夏休みの宿題で、毎年頭が痛いのは「読書感想文」というご家庭が多いようです。本を読むことと文章を書くことのダブルパンチに気後れして、つい後回しにしてしまいがち。
お盆明け辺りから焦り始めるものの、時間ばかり過ぎてゆき、夏休み最終日に親子で悶々としながら、あらすじでなんとか原稿用紙を埋める…よくある光景です。
でも、もう大丈夫、今回ご紹介する読書感想文攻略法を使えば、あっという間に片付きます。では、早速取り掛かりましょう。
読書感想文の書き方にはコツがある
読書感想文は難攻不落?
読書感想文は夏休みの宿題の中でも難攻不落とみなされているようです。
ます、本を一冊読み終えるだけでも大変です。読書が嫌いなお子さんなら、ここで白旗を揚げてしまうかもしれません。
また、読むのが遅いお子さんなら、なんとか読み終えた頃には、本の内容を半分忘れてしまっているかもしれません。
さらに、この後、『作文』を書くのですが、この『作文』も苦手なお子さんが多いようです。このあたりで矢折れ刀尽き、やむなく撤収という憂き目に合う…。
しかたなく、本の前書きや後書きの要約やあらすじを書いて、最後に『面白かったです』でくくり、なんとか原稿用紙を埋めるというのが、よくあるパターンです。
攻め方を変えれば楽勝
こんな苦行?で仕上げた感想文では、お子さん自身も楽しくないでしょう。実は、攻め方を変えるだけで、読書感想文はいとも簡単に楽々と書けてしまうのです。
本を読む→文を書くという常識をくつがえす掟破りの書き方は、4つの手順を踏むだけの飛ばし読みでOKという簡単な方法です。
読書感想文の書き方は手順が決め手
手順1:本を読むのは後回し
本はまだ読みません。というか、まだ読む本も決めません。今回ご紹介する攻略法では、本を読む前に文章の青写真を先に作ってしまいます。では手順を説明しましょう。
まずは、おやつでも食べながらお子さんへの聞き取り調査を行います。
- 興味・関心のあること
- 将来の夢
- 好きなこと・嫌いなこと
- 疑問に思っていること
など、お子さんが日ごろ思っていることなら何でもOKです。
例えば、
- 猫を飼いたいけど、お父さんがダメだって
- あの子と仲良くなりたいなぁ
- 弟はいつもわがままだからイヤだ
- なぜ宿題をしないといけないのか?
などなど…本音に近いほどいい読書感想文ができあがります。この中からひとつ選んでテーマに据えましょう。これでもう読書感想文の青写真ができてしまいました。
手順2:ここでやっと本選び
先ほど決めたテーマに絡ませて本を選びます。この絡み具合は、イコールである必要はなく、むしろこじつけや正反対の方が、面白い読書感想文ができます。
「登場人物も野球が好き」とか「兄弟の数が同じ」とかなら書きやすいかもしれませんが、そうでなくても全く問題ありません。お子さんと一緒に選びましょう。
学校から特に指定がなければ、図鑑を選んでも問題ありません。我が家の子供は昆虫図鑑を読んで、虫の魅力や、自分がどれだけ虫が好きなのかを書いて提出したこともありますが、評価は花丸でした。
手順3:飛ばし読みしながらネタ集め
ここでやっと本を読みます。といっても、始めからから終わりまで全部読む必要はありません。
目次からテーマにからむ部分や、気になった部分だけを探して飛ばし読みしてゆきます。見つかったら、その都度A4用紙に抜き書きしましょう。
このからみぐあいは、イコールでなくてもOKです。例えば、「こいつありえない(怒)」なら、本音が表れたよい感想文になること請け合いです。
書き出す時は、A4用紙1枚につき1文にするのがコツ、後で文章を組み立てるときに役立ちます。本の何ページに書いてあったかもメモっておけば、参照する際に便利です。5カ所も書き出せたらOKです。
手順4:文を書いていこう
抜き書きとテーマをリンクさせよう
抜き書きに自分の考えを書き加えて太らせたり、自分のテーマに抜き書きを使って説明を加えたりしてゆきます。例えば、
- こんなお父さんだったら猫を飼わせてくれるかな
- 登場人物のありえない言動に苛立ったのはなぜだろう
- 素直になれない登場人物から感じ取れた弟の気持ち
- 登場人物に負けないくらい頑張っているんだけど
など、思いつくままどんどんと書き込んでゆきましょう。読書感想文というより作文に近いものになっても大丈夫、そもそも感想文は作文の一種なのですから全く問題ありません。
もし機会があれば、コンクール受賞作品を読んでみてください。読書感想文のイメージがガラリと変わること請け合いです。
文章を組み立てよう
A4用紙を並べ替えながら、仕上げてゆきます。
起承転結型にこだわらず、ビフォアー・アフター型、つまり読む前・読んだ後の自分の変化を記したり、結論を頭に持ってきて、説明を加えてたりしてゆく型もいいですね。
書き出しのインパクトが大きいと、見栄えがします。例えば、
- ○○(登場人物の名前)を書き出しに入れる
- 自分の本音を披露する
- 今後自分はどうしたいのかを表明する
「もし○○が同じクラスなら、僕は毎日ケンカしてると思う」
「宿題のために読んだ本で、悩みの答えに出会えるとは思ってもみなかった」
「僕はもっとおかあさんに主張するべきだと思う」
といった具合です。その後、必要に応じて間を軽くつなげてゆきます。
タイトルを決定
タイトルは文章が出来上がってから決めますが、「『△△(本の題名)』を読んで」にするのはやめましょう。といっても、懲りすぎる必要はありません。
- 「私が○○なら」
- 「○○に言いたいこと」
- 「△△が教えてくれたこと」
くらいで充分です。抜き書きからキーワードを選んで決めたり、本の中で気に入ったフレーズがあれば、それを丸パクリしたりしてもよいでしょう。
原稿用紙に清書して終わり
いかがでしたか?本を全部読まなくても、ちゃんとした読書感想文になっているはずです。あとは、原稿用紙に清書して終わりです。
題や氏名などを書く場所が決められている場合は、しっかり守りましょう。
提出課題は、指定通りの納期と体裁が必須です。ここを外すと、どんなに名文でも評価されないこともあるので注意が必要です。
読書感想文は1日で終わる
読書感想文は1日で終わらせて楽しい夏休みを!
読書感想文や作文というと、どうしても身構えてしまいがちです。
でも、日頃の会話では、相手の話した内容への答えや、話を聞きながら思いついたことを返しながら、言いたいことを気軽に言い合っていますよね。
ご紹介した攻略法も、要は会話の相手が人ではなく、本に変わっただけというものなのです。こう考えればとても気が楽になりませんか?
お子さんが小学校低学年のうちに、文章を書くことへの苦手意識を取り除いておけば、親子とも後々とても楽になりますよ。
学年が進むにつれて、レポートや小論文といった課題が出されるようになっても、心配無用でしょう。
それに、文章をサクサク書けるなら、読解力も高いはずなので、学習内容が難しくなっても、問題なくついていけます。
読書感想文は、イヤなことを後回しにしないという、よい習慣づくりにも役立つ大変ありがたい宿題といえるでしょう。では、楽しい夏休みをお過ごしください。
今日のボタモチ
今日のボタモチは【手順】です。
うまくいかないのは頑張りが足りないのではなく、やり方の工夫が足りないからかもしれません。
思い切って手順をひっくりかえしてみると、思わぬ世界が展開することも?
※今日はボタモチ1個追加!
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