰のはずです。海底資源の採掘は難しいとされていますが、初めて国産の戦艦を作ってからわずか30年ほどで大和を作り、終戦後19年で新幹線を走らせた日本人なら充分可能でしょう。
胸に迫る実物の展示
大型資料展示室では、零式艦上戦闘機六二型(ゼロ戦)や特攻兵器「回天」十型(試作型)などの実物が展示されています。
軽量化を第一に作られたゼロ戦はペーパークラフトのように華奢で、一発弾が当たれば木っ端微塵だったというのもうなずけます。回天は発射されたら生きて戻ることはない、文字通り「必死」の兵器です。
特攻に出撃したのは20歳前後の若い人たちで、尊い犠牲の上に今の私たちがあることを忘れてはならないでしょう。
大和ミュージアムで海自カレーが食べられる?
海自カレーは大和ミュージアム横のカフェで
呉では、海上自衛隊の艦艇で実際に食べられているカレーを再現し、艦長の認定を受けた「海自カレー」が食べられるのです。大和ミュージアム横のシーサイドカフェ BEACONでは、護衛艦さみだれのレシピを再現した「さみだれカレー(サラダ付き・税込み1,280円)」が提供されています。
ライスではなくナンでいただく美味しそうなカレーでしたが、お腹がかなり減っていたのでライス&ビフテキの「艦長の海軍カレー(サラダ付き・税込み1,550円)」に変更、疲れたときにはやっぱり肉ですね。カレーは中辛で、どなたにも好まれる味わいでした。
海自カレーは呉市内30ヶ所で提供
海自カレーは呉市内の30ヶ所(準備中の4店を含む)の飲食店で提供されています。
「呉基地業務隊牛すじカレー(税込み770円)」から「練習艦かしま牛舌カレー(サラダ・デザート付・税込み1,944円)」と、店舗ごとに工夫を凝らして展開中です。カレーが好きな方ならランチに加え、もう1食いかが?
大和ミュージアムは駅そばでアクセス良好
大和ミュージアムへのアクセス
大和ミュージアムはJR呉駅から南へ徒歩5分で到着、屋根付きの連絡通路を通れば楽です。有料の駐車場(1時間100円・285台)もあります。また、徒歩1分のところに呉港があるので、船でのアクセスもOKです。
大和ミュージアムの入館料
大和ミュージアムでは、企画展や特別展の開催中入館料金が変わります。平成31(2019)年4月24日(水)から令和2(2020)年1月26日(日)まで開催の「第27回企画展 海底に眠る軍艦 ー「大和」と「武蔵」-」の常設展とのセット入館料は以下のとおりで、( )内は企画展のみの料金です。
- 一般:800円(400円)
- 高校生:500円(300円)
- 小・中学生:300円(200円)
休館日にご注意を
大和ミュージアムの休館日は火曜日(火曜日が祝日の場合は翌日が休館日)です!博物館や美術館の休館日は月曜が多いため、お間違いなきよう。なお、4月29日〜5月5日、7月21日〜8月31日、12月29日〜1月3日は無休となっています。
大和ミュージアムはたっぷり時間をとって見てみたい
国破れて山河ありは間違い?
大和はものすごい戦艦ですが、実戦ではさほどの戦績を挙げられないまま撃沈されてしまいました。
世界で初めて空母を作り、航空機の優位性をいち早く実戦で証明してみせながら、なぜ日本は巨大戦艦にこだわったのか…これだけの資材と労力があれば、航空機をもっとたくさん作れただろうに…などと考えたりしましたが、これは後出しジャンケンにすぎないものでしょう。
国破れて山河ありという言葉がありますが、展示で当時の人々の営みを見ていると、国あってこそ山河ありだと思えるのです。
少なくとも当時の人たちは、アメリカに国防を依存している現代の私たちより真剣に日本を守ろうとしたはずです。有色人種が白人と肩を並べることは許さないという列強のコンセンサスのなか、4年近くも戦い続けた先人たちの努力にまず敬意を払いたいと思います。
今日のボタモチ
今日のボタモチは【記憶喪失】です。
GHQの徹底した情報統制によって、戦後の日本人は記憶喪失に陥っているようです。様々な意見がある戦前・戦中の日本ですが、なかったことにしていては記憶喪失から回復することはできないでしょう。
※今日はボタモチ、1個追加!
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