エンディングノートの必要性って?何を書く?遺言書との違いは?

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エンディングノート

エンディングノートと終活はセットのように語られることが多いもので、広く知られるようになりました。しかし、終活でエンディングノートは必要性があるものなの?という方や、何を書けばいいのか、遺言書とどう違うのかといった疑問を持っている方も多くおられます。

今回は、エンディングノートを買ってはみたもののそのままになっているという方や、興味はあるけれどよくわからないという方にお読みいただきたい内容です。

エンディングノートの必要性って?

そもそもエンディングノートとは

エンディングノートは、終活のガイド的な役割をするものです。終活とはこの世を去るまでにしておく身辺整理のようなもので、そのための覚え書きのようなものがエンディングノートだと思えば、おおむね正解でしょう。

市販されているエンディングノートには、記載しておくと役に立つ事項が並んでいるので、少しずつ空欄を埋めてゆくだけでOKです。

エンディングノートに効力はない?

以前、筆者は司法書士の先生をお招きして「エンディングノートセミナー」を開催しました。

多くの方が熱心に聴講され、最後の質疑応答でエンディングノートの実効性についての問いがありました。ところが答えは「法的な拘束力はありません」というつれないもの…。

会場のテンションが一気に下がったことを思い出しますが、これだけを見ればエンディングノートは気休めにしか過ぎないもののようにも思えます。

エンディングノートの大切な役割

エンディングノートに法的な効力はありませんが、書かれた方の希望を伝えることはできます。これがエンディングノートの大切な役割なのです。

家族だからといって、お互いのことをよく知っているわけではありません。むしろ身近だからこそいちいち言うまでもない、言わなくても分かっているなどと考えて、何を望んでいるかを語り合うようなことはしないまま…ということが多いのではないでしょうか。

エンディングノートがあれば、言えないままだった「本当の気持ち」を伝えられるのです。

エンディングノートで自分を再発見

エンディングノートをつづるとき、自分と対話しながら胸の内を掘り起こして言葉にする作業が行われます。

毎日忙しく過ごしてきた現役時代には、自分を振り返る余裕はありませんでした。また引退後は、日々短くなっていく残りの人生を直視できずにやり過ごそうとしてしまうものです。

ペンを執りながら、これまでの自分をすくい上げ残りの人生に思いを馳せてみることで、自分を再発見できるのではないでしょうか。ここがエンディングノートの真骨頂であり、ここから終活が始まってゆくのです。

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エンディングノートには何を書くの?

エンディングノートはあなたの代弁者

エンディングノートには何を書いてもOKです。

とはいえ、好きに書いていいといわれると案外戸惑うものなので、市販されているエンディングノートには概ね以下のような項目が用意されています。

個人情報

  • 健康保険証
  • 介護保険被保険者証
  • 運転免許証
  • パスポート
  • マイナンバー

これらは現物があるものなので、どこに保管してあるのかを明記しておくとよいでしょう。現物の紛失に備えて、ナンバーを控えておけばより安心です。

身内の情報

  • 親族の氏名・住所・連絡先などや、命日や冠婚葬祭の記録
  • 家系図(相続の際に大変便利です)

交友関係の情報

  • 友人・知人の氏名・住所・連絡先などのほか、冠婚葬祭の記録
  • サークルや習い事、同窓会などの連絡先

資産の情報

  • 預貯金(金融機関名・口座番号)
  • 有価証券やその他の金融資産
  • 不動産
  • 動産(美術品・骨とう品・宝石・貴金属・ブランド品など)

預貯金の残高まで記載する必要はありません。

死亡後、預貯金が凍結されてしまうと口座自動引き落としができなくなってしまい、公共料金などが支払えなくなってしまうので、引き落とし口座の扱いには注意が必要です。

なお、美術品や骨董品の価値は素人目にはわからないため、お宝をうっかり捨てられてしまう恐れがあります。資産価値があるものについては、その旨を記載しておきましょう。

借金の情報

  • 借入金・ローンの借入先
  • クレジットカードのリボ払い

あまり書きたくないことかもしれませんが、これは大切な項目です。もしあるのならできれば早く完済して、「負の遺産」を遺さないようにしたいものです。

生命保険の情報

生命保険の保険金請求は、被保険者の死亡後速やかに請求しないと請求権が失われてしまいます。その他の保険金も請求しなければ受け取ることができないため、自分がどんな保険に加入しているのかを把握しておく必要があります。

さらに、契約者・被保険者・死亡保険金受取人が誰なのかによって税金の種類が変わってくるので、契約内容を確認しておくとよいでしょう。

年金の情報

  • 公的年金(国民年金・厚生年金・共済年金)
  • 企業年金
  • 個人年金

年金も請求しなければ受け取れません。忘れているものはないか、しっかり確認しておきましょう。

医療・健康関係の情報

  • かかりつけの病院
  • 持病やアレルギー
  • 病歴
  • 常用薬(お薬手帳)

救急搬送などで普段お世話になっていない病院に掛かるときなどに、これらの情報があれば適切な処置を受けることができます。

告知・延命治療などについての希望

万一に備え、あなたの考えをはっきりさせておきましょう。また、臓器提供や献体についての希望があればあわせて記載します。

介護についての希望

要介護や認知症になった場合、どのようにしたいのかを明記します。また、財産管理を任せたい人についても記載しておきましょう。

葬儀・お墓についての希望

これらは親族や遺族の思惑や費用の問題で思い通りにならないこともありますが、自分としてはどうしたいのかを意思表示しておきましょう。

最近では、子供に負担を掛けたくないからと葬儀を簡略化したり、墓じまいをしたりする人も増えているようです。

相続についての希望

エンディングノートでの相続についての記載には法的拘束力がありませんが、希望を書いておくことは無駄ではありません。

遺言書について

遺言書を作成しているなら、その旨を記載しておきましょう。遺言書の種類(自筆証書・公正証書・秘密証書)や依頼している専門家の情報も必要です。

エンディングノートと遺言書の違いは?

エンディングノートに書かれていることは覚え書きであって、遺言書のような法的な拘束力はありません。しかし、書きたいことを自由に書き遺すことができるところがメリットです。

遺言書は遺産の配分を決めるための法律文書ですが、付言事項として遺族への感謝や財産配分についての思いなど、財産に関すること以外のことも記載できます。

ただし、遺言書は死後初めて「日の目を見る」ものです。一方、エンディングノートなら家族がいつでも見ることができるため、事前に自分の意思表明ができます。

できればエンディングノートと遺言書の両方を作成しておくことをおすすめします。きっとこれからの人生を思い残すことなく、身軽に過ごすことができるでしょう。

エンディングノートから始まる終活

まずは気軽に書いてみよう

初めての方や挫折した方ならエンディングノートは市販のものがおすすめで、空欄を少しずつ埋めていけばいずれ完成します。

数字などの書きやすいところから、気軽に書き込んでみてはいかがでしょうか。書き進めるうちに、これまでになかった両親や家族への思いが沸き起こってくるかもしれません。

法的効力はなくても、エンディングノートはイザという時に必ず役に立つものです。ぜひ一度手に取って、実際に書いてみていただきたいものです。

今日のボタモチ

今日のボタモチは【スタート】です。

スタートをゴールだと勘違いするところから、悲劇・喜劇は始まります。またゴールは新たなスタートの始まりでもあり、そうやって人々の営みは続いていくのでしょう。

※今日はボタモチ、1個追加!

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