ゲートキーパー養成研修会で学べるメンタルヘルスの極意とは?

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ゲートキーパーとして活動していると、かなり重い話を聞くことが多くなります。また熱心さのあまり入れ込みすぎて、燃え尽きてしまうケースも見られるようです。

今回はゲートキーパー養成研修会Part2で学んだ、自殺防止センターの相談員が実際に行っているメンタルヘルス対策を紹介します。ゲートキーパーの活動だけでなく、日頃のストレス対策にも応用できる方法です。

相手を尊重することはなかなか難しい

「傾聴」と「ビフレンディング」がゲートキーパーのツール

ゲートキーパーの活動は、相手を尊重することを旨としたものです。

自殺防止センターでは、ゲートキーパーが「傾聴」と「ビフレンディング」によって相手の孤独・苦痛・抗うつなどを感情面から和らげるために、電話相談を行っています。

「ビフレンディング」は聞き慣れない言葉ですが、英語のBe friendingで友達のようにそばにいることや絆という意味合いがあるそうです。

つまりゲートキーパー自身が具体的な問題解決の支援を行うのではなく、相談者によりそって気持ちを支えることを目指しています。

「傾聴」と「ビフレンディング」には訓練が必要

「傾聴」と「ビフレンディング」は実際にやってみると結構もどかしいものがあります。かなり気をつけていても、つい相手に対してアドバイスや励ましなどをしてしまいがちです。

前回参加した研修Part1のロールプレイでは、何度かやってしまいました。言いたいことを言わずにひたすら相手の話に耳を傾けられるようになるにはかなりの訓練が必要で、慣れないうちはストレスが溜まってしまいそうです。

ゲートキーパーの限界を知ることも大切

ゲートキーパーはそんなこと聞いていいの?

自殺防止センターでは、相談相手に対して自殺念慮の問い掛けを行っています。これは「自殺を考えているか」「死にたいと思っているか」を相談員の側から問いかけるというものです。

「そんなこと聞いて大丈夫なの?」と思いましたが、世界保健機構(WHO)も勧めている手法で、自殺念慮の問い掛けによって自殺を助長することはないとのことです。

誰にも言えなかったことを言葉に出して表現することで、心を軽くする効果が認められています。相談者に対して「あなた自殺を考えていますか?」と聞けるかどうかがゲートキーパーの第一関門です。

ゲートキーパーの限界を知っておこう

ゲートキーパーは養成講座を受講して活動していますが、専門家ではありません。

したがって、具体的な問題解決についてはゲートキーパー自身が支援するのではなく、相手の話を聞いて専門家につなげるという間接的な手段を取っています。

また、ゲートキーパーには相手を丸ごと尊重することが求められています。これは相手が最終的に選んだことをも尊重するということです。

自殺を止められなかったことさえ受け入れる…これはかなり重いことで、ゲートキーパーの活動を続けるためには越えなければならない大きな関門といえます。

メンタルケアの奥義は抱え込まないこと

抱え込まないことがベスト

相談内容や相談者のタイプによっては、相談員がメンタル面でダメージを受けてしまうこともあります。また親身になりすぎた結果、相談員が私的な領域にまで活動を持ち込んでキャパオーバーしてしまうこともありがちです。

こんなときにはひとりで抱え込まず、他の相談員や支援者に話してしまうことが一番効果的な対策方法です。

抱え込まない方がうまくいく

相談者が抱える問題は一筋縄でいかないことが多く、自分一人では対応しきれないこともあります。

ゲートキーパーの活動は、相談員や支援者同士が協力して行うもので、相談を受けた相談員ひとりで対処するものではないのです。

責任感を持つことは、ひとりで抱え込むこととは違うものです。抱え込まないことによって、相談員のメンタルケアとゲートキーパーとしてよりよい活動が実現できます。

セルフケアにも役立つゲートキーパーの心得

ゲートキーパーだって話したい

生きていれば問題はいくらでも起こりますが、押しつぶされてしまわないためにはひとりで抱え込まないことが肝要です。

問題を抱え込まないことはメンタルケアに役立つだけではなく、解決のための有力な手法でもあります。

話を聞く役目のゲートキーパーだって、誰かに聞いてもらうことで心の重荷を下ろすことができるのです。

今日のボタモチ

今日のボタモチは【ケア】です。

キュアは望めなくても、ケアによって少しでも楽にできれば、状況は好転するかもしれません。小さなことでもやってみる価値はあるのでは?

※今日はボタモチ、1個追加!

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