認知症関連のイベントなどで、認知症リスクを発見できるらしいと聞いて気になっていた脳ドック。とはいえ料金の高さがネックで腰が引けていたところ、市から助成を受けられることになり受診がかないました。
今回は、脳ドックの検査方法や値段の相場のほか、実際に脳ドックを受けてみての感想や受診の際の注意点なども紹介します。
脳ドックで認知症を発見できる?
認知症リスクは目に見えるらしい
認知症はアルツハイマー病や脳卒中などによって受ける、脳のダメージから発症します。
無症候・未発症の脳血管疾患やそれらの危険因子は、磁気共鳴診断装置(MRI・MRA)で見つけ出すことが可能で、早期に発見して適切に対処することで発症や進行を押し止めることができるのです。
つまり目に見える認知症リスクを早期に発見して、芽のうちに手を打ってしまおうというわけです。
脳ドックで脳の過去と未来も分かる
脳ドックのメインは、磁気共鳴診断装置による脳の脳実質撮影(MRI)と脳血管撮影(MRA)です。
MRIでは多方向から脳の輪切り画像を撮影し、脳梗塞や脳出血、脳腫瘍などの病変がないかを調べます。MRAでは、脳の血管のみを3Dで画像化することで、脳の動脈瘤や血管の閉塞・狭窄などがないかを分かります。
認知症になった脳と健康な脳は、画像をみればかなり違いがあるそうですが、過去に起きた小さな脳出血やこれから詰まりそうな血管のほか、脳疾患の芽のような小さな変化もしっかり映っているのです。
▼脳ドック+予防で認知症対策
脳ドックの検査方法
脳ドックは心理テストや認知機能検査もあり
脳ドックでは以下のように、画像診断だけでなくさまざまな検査を受けます。
- 身体検査:約5分
身長・体重・血圧の測定 - 血液・尿検査:約5分
腎機能・糖尿病・脂質検査で脳動脈硬化促進疾患の有無をチェック - 心電図:約5分
心原性脳塞栓のチェック - 聴力・視力検査:約15分
第Ⅱ/第Ⅷ脳神経能力の定量測定 - 心理テスト:約10分
CMI・SDSによる心の疲労度チェック - MRI・MRA検査:約30分
頭部のMRIと頭部・頸部の血管撮影 - 頸動脈超音波検査:約10分
頸動脈の動脈硬化や脳血栓・脳塞栓の予知 - 神経学的診察:約10分
脳神経・脊椎神経と脳動脈硬化症のチェック - 認知機能検査:約10分
長谷川式簡易知能評価スケールと時計描画テスト - 画像診断説明:約5分
MRI・MRA画像を見ながらの診断説明
MRI・MRAは結構くたびれるかも
心理テストは、設問を読んで「はい・いいえ」などに丸をつける簡単なものですが、設問数は結構たくさんあって文字も小さいので、メガネを忘れると大変です。
長谷川式簡易知能評価スケールと時計描画テストは、かんたんな記憶ゲームや引き算などが出題されます。
MRI・MRA検査は同時に行われ、被爆や痛みはありません。けれども30分ほどうるさい音を聞きながらじっとしている必要があり、意外とくたびれました。頸動脈超音波検査は妊婦健診のエコーと同じような感じです。
画像診断説明で自分の脳と対面
MRI・MRA画像を見ながらの診断説明では、自分の脳の画像をじっくりみながらドクターの説明を受けます。
脳のまんなかに大きな空洞があってドキッとしましたが、これは「側脳室体部」という正常な空洞ということでホッとしました。
画像でみる限り、筆者の脳はこれまで出血を起こしたことはなく、破裂しそうな血管もないようで問題なし。
ということは、最近頻発している物忘れの原因は、脳ではなくそそっかしさやいい加減さにあるということのようです。なお、詳しい検査結果は2週間後に分かります。
脳ドックの値段は?
脳ドックの相場は3~5万円
脳ドックの値段は検査内容や医療機関によって幅がありますが、相場はおおむね3~5万円となっています。
筆者の居住する市内には脳ドックを実施している医療機関が3つありますが、今回筆者が受診したプランは税込み4万円でした(市の助成を受けられたため自己負担は23,200円)。
公立病院で実施している脳ドックは、筆者が受けたものに頚部MRAが追加されて税込み49,680円。別の民間総合病院では頸部MRAなしで税込み32,400円ですが、基本の人間ドック(税込み43,200円)と同時受診の場合は税込み27,000円と割安になります。
脳ドックの受診で注意すること
体に金属が入っている人は検査できない
手術などにより体内に心臓ペースメーカーや金属プレートのほか、人工関節や刺激電極、脳動脈クリップなどが入っている方は、MRI検査ができません。また、腕時計や磁気カードを持ち込むと使えなくなるそうです。
補聴器やコンタクトレンズ、入れ歯、アクセサリーなども検査前に外しておく必要があります。メイクや整髪剤も控えめにするように指示されます。
食事制限は医療機関によって違う
脳ドックの検査項目には尿検査と血液血検査が含まれるため、半日くらい絶食することが一般的です。けれども筆者のケースは、午後1時からの検査で昼食は普通に食べてOKでした。
食事に関しては医療機関によって対応が異なるようなので、事前に確認しておくことをおすすめします。
脳ドックで認知症リスクの早期発見を目指そう
脳ドックは大丈夫なうちに受けておきたい
認知症が疑われる人は脳ドックの受診を拒む傾向がありますが、「認知症と診断されるのが怖いから」というのが理由だとか。とはいえ、異常が見つかった場合「知りたくなかった」と後悔しないとも限りませんが…。
それでも気持ちがまだしっかりしているうちに、一度脳ドックを受けておくことは有益だと思います。
今日のボタモチ
今日のボタモチは【予習】です。
何にせよ、初めてのことには不安がつきまとうものですが、一通り予習してから臨めばかなり気が楽です。ただし検診の場合は、結果によってどうするかのシミュレーションもしておいたほうがよいでしょう。
※今日はボタモチ、1個追加!
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