脳トレで認知症は予防できる?効果のあるおすすめの方法は?

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脳トレイメージ

認知症予防への関心は大変高く、百マス計算や音読、塗り絵を始め、ゲームや教材などさまざまなものが考案されています。

筆者も個人的な関心と業務上の必要から、いろいろと調べて試してみたり、介護予防の講座に参加された高齢者の方々にやってもらったりしています。

今回はその中で生じた疑問や、実感したことなどをまとめてみました。

脳トレで認知症は予防できる?

脳トレはホントに効くの?

脳トレに疑問の声が

ゲームや教材、書籍など脳トレ関連の商品やサービスは、数多く発売されています。しかし、脳トレの効果については疑問視する声も多くあるのです。

現在の脳科学は、認知症などの機能回復については一定の効果が認められるが、健康な人の能力向上に役立つかという点では、何とも言えないというのが本当のところのようです。

効果の根拠は脳内画像

脳トレに効果ありという根拠として、磁気共鳴画像(MRI)などで脳内の血流の変化などを画像化したものがよく取り上げられています。

『早い音読』や『簡単な計算』をすると、脳の血流が良くなっている=脳が活性化されているという図式です。しかし、この=(イコール)は正しいと言えるのでしょうか?

昔、前頭葉が活発に働いている人は、その部分がよく発達しているため額が広いという説が流布していました。

額がさほど広くない筆者は「自分は頭が悪いから勉強してもムダ」と早々に諦めてしまいましたが、この説を信じる人はもういないと思います。

そして、MRIの画像が『広い額』と同じでないといい切れるのか否か?あなたはどう思われますか?

そもそも認知症の原因とは?

アミロイドβが原因?

認知症の原因として、最近では、アミロイドβとタウタンパク質の蓄積によって脳神経細胞が死滅することで認知症が引き起こされるという説が有力です。

認知症発症のメカニズムは、まずアミロイドβの蓄積から始まり、その後約10年すると、タウタンパク質の蓄積が始まります。

それからさらに約15年間にわたり、アミロイドβとタウタンパク質が蓄積し続け、脳神経細胞が死滅してゆくと認知症を発症するのだそうです。

しかし、アミロイドβとタウタンパク質の蓄積が認知症の原因なのか、認知症になった結果なのかという疑問もあります。

認知症は静かに進行している?

つまり認知症を発症するまでには、アミロイドβの蓄積が始まってから約25年かかるのです。

認知症が発症するのは70歳頃が多いので、45歳頃にはアミロイドβの蓄積が始まっているということになります。

筆者のようなアラフィフの場合、すでにタウタンパク質が溜まり始めているのですね…。

この説でいけば、アミロイドβとタウタンパク質が脳の中に溜まらないようにするか、取り除くかすれば認知症は予防できそうです。

認知症の予防に効果があるものは?

脳トレは、すでに認知症になった方については効果が認められているようです。

また、脳もカラダの組織のひとつなので、血流が悪いと健康的な状態から遠ざかるというのは間違いありません。

使わないと錆びつくという点も納得できるので、脳トレを試してみる価値はありそうですが、脳トレ以外の認知症を予防するための対策もみてみましょう。

睡眠

睡眠中の脳の状態についても、さまざまな研究がなされています。

睡眠中には、カラダの修復や記憶の整理などのほか、アミロイドβの排出も行われているため、睡眠は健康によいだけでなく、有力な認知症対策にもなるのです。

ラットを眠らせない実験では、2週間で脱毛して皮膚に潰瘍ができ、低体温や体重の減少が見られ、3~4週後には死亡してしまったそうですよ。

寝る子は育つと言いますが、子供だけでなく大人にとっても寝ることはとても大切だといえます。

有酸素運動

脳内の血流をよくするには有酸素運動がとても効果的です。また、神経細胞を活性化するホルモンやアミロイドβを分解する酵素を増やすこともできるといわれています。

適度な運動は快眠にもつながるため、さらにアミロイドβの排出が促進されるのです。

栄養

認知症予防に効果的と言われる食品があります。アメリカ人を対象にした研究結果ですが、

  • 緑黄色野菜
  • ナッツ類
  • 豆類
  • 全粒穀物
  • オリーブオイル

などが積極的に摂りたい食品としてあげられています。魚・豆・野菜は日本人が日常的に食べている食品ですね。

また、控えたほうがよい食品としては、

  • 赤身の肉
  • バター(アメリカではマーガリンは禁止食品)
  • チーズ
  • お菓子
  • ファストフード

これらを一般的なアメリカ人は恐ろしいほどたくさん食べているので、お菓子やファストフードはともかく、赤身の肉に関しては単に『食べ過ぎ』なだけかも?

笑い

笑うと脳の血流がよくなるという研究結果が出ています。

脳疾患の患者さんを対象に、落語の鑑賞前後の脳の血流量を測定すると、落語を見た後では64%の患者さんに脳の血流増加が認められたそうです。

特に、落語を面白いと感じた人ほど血流がよくなっており、『楽しい』ということが大きなポイトになっているようです。

認知症を予防するための方法は?

『快』の要素を取り入れよう

認知症を予防するには、あたりまえの健康的な生活を送ることをベースに、『快』の要素を取り入れた活動を行うことがよいようです。

単調な脳トレを楽しんでやれるのならいいのですが、『つまらない』『なんでこんなことしなきゃならないんだ』などと思いながらやるのでは、逆効果になりかねません。

脳トレで認知症の方に認知能力の改善が見られるのは、リハビリとしての脳トレに加えて、介護者や医療関係者が励ましたりほめたりすることで、『快』の感情を得られることも大きな要因なのではないかという意見もあります。

脳と感情への刺激が効く

脳はナマケモノ

脳は基本的にナマケモノにできています。脳が活動する際に使用するエネルギーは、全体の20%と言われていますが、脳が全身に占める重さの割合はたったの2%。つまり脳はアメ車のように大喰いなのです。

そこで、脳も少しは遠慮しているのか慣れてしまったことは極力省エネで片付けています。つまり、同じことを繰り返していても刺激にはならないということなのです。

また、『面白くない』『難しすぎてできそうもない』と判断したものは、ヤル気を起こさないようにして避けようとします。ホントによくできていますね。

感情が記憶力を高める

扁桃体は、「快・不快」や「好き・嫌い」というような感情に関係している組織です。この扁桃体は記憶を司る海馬の隣にあるため、記憶に大きな影響を与えるのだそうです。

また、扁桃体が活動すると、脳内の神経細胞同士の結びつきが強くなり記憶力が高まります。強い感動体験を忘れられなくなるのが、わかりやすい例ですね。

記憶力の他にも、好奇心や意欲・関心といった精神作用は感情に大きく左右されるため、感情をうまく利用すれば、ナマケモノの脳をしっかりと働かせることができそうです。

脳トレで認知症は予防できる?…まとめ

認知症予防は楽しくやってこそ効果あり

筆者が在籍する事業所でも、介護予防事業の一環として認知症予防講座を開催していますが、何より大切にしていることは『楽しみながら』行うことです。

また『もうちょっとでできそう』なレベルの課題を用意して、参加された方々のヤル気を高めたりもしています。

今後も、筆者自身を実験台にして、もっと楽しめるものを追求してゆきたいと考えています。

今日のボタモチ

今日のボタモチは【快】です。

気分がスカッと快晴だと愉快に暮らせます。大人のたしなみとして、自分をいつも愉快にしておきたいものだと思います。

※今日はボタモチ1個追加!

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