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古事記の内容はみんなも知っている?世界最長王朝の秘密がここに

投稿日:2018年9月2日 更新日:

日本は世界一の長寿国となっていますが、長寿なのは国民だけではありません。国そのものも世界最長寿で、同一王朝が126代も続いている世界的に珍しい国家なのです。

難解といわれる古事記ですが、実はみんなが知っているお話も結構あります。先日、日本のルーツが記されている「古事記・上巻」を読み解く歴史イベントに参加したので、その内容をご紹介しましょう。

古事記の内容には何が書かれているの?

実はみんな古事記を知っている

古事記は上・中・下の3巻に渡る長編文書です。

すべて読んだという方は少ないようですが、アマテラスが洞窟に隠れてしまう天岩屋戸(あまのいわやど)やスサノオが怪物を退治する八岐大蛇(ヤマタノオロチ)、大国主命がウサギを助ける因幡の白兎のお話をご存知の方はたくさんおられるようです。

これらのお話は古事記にも書かれているものなので、実はみんな古事記の一部なら知っているといってよいのでは?

古事記は日本の歴史書

古事記には日本神話の時代から、聖徳太子が活躍した推古天皇までの歴史がつづられています。

全3巻で構成され、上巻には天地創成から神々による国づくり、中巻には神武東征から15代応神天皇まで、下巻には16代仁徳天皇から33代推古天皇までのできごと記されています。

飛鳥時代に40代天武天皇が、稗田阿礼(ひえだのあれ)と太安万侶(おおのやすまろ)に命じて作成を開始、30年以上の歳月を掛けて和銅5年(712年)に完成しました。

古事記のストーリーは波乱万丈

まだ宇宙に何もなかった頃のことです。いきなりビッグバンが起こり、天之御中主神(あめのみなかぬしのかみ)が誕生しました。これが天地開闢です。

その後、イザナギとイザナミという男女の神が登場します。二柱は国生みを始め、淡路島・四国・隠岐島・九州・壱岐島・対馬・佐渡島・本州をつくり日本列島ができあがります。

続いて神々を生んでいきますが、火の神を生むときにイザナミは大やけどを負って亡くなります。イザナギは黄泉の国(よみのくに)までイザナミ連れ戻しに行きましたが、見てはならないものを見てしまい、結局二神は永久の離別と相成りました。

黄泉の国から戻ったイザナギの禊(みそぎ)によって、27柱の神が生まれます。このうち最後に生まれたのが三貴子と呼ばれるアマテラスオオミカミ・ツクヨミノミコト・スサノオノミコトです。

このあと大暴れしたスサノオが高天原を追放されて出雲国にたどり着き、スサノオの子孫である大国主命が自分の国をアマテラスに譲り、アマテラスの孫であるニニギが高千穂に降臨し、ニニギのひ孫が初代天皇の神武天皇となるわけです。

そして平成の第125代今上天皇まで、日本は脈々と続いています。

世界最長王朝・日本の秘密が古事記に

世界最古の国はなんと日本!

日本の国ができたのは今から2678年前の紀元前660年2月11日で、イエス・キリストの誕生よりずっと前です。令和の今上天皇は神武天皇から数えて126代目にあたります。

仮にイエスの子孫がイスラエルの現国王として存在していたとしても、日本はそれよりもっと長く続いている王朝ということになるのです。

世界史で習った四大文明は発生こそ日本より古いものの、とうの昔に王朝は途絶えてしまいました。

天皇が途絶えなかった政治的理由

藤原一族やそれに続いて台頭した武家勢力が実質的に日本の支配者となっても、天皇に取って代わろうとはしませんでした。その理由は、支配者たちが天皇家の分家だったからです。

たとえば徳川家康のルーツといわれている清和源氏は、第56代清和天皇の子孫でした。また、織田信長のルーツといわれる桓武平氏は、第50代桓武天皇の子孫で、ともに天皇の一族ということになります。

仮に清和源氏の一族が天皇家を排斥しようとすれば桓武平氏が黙っていないわけで、穏便に実権をにぎるには天皇家には手を出さず、征夷大将軍として天皇から認めてもらうことが最も安全だったのです。

天皇にあって将軍にないもの

天皇が途絶えなかったのは、政治的理由だけではありません。天皇にあって将軍にないもの、それは「権威」です。

将軍には「権力」がありますが、それは天皇という「権威」からもらったお墨付きによるものといえます。そのお墨付きを国民が受け入れるという、いわば日本的分権システムでこれまで国が治まってきたのです。

天皇の権威の力は絶大で、明治維新で薩長が勝利できたのは、「錦の御旗」で自らの正当性を天下に知らしめたことによります。

「錦の御旗」が薩長にあるということは、幕府にお墨付きがなくなったということで、幕府はあっという間に存在意義を失ってしまったのです。

古事記の内容は意外と親しめる

古事記は週刊誌より面白いかも

古事記は日本の歴史書ですが、面白い読み物でもあります。神々の活躍が描かれた上巻は結構スキャンダラスだし、続く中巻・下巻は当時の天皇家にとって不都合では?と思われる暴露話も描かれています。

最近ではわかりやすい解説本やライトノベルも出版されていますが、なにぶん長いお話なので、面白そうだと思うところからぜひ手を付けていただければと思います。

今日のボタモチ

今日のボタモチは【継承】です。

人ひとりの寿命は最長で100年余りですが、歴史は2千年以上の長命を保っています。回ってきたものを自分の代で食いつぶすのではなく、先人の努力に思いを馳せつつ大切に次の代へ回したいと思うのです。

※今日はボタモチ、2個追加!

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若杉ひふみ
兵庫県生まれの兵庫県育ち
アラ50のO型
現在、昼間は介護予防事業、アフター5はエイジレスライフ実現への考察と実験に勤しむ日々です。
介護予防につながるエイジレスライフの奥義は、好奇心を失わないこと。その実践として「興味本位」な毎日を過ごしています。おいしそうなボタモチはとにかく食べてみよう!ということで、新たな世界との出会いに加え、足腰が強くなるというおまけも付いてきました。
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