先日住宅ローンの半分が完済となり、銀行から抵当権抹消手続きの連絡が入りました。自分でやるか司法書士に依頼するかということでしたが、プロにお願いすると1万円以上するという話。そこで節約と興味本位の両方から自分でやってみることにしたのです。
実際にやってみるとあっけないほど簡単にできたので、方法と必要な書類や掛かった費用などについてシェアしたいと思います。
抵当権抹消に必要なもの
抵当権抹消に必要な書類
住宅ローンが完済すると、銀行から手続きに必要な書類が送られてきますが、これで抵当権抹消手続きに必要な書類はほとんどそろってしまいます。あとは「抵当権抹消登記申請書」を作成するだけでOKです。
「抵当権抹消登記申請書」などと聞くと厳格な書式があるように感じられますが、必要事項さえ記述してあれば問題なく受領されます。
万一書き間違えてしまった場合でも二重線で消して印鑑を捺せば訂正できるので、気軽に作成してみてください。
抵当権抹消に必要な費用
抵当権抹消を自分で行う場合に必要な費用は、一般的な一軒家の場合だと、登録免許税として「宅地」と「居宅」それぞれ1,000円ずつの合計2,000円だけですむのです。
お金ではなく収入印紙で支払うのですが、手続きのついでに窓口で購入できるので、2,000円を用意して法務局へ出向けば大丈夫です。
なお、不動産の所在地によって法務局の管轄が決められているので、手続きをする際には注意が必要です。とはいえ現在自分が居住している自宅の場合なら、特に問題はないはずです。
抵当権抹消を自分でやる方法
それでは実際に自分で抵当権抹消手続きを行うときの流れを、順に紹介しましょう。
銀行から送られてきた書類を確認しよう
筆者宅に銀行から送られてきた封筒には、以下のような書類が入っていました。
- 金銭消費貸借抵当権設定契約証書
- 登記識別情報通知書
- 委任状
- 抵当権解除証書
- 会社法人等番号のお知らせ
2の登記識別情報通知書は、封印された封筒に入っていますが、開封せずそのまま法務局に提出するものなので、うっかり開けてしまわないようにしましょう。5の会社法人等番号のお知らせ以外が提出書類となります。
抵当権抹消登記申請書を作成しよう
法務局webサイトからダウンロードする方法
抵当権抹消登記申請書は自分で作成しなければなりませんが、フォーマットが用意されているので必要事項を追記するだけでOKです。
抵当権抹消登記申請書のフォーマットを入手するには、法務局トップページから「不動産登記申請手続」→「住宅ローン等を完済した」へ進み、「抵当権を抹消する。」の項にある「抵当権の抹消の登記」をクリックします。
すると「16)抵当権抹消登記申請書」にたどり着くのでそこからダウンロードしてください。一太郎・Word・PDFから好きなファイル形式を選べます。記載例もダウンロードできるので、見比べながら作業を進めると確実です。
もっと簡単に作る方法
必要事項だけを記入すると、もっと簡単にできます。まず表題として「登記申請書」と記入したら、続けて以下の項目を記載すればOKです。
- 登記の目的:抵当権抹消
- 原因:平成◯年◯月◯日 弁済
- 抹消すべき登記:平成◯年◯月◯日受付第XXXXX号
- 権利者:物件所有者の登記簿上の住所・氏名
- 義務者:金融機関の住所・会社名・会社法人等番号・代表取締役名
- 添付書類:登記原因証明情報・登記済証・代理権限証明情報
- 平成☓年☓月☓日申請 ☓☓ 法務局 御中
- 申請人兼義務者代理人:権利者と同じ
- 登録免許税:金 2000円(宅地・居宅の場合)
- 不動産の表示
- 不動産番号(宅地分)
- 所在
- 地番
- 地目 宅地
- 地積
- 不動産番号(居宅分)
- 所在
- 家屋番号
- 種類 居宅
- 構造
- 床面積
注意したい項目
原因
「原因」欄には、金融機関から送られてきた書類に記載されたとおりに記入します。解除・弁済・放棄などがありますが、筆者の場合は「弁済」と記載されていました。
権利者
登記簿上の住所と同じでなければなりません。抵当権設定時から引っ越ししていなければ、抵当権設定契約書に書かれているとおりでOKです。
義務者
ローンを組んだ会社の住所と企業名に加えて会社法人番号も記入します。会社法人番号は、銀行から送られてきた書類一式に入っています。
添付書類
登記原因証明情報は「解除証書」「弁済証書」などの表記になっています。筆者の場合は「抵当権解除証書」となっていました。
登記済証とは銀行から送られてきた抵当権設定契約書に「登記済」の印が押されたもので、開けてはならない登記識別証明情報通知書とは別モノです。代理権限証明情報とは金融機関の委任状のことを指します。
不動産の表示
宅地と居宅のそれぞれについて記入しますが、正確な内容がよくわからない場合には登記事項証明書を取って確認すると確実です。
登記事項証明書は「登記情報提供サービス」のwebサイトから簡単に取得できます。費用はクレジットカードで即時決裁され、宅地と居宅を合わせて670円でした。
いざ法務局へ!
認め印をお忘れなく
書類がそろったら法務局へ出向きますが、認め印を忘れずに持っていきましょう。書類には何ヶ所か印鑑を押すところがあるのですが、よく分からなければ法務局で押せばOKです。
筆者も割り印とか捨印とかが微妙だったので、法務局で教わってから押しました。内容に誤りがあったときにも訂正印として印鑑が必要です。筆者は権利者名の変換をミスっていることに現場で気づき、訂正しました。
なお収入印紙に割り印を押してはいけないので、勢いで押してしまわないようご注意ください。
訪問時間は電話で予約できる
法務局を訪問する時間は電話で予約できます。法務局に電話すると最初に音声ガイダンスが流れますが、その中で「訪問の予約」がアナウンスされるのです。
そんなことと露知らず予約無しで16時ごろに法務局を訪れた筆者でしたが、かなり空いていて、手続きは20分ほどで完了しました。
あっけないほどでしたが、繁忙期(4月・7月)だとかなりの待ち時間を覚悟しなければならないようです。
問題がなければ3日後には登記完了
手続きの最後で、「登記完了予定は3日後なので、電話で確認してから登記完了証を取りに来るように」との指示がありました。
言われたとおり3日後の朝イチで電話すると、無事完了との返答。あとは都合のよいときに、抵当権抹消手続きで使用した認め印を持って、登記完了証を受け取りに出向けばOKです。
なお、登記完了後3ヶ月以内に書類を受け取らなければ廃棄処分にされてしまうので、忘れないうちに受け取りに出向きましょう。
抵当権抹消手続きは自分でできる!
拍子抜けするほど簡単だった抵当権抹消手続き
手続き方法を調べ、見よう見まねで作成した抵当権抹消登記申請書の作業時間は1時間ほど。
費用は印紙代の2,000円と登記事項証明書の670円。自宅から法務局までは車で往復30分ほど、手続きには20分ほどで合計50分程度でした。
登記事項証明書は提出しなくてOKなので、不動産の正確な登記内容が分かっている場合は不要です。
正直なところ拍子抜けするほど簡単だったので、よほど忙しい方や法務局が遠方にある方でなければ、ぜひご自分で手続きされることをおすすめします。
今日のボタモチ
今日のボタモチは【換算】です。
外注だと1万円の作業が2時間でできたので、時給換算すると5,000円。年収1千万円レベルの充分に割の良い作業でした。
※今日はボタモチ、2個追加!
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