日本の常識は世界の非常識とよく言われます。けれども、そのことを気にしてグローバル化しなければ…なんて思う必要はありません。日本人の「和」と「勤勉さ」と「水に流す」精神が世界中に広まれば、各地で続く紛争は終結するはずです。
今回は、世界平和を実現できそうな日本人のメンタリティーのルーツを、古事記から探ってみます。
「和」と「勤勉さ」と「水に流す」精神は美徳
和の精神は日本の柱
日本人は和を尊ぶ民族です。聖徳太子が制定した十七条憲法の第一条には「和を以って尊しと為し…」と書かれていて、以降千数百年国是となった感があります。
けれども太子が明文化するより以前の昔から、古事記にあるように八百万もの神々がたいして揉めもせず共存共栄していました。
なお、「和」とは争って相手を打ち負かすのではなく、四則計算の足し算のように仲間に加えて成長していく、あるいは和音のようによりよいものを共に創り上げていくという精神です。
相手の言いなりになってやり過ごそうとすることではないということは、聖徳太子が随の煬帝に宛てた「日出処の天子…」の国書からも明らかです。
勤勉さは誇るべき美徳
日本人は働きすぎだという外圧に負けて、働くことを罪悪視するような風潮がありますが、大変残念です。もちろん、無駄な残業や非効率な作業工程によって労働時間だけが長引くようなことは改善すべきです。
けれども勤勉に働くことは美徳であり、誰かに必要とされて役に立つ仕事ができることは、本来喜びであるものです。
古事記には、天照大神が機織りの仕事をしていたことが記されています。また、ウミヒコ・ヤマヒコなど他の神々もそれぞれに仕事を持っていました。
つまり日本では神様も働いていたわけです。旧訳聖書の創世記にあるような、苦役として労働を課せられるようになったという考えとは異なるのが、日本人の本来の労働観なのです。
すんだことは水に流す日本人
日本人は基本的に「すんだことは水に流す」というメンタリティーを持っています。
フランス革命でギロチンにかかったマリー・アントワネットのように、前の時代の権力者は新興勢力によって血祭りにあげられるのが世界の標準です。一方日本の場合、徳川慶喜は処刑されなかったどころか爵位まで与えられ、77歳の長命を保ちました。
水に流すことは水そそぎ=禊(みそぎ)で、古事記のなかで黄泉の国から戻ってきたイザナギが行ったのが始まりです。
水に流してしまえばなかったことになり、忘れてしまうのが日本的メンタリティーですが、そうではない国の方が多いため世界各地の紛争は終わらないのです。
古事記がルーツ?日本人のメンタリティー
読んでなくてもみんな古事記を知っていた
古事記が書かれた時代にはまだ平仮名やカタカナが存在しておらず、全文が漢字の当て字で書かれたとても読みにくいものでした。
江戸時代中期の国学者・本居宣長が35年掛けて作成した註釈書である「古事記伝」が登場するまで、古事記そのものを読める人は少なかったのです。
けれどもそれにもかかわらず、古事記に記された古い時代のお話は広く庶民に知られていて、日本人のメンタリティーのルーツとなっていました。
神社に行けば分かる神道の真髄
古事記に登場した神々は、現在も各地の神社に祀られています。ところで日本神道には、はっきりと明文化された経典といえるものはありません。また八百万もの神々が存在し、そのうえ一つの神社に複数の神様がお祀りされています。
このあたりが、戦前に欧米諸国から日本人が未開な民族とみなされていた理由のひとつかと思われます。おそらく、明文化された経典を読み一神教を奉じる人々にとって、日本神道はつかみどころがなく理解できなかったのでしょう。
とはいえ日本神道に教義がないわけではありません。神社にお参りすれば教義を直感的に感じ取れるようになっているため、聖書のような経典はいらないのです。
鏡を見れば分かる神道の教え
神社には基本的にお寺での仏像に相当するような、神様の姿を模した像は祀られていません。その代り大きな円い鏡が置かれていて、その鏡を見れば教義が分かるようになっているのです。
鏡のように曇りない清浄な心が大切であることや、鏡は磨かなければ曇ってしまうこと。
さらには鏡には一切がありのままに映し出されている、つまり神様はお見通しだから、見られて恥ずかしくないように行いや心のありようを正しましょうという、清明で高潔な教えなのです。
寛容さは神代の時代から
通常は他国から新しい宗教がやってくると、血の雨が降るものです。けれども日本には八百万もの神様がいるので、ひとりやふたり増えてもさほど気になりません。
仏教が伝わったときに物部氏と蘇我氏がかなりもめはしたものの、神道を奉じる天皇が仏教に帰依して解決しました。
その後、キリスト教が伝わったときには、国防面での理由からキリシタンが迫害されましたが、西洋の宗教戦争のような状態には至りませんでした。現在では各地に教会が建ち、クリスマスにはみんなでイエス様の生誕を祝っています。
古事記は日本人の心の故郷
大和の心が世界を救うかも?
正直言って古事記にはよくわからない部分がたくさんあります。けれども古い話とはそういうものです。イエスさまやお釈迦さまが生まれたときのお話も、かなり怪しい?といったら罰が当たりそうですが…。
怪しい部分があるから書かれていることはすべて怪しい!などと狭量なことは言わずに古事記を読んで、「和」と「勤勉さ」と「水に流す」を実践していただければと思います。
今日のボタモチ
今日のボタモチは【稀有】です。
稀有なるものは、ヘタをするとマイノリティーとして黙殺されてしまいます。「いいものはいい」という自負のもと、粛々とアピールしていきたいものです。
※今日はボタモチ、1個追加!
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