夏山登山の危険度は高い!遭難の原因と安全対策への心掛け

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祝日「山の日」が施行されたこともあり、登山を始めてみようかと考える方が増えています。初心者に向けての登山講習会などもしばしば開催されていて、真新しい装備に身を包んだ方を山でよく見掛けるようになりました。ところが、それに比例するかのように山岳遭難の捜索救助活動件数は増えており、対策が急がれています。

今回は夏山で遭難する原因や、初心者が山で事故に遭わないために注意したいことについてです。

夏山登山は意外と危険

遭難事故は夏季に多い

山の日が8月に制定されたこともあってか、夏は登山に適したシーズンと見られているようです。雪山のような装備や技術がなくても登れそうだから、夏山は初心者向きのようにも思えるのかもしれません。

しかし、夏山登山は意外と危険なのです。警察庁の発表によると、平成29年の夏季(7~8月の2ヶ月間)における山岳遭難は611件、遭難者は705人でうち死者・行方不明者は68人となっています。

年間の数値と比較するとそれぞれ23.7%・22.7%・19.2%で、夏季の遭難は年間平均値に比べると多くなっていることが数字に表れています。夏山は初心者向きでも安全でもないことを、広く告知する必要があるでしょう。

登山で道に迷うと危ない

遭難原因は年間・夏季ともに道迷いが最も多く、それぞれ40.2%と26.8%、年間では滑落(16.8%)・転倒(15.1%)、夏季では転倒(23.8%)・滑落(14.5%)と続きます。

夏季における遭難の特色は、平均値に比べて転倒が倍近くの頻度で発生していることです。また、病気・疲労などの体調不良による遭難事例数にも見逃せないものがあります。

年間だと病気が7.5%・疲労が5.6%ですが、夏季だと病気が14.2%・疲労が7.9%に増加しています。事故を未然に防いだり、発生したとき適切に対処したりする方法を広めてゆかなければなりません。

中高年の遭難が多い

年間・夏季ともに中高年の遭難者数が最も多くなっています。

警察庁「平成29年における山岳遭難の概況」によれば、年間の遭難者のうち40歳以上は年間で77.8%・夏季で51.0%、60歳以上は年間で51.0%・夏季では51.3%となっています。

つまり年間を通して遭難者の1/4程度は40~59歳・半数以上は60歳以上となっているのです。

死者・行方不明者だと40歳以上は年間で89.0%・夏季で64,7%、60歳以上は年間で64.7%・夏季では73.5%で、夏山であっても遭難は命に関わるものであることが分かります。

山で遭難する原因と安全対策

山を甘く見ると命取りに

登山事故と聞くと標高の高い山で起きるように思えますが、低い山でも起きているのです。低い山だからと気軽に登り始めたものの、道に迷ってしまうことはよくあります。

下山道を求めてさまよううちになおさら山奥に進んでしまったり、足を滑らせて怪我をしてしまったりすると、裏山程度の山でも遭難してしまうのです。

また300m程度の低い山でも、天候が急変することは珍しくありません。ふもとが晴天だからといって、雨具を持たずに山に入るのは厳禁です。雨に降られると体温が下がってしまい、命に関わることもあります。

山を歩くことは、楽しみながら体力増強とリフレッシュができるとても良い趣味なのですが、山を甘く見ると大変危険です。山は「お天気屋の暴君」と考えて、慎重に接するのが身のためでしょう。

無理してしまう理由は?

山では無理は禁物、天候不良や体調不調などの兆しが見えたら登山を中止するべきだ…と理解しているはずなのに、遭難事故は後を絶ちません。

日程のやりくりをして登山日を決めてから、心待ちにして迎えた当日。楽しく登っているときに気分が悪くなったとしても、天候が少しくらい悪くなっても、せっかく来たのだからと登山を中止する決断は遅れがちになります。

仲間との登山で体調が悪くなった場合だと、自分のせいでみんなが山を降りることになるため、気兼ねから無理をしてしまうこともあるでしょう。

けれども山は逃げません。いずれまたチャレンジできるのだから無理や気兼ねは禁物、的確な判断を心掛けていただきたいものです。

遭難防止は安全対策への心掛けから

謙虚さが身を助ける

山歩きを始めて間もない頃のことです。調子に乗って岩山を登り始めたものの、思いのほか急斜面で降りられないことに気付いて青ざめた、という経験が筆者にはあります。

このときは根性で登り切り、尾根にいた登山者にゆるい下り道を教わって事なきを得ましたが、一つ間違えると大変なことになっていたかもしれません。山は登るより降りるほうが難しいもので、登るときに無理があればすでに赤ランプが点滅していると考えるべきでしょう。

装備や計画に万全を期すことは大切です。けれども人間の非力さを忘れない「謙虚さ」が、身を助ける最大の安全弁だと思うのです。「無事帰宅するまでが登山」ということを、忘れないようにしましょう。

今日のボタモチ

今日のボタモチは【自制】です。

ハイテンションはほどほどにしておかないと危険です。盛り上がっているときの自制は難しいものですが、そこを踏みとどまるのが自制というものでしょう。

※今日はボタモチ、1個追加!

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