ふるさと納税は、たった2,000円の自己負担額で全国各地の特産品などが手に入るうえに節税にもなることから、年を追うごとに人気が高まっています。また、平成27年以降は確定申告をしなくても税金が戻ってくるワンストップ特例制度が導入され、ますます便利になりました。
しかし、思わぬことからワンストップ特例制度が適用されず、節税効果がなくなってしまうこともあるのです。今回は、ふるさと納税のワンストップ特例制度を正しく利用するために知っておきたい注意点についてです。
ふるさと納税でワンストップと確定申告はどう違う?
ふるさと納税を行ったあと、忘れずにしておかなければならないことがあります。これを忘れると節税メリットがなくなってしまうので、くれぐれもご注意ください。
そもそもふるさと納税で節税できる理由は?
ふるさと納税で節税できることはよく知られていますが、どのようなわけで節税効果が得られるのでしょうか。
ふるさと納税を利用すると税金控除が受けられるのは、自治体に支払ったお金は「寄附金」として取り扱われて「寄付金控除」を受けられるためです。これにより控除された額が本来収めるべき税金から差し引かれ、節税となります。
★ふるさと納税は節税以外にもメリットいっぱい
寄付金控除を受けるためには手続きが必要
サラリーマンの方の場合、自分で確定申告を行って納税することはあまり多くありません。
たいていは、会社で年末調整の書類を提出するだけで事足りているはずです。しかし寄付金控除は年末調整で受けることができず、確定申告を行う必要がありました。
ところが平成27年以降はふるさと納税ワンストップ特例制度が導入され、条件つきですが確定申告をしなくてもよくなったのです。
ワンストップと確定申告の違いは?
ワンストップが確定申告と大きく異なる点は、利用できる方に制限が設けられていることです。ワンストップ特例制度を申請できる方の条件は以下のとおりで、両方を満たしていなければなりません。
ふるさと納税の利用が年間5自治体以下の方
ふるさと納税を申し込む自治体は5つ以下でなければ、ワンストップ特例制度は利用できません。ただし、同じ自治体に2回以上申し込んでも1自治体として扱われます。つまり、申込件数ではなく申し込んだ自治体の数で判断されるのです。
確定申告をしなくてもいい方
サラリーマンであっても確定申告をする必要がある方は、ワンストップ特例制度を利用することができません。ワンストップ特例制度は、納税に際して確定申告を行う必要がない方への措置だからです。
サラリーマンでも以下のような方は確定申告を行う必要があるため、ワンストップ特例制度ではなく確定申告で寄付金控除を申請してください。
- 給与が2,000万円を超える方
- 2カ所以上の会社から給与を得ている方(年末調整された以外の所得金額が20万円を超える場合)
- 給与以外の副収入が20万円を超える方
- 医療費控除や初回の住宅ローン控除を申請する方
なおワンストップ特例制度は、ふるさと納税を行った翌年の1月上旬(2018年分は2019年1月10日)までに申告しなければなりません。もし申請後に氏名や住所などに変更があった場合にも、同じ期日までに変更届を提出する必要があります。
万一、ワンストップ特例制度が締切日に間に合わなかった場合には、確定申告を行えばOKです。なお、確定申告は申告期限から5年以内なら後から行うことができるので、もし忘れていたなら今すぐ申告を行いましょう。
ふるさと納税でワンストップが無効になるのは?
ふるさと納税でワンストップ特例制度と確定申告の両方を行った場合、確定申告が優先されます。ふるさと納税の寄付金控除を受けるためにワンストップ特例制度を利用した後で、確定申告を行った場合をみてみましょう。
この場合、確定申告でふるさと納税の寄付金控除を行っていなければ、先に提出したワンストップ特例制度での寄付金控除申告は無効となってしまいます。つまり、後から提出する確定申告でもう一度ふるさと納税の寄付金控除を申告しなければならないのです。
この点に注意しておかなければ寄付金控除を受けられず、節税効果がなくなってしまいます。
ふるさと納税を上手に使って賢く節税
ふるさと納税はユニークな制度
おトク感とお楽しみ感がいっぱいで地方の活性化にもつながるふるさと納税は、大変ユニークな制度です。
自宅にいながら地方の特産品を割安価格で手に入れられたり、お気に入りの地域を納付先として選ぶことができたりする点も魅力的です。
ふるさと納税を上手に使って賢く節税するために、ワンストップ特例制度や確定申告を忘れずに行っていただければと思います。
今日のボタモチ
今日のボタモチは【ふるさと】です。
あなたにとっての「ふるさと」はどこでしょうか。生まれた土地や育ったところというのが一般的ですが、愛する場所やいずれ帰りたいところかもしれません。
人の移動範囲が拡大し時間の流れが高速化するにつれ、ふるさとの定義も変化していくのでしょう。
※今日はボタモチ、1個追加!
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