社会人になり、初めての給料を手にしたときから、あなたとお金との長いおつきあいが始まります。
何ごとも最初が肝心、お金に振り回される人生になるか、お金をよきパートナーにできるかは、あなた次第です。まずは、初ボーナスまでの期間をどう過ごせばよいか、見てゆきましょう。
お金の管理はレシートの取り置きから
机上の計画は頓挫する
よく「給料の○割を貯金しよう」などと言われており、蓄財の達人・本多静六は、月給の4分の1を貯蓄するようにすすめています。親元にいれば可能でしょうが、一人暮らしではまずムリでしょう。ここまで極端でなくても、実行できない計画を立ててしまうことはよくあります。
まずは、実態調査から
なによりはじめに行うべきは、自分の生活の実態調査です。まずは、毎月必ず出ていくことが決まっているお金を調べます。
一人暮らしなら住居費・水道光熱費・通信費などの固定費は、金額と引き落とし日がほぼ決まっているのですぐに把握できます。カード払いや奨学金の返済などがある場合は、これもしっかりと計上します。
通帳に記帳されるものは把握しやすいのですが、問題は毎日その都度の出費です。これを追跡調査するために、レシートの取り置きをします。
レシートの取り置きとは?
一番大切なことは、使ったお金をすべて把握することです。レシート取り置きのやり方は、適当な空き箱を用意して、レシートをその中へ放り込むだけでOK。レシートをもらいそびれたらスマホにでもメモっておき、帰宅後、紙に書いてレシートと同様に放り込みます。まずは1ヶ月続けてください。
最近は、あまり現金を使わずカードや電子マネーで決済するという人や、買い物はほとんどアマゾンなどで済ませるという人もいます。この場合も、品物やサービスを購入した時点ですぐにメモって空き箱に放り込みます。
1ヶ月後、月次収支
いよいよ本番です。箱から取り出したレシートの山を、全て合計します。費目は無視、とにかく総合計を出します。その額と、固定費など通帳に記載される出費額を足した額を、あなたの給料から引きます。
いかがですか?プラスになっていれば、あなたは黒字体質といえます。マイナスだったら赤字体質…でも、早く気づけてよかったですね。今ならすぐに黒字体質への改善が可能です。
2ヶ月目のお金づきあい
黒字体質バージョン
積立のすすめ
黒字生活が崩れてしまうのは、急な出費のためです。例えば、友達の結婚式に出席することになれば、お祝いだけで2~3万円、衣装のレンタルや交通費などを入れると、あっという間に5~6万円が飛んでゆきます。
ここで踏ん張れるかどうかですが、うっかりカードローンやリボ払いを利用すると、赤字体質から脱却するのは難しくなります。
こんな事態を乗り切るために必要なのが、「イザというとき用の蓄え」です。突発的な出費に備えて積立を始めましょう。この積立は使うためのものなので、手数料がかからず引き出しやすい口座を選びます。面倒なら、タンス預金でもOKです。
保険は要注意
まだ保険に入っていない人が多いと思いますが、保険は高い買い物です。会社に保険のセールスレディが出入りしている場合、特に注意が必要です。言いなり加入せずじっくりと検討しましょう。
保険は保障内容も大切ですが、あくまでも滅多にないコトのためのものです。社会保険などからの手当で十分まかなえる場合が多いため、掛け金が高額になりがちな総合保険はまだ不要でしょう。
必要な保障だけを掛け捨て、もしくは短期契約のものから選びたいものです。掛け金が安い上、ライフスタイルに合わせて保障内容を変更しやすいのでおすすめです。
赤字体質バージョン
固定費の見直し
赤字をなくすことが、緊急の課題です。このままだと、ボーナスで赤字を埋めることになり、お金に振り回される人生になってしまいます。
まずは固定費の見直しをしましょう。住居費は高すぎませんか?理想は手取りの30%程度といいますが、おそらく40%近くになっている人が多いと思います。次の更新までに30%で収まる物件を探しておきましょう。譲れない条件に絞ってじっくり探せば、よい物件に出会えるはずです。
また、通信費もバカになりません。筆者は3年前に某社のガラケーからSIMフリーのスマホに変えて、ひと月6000円も安くなりました(というか、最初が高すぎただけ?)。面倒なのは最初だけ、あとは何もしなくても結構な金額を節約し続けられます。
レシートの見直し
先ほどのレシートをもう一度見直します。注目すべきは「どこで使ったのか」と「支払った額と満足度の差」の2点です。
- どこで使ったのか
- 満足できる出費ならOK
たとえばコンビニのレシートが多いという場合、見直しによる黒字転換は容易です。来月はもう少し利用回数を減らしましょう。次に、内容を見てみます。
スーパーやドラッグストアで買えるものが多くはないですか?ほとんどのモノはコンビニで買うより、スーパーやドラッグストアの方が安いはずです。
支払った額に比べての満足度合いを見てゆきます。たとえ100円の出費でも満足度が低ければ、無駄遣いです。傘を忘れて出先で買った500円のビニール傘は、気に入って買った3000円の傘よりお買い得とは言えません。
漫然と節約するより、満足できない出費をしないように心がけることが、無駄遣いを減らすコツです。支払った価格よりも、得られる価値の方が高いような買い物をすれば、お金の使い方が上達して黒字体質になれますよ。
カード払いの見直し
カード払いは借金です。特にリボ払いは高金利の借金なのですが、そのように自覚している人は少ないようです。利用限度額と、あなたが使ってもいい金額は別モノなのに、そうは感じません。一番安全なのはカードを使わないことですが、現代社会ではなかなかそうはいきません。
そこでおすすめするのが、カードで使った金額を手持ちの現金から別の財布に移動させること。もちろん、メモに記入してレシート取り置き箱に入れておきましょう。これで使いすぎを防ぐことができるようになります。
3ヶ月目のお金づきあい 目指せ黒字化
黒字を目指そう
ここまでで、あなたがひと月暮らすために必要な金額は把握できました。次のステップでは黒字家計を目指してゆきます。
手取りから口座引き落としされるお金や支払いが決まっているお金を取り除けた残りが、今月あなたが使うことのできるお金です。
これを31で割って7かけた金額は、1週間分の予算です。内訳は自由、何に使うかより、これで1週間しのぎ切ることにチカラを注ぎましょう。
使えるお金は全額手元に引き出しておく
ATMの手数料くらい納得のいかないものはありません。自分のお金を引き出すのに、なぜ「金利」を支払わなければいけないのか?断固として拒否しましょう。そのためには、ひと月分の使えるお金を全額引き出しておくのです。
「全部使ってしまいそうだから」と、小出しに引き出すのはかえって不経済です。ATM手数料が無料であっても、わざわざ出向いて列に並ぶ時間がムダですし、コンビニATMなら、つい余計な買い物をしてしまいます。
また、手元にお金を置けないというのは、貧乏体質になりかかっているのかも?体質改善のためにも、小出しの引き出しはおすすめできません。
ボーナスが出たら
ボーナスが出るまで赤字を出さないことを目標にしましょう。そして、ボーナスはないものと思って全額貯金します。
目標は100万円!とりあえず100万円あれば何かあっても大丈夫ですし、自己投資のチャンスを逃さずしっかりつかむこともできます。
お金の管理は自己管理への第一歩
社会人たるもの、自己管理はできて当然です。自己管理といえば、健康管理や時間管理が思い浮かぶと思いますが、お金の管理も大切なスキルです。
興信所では、レシートから調査対象の行動を探るのだそうで、お金の使い方にはその人の行動パターンが現れるのです。お金の管理を通して、生活全般の管理もできるなら、一石二鳥ですね。
今日のボタモチ
今日のボタモチは【自己管理】です。
自己管理にはまず、自分を把握することが必要で、お金とのつきあい方から自分が見えてくるのです。
※今日はボタモチ1個追加!
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