社会生活

クロスロード防災研修会に参加!「そのとき」に備えるには?

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クロスロードは楽しみながら防災意識を高められる、カードゲーム形式の防災教材です。

阪神・淡路大震災で実際に災害対応にあたった神戸市職員へのインタビューに基づいて作成されたもので、台風や地震などの自然災害が頻発している昨今、災害時にどのような行動を取れば良いのかを考えるヒントになるものです。

今回、神戸クロスロード研修会の講師による研修会に参加したので、その内容をシェアしたいと思います。

防災教材クロスロードとは

クロスロードは簡単なカードゲーム

クロスロードとは文部科学省の「大都市大震災軽減化特別プロジェクト」の一環として、京都大学防災研究所准教授 矢守克也氏・慶應義塾大学商学部准教授 吉川肇子氏・ゲームデザイナー 網代剛氏らによって開発されました。

ゲームのスタイルは、設問に「Yes」または「No」で答えていくというシンプルなもので、お子さんでも問題なく参加することができます。

実際にクロスロードの実践事例では、80歳の高齢者と小学2年生が一緒にゲームに取り組む微笑ましい様子が紹介されていました。

だれでも気軽に取り組めるクロスロードですが、災害をひとごとではなく我がこととして考えるよい機会となるだけでなく、自分とは異なる他者の考えを知ることもできる、なかなか優れモノのゲームです。

クロスロードゲームの進め方

防災シミュレーションゲーム・クロスロードの設問は、「確保した食糧が人数分に足りないとき、この食糧を配布するか否か」といったような、あちらを立てればこちらが立たずというジレンマに満ちたものとなっています。

クロスロードはクイズのような「正解」があるものではなく、一筋縄ではいかない問題に、参加者は結構悩みながら答えを決めるというものです。答えが決まったら「Yes」か「No」のカードを選んで裏返した状態で出します。

そして合図とともに全員が同時に表に返して、多数派の人には青座布団が配られ、一人だけ違った札を出した人がいる場合は、その人だけが金座布団を獲得し、他の参加者は何ももらえません。

座布団を配り終えたところでそれぞれの参加者が「Yes」または「No」を選んだ理由を発表しますが、ここで多様な価値観や視点にふれることができるのです。

ゲーム終了時に一番たくさんの座布団を持っていた人が、勝ちとなります。筆者が参加した研修会では、勝った人たちへの賞品として「防災グッズ」が配布されました。

クロスロードで得られるものとは

災害時のシミュレーションができる

台風7号の影響により、7月上旬に筆者の居住地域には避難勧告が発令されました。このとき、避難勧告に従うべきなのか、どこの避難所へ行くのが最も安全なのか迷ってしまい、迅速な行動をとることができませんでした。

避難するかどうかでこれだけ迷ってしまうのだから、実際に避難所に到着したあとどんなことが起きるのかなど、全く想像も付きません。

クロスロードに取り組むことで災害時に起こりうる事態を知り、それに対してとのような行動を選択すればよいのかを考えることができるのです。

▼避難では行動開始のタイミングが重要

防災の主体性と具体性が高まる

災害時に自分の命を守ってくれるのは、誰でもない自分自身です。政府広報オンラインにも「防災対策で大切なことは、自分の身の安全を守るために一人一人が取り組む『自助』」であると記載されています。

災害に見舞われたそのときに、身の守り方を考えていては間に合いません。各自が当事者意識を持つとともに、平常時にこそ具体的な方法を考えておくことが大切で、その機会を与えてくれるのがクロスロードです。

防災意識を持ち続けられる

災害のニュースにふれたときには「しっかり準備しておかなければ…」と思うのですが、しばらくすると立ち消えになってしまいがちです。

食糧や水の備蓄をしているという方でも、いつの間にか賞味期限が過ぎてしまっていたということもあります。

防災意識を一時的なものに終わらせずデフォルトで持ち続けられるようにするためには、人為的なきっかけづくりが必要です。気軽に取り組めるクロスロードは、折にふれて防災意識にテコ入れするためにおすすめのツールといえるでしょう。

クロスロードは生き筋を考えるきっかけ

「そのとき」を今考えよう

クロスロードには、「重大な分かれ道」のほかに「人と人が出会う場所」という意味が与えられています。ゲームを通して「いざというときどうするか」を考えるとともに、他の参加者の意見に耳を傾ける機会も得られるのです。

年齢を問わず誰でも参加できるクロスロード。各地の防災イベントや研修会などでクロスロードが体験できるので、ぜひ一度参加してみてください。

今日のボタモチ

今日のボタモチは【きっかけ】です。

しなければならないと頭では分かっていても、なかなか取り掛かれないことはよくあります。取り掛かるきっかけとしてはできるだけ気軽なモノが、気負わずにスタードできそうですね。

※今日はボタモチ、1個追加!

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若杉ひふみ
兵庫県生まれの兵庫県育ち
アラ50のO型
現在、昼間は介護予防事業、アフター5はエイジレスライフ実現への考察と実験に勤しむ日々です。
介護予防につながるエイジレスライフの奥義は、好奇心を失わないこと。その実践として「興味本位」な毎日を過ごしています。おいしそうなボタモチはとにかく食べてみよう!ということで、新たな世界との出会いに加え、足腰が強くなるというおまけも付いてきました。
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