フレンチトーストは、パンに卵液を染み込ませて焼くだけというシンプルなものです。喫茶店のモーニングでもコンビニでも売られているので簡単に口にすることはできるけれど、これまで気に入ったものが見つかりませんでした。それなら自分で作ってみようと試行錯誤を重ねたところ、ついに金色に輝く極上のフレンチトーストができあがったのです。
今回は「パン以外はほとんどが卵」という筆者オリジナルの超簡単でシンプルなフレンチトーストのレシピをご紹介したいと思います。
よそのフレンチトーストはココがイマイチ
筆者は好き嫌いがなく何でもよく食べるタチなのですが、フレンチトーストに関しては言いたいことがいくつかありました。
- 卵液が中までしみていない
- ペタンコにしぼんでいる
- 卵の風味が薄い
- べちょっとしている
理想とは程遠いフレンチトーストをいただきながら、ついに自力で納得のいくフレンチトーストを作ろうと決意、理想郷を求める旅が始まったのです。
残念なフレンチトーストの問題点と原因
フレンチトーストには、金色の輝きと上手に焼けた厚焼き玉子のようなふっくらふんわり感が必要です(独断)。
色が白っぽかったりぺたんこでべちょっとしていたりするなど、問題の多い残念なフレンチトーストになってしまうのはなぜでしょう。
卵液が中までしみていない
卵液の量が足りない
出回っているレシピの中には、どう見ても卵液の量が足りないのでは?と思われるものが結構あります。これでは中心部まで卵液がいきわたりません。
卵液に浸す時間が適切でない
パンに卵液がしみこむためには、ある程度の時間が必要です。喫茶店などでは注文が重なったときなど、時間を端折ってしまうことがあるのかもしれません。
ペタンコにしぼんでしまう
パンが溶けてしまった
パンを卵液に浸す時間が長すぎたり、浸している間にパンをいじってしまったりすると、パンが溶けてパンがゆのようになってしまいます。
こうなるとパンのスポンジ状が崩れてしまい、べちょっとしたペタンコな焼き上がりとなるのでは?
卵液の配合がイマイチ
茶碗蒸しをイメージしていただければと思いますが、卵に加える水分量で加熱したあとの質感が変わってきます。水分が多くなるとつるんとした質感になり、ふっくらふんわりとした仕上がりにはなりません。
また、水分が多くなって卵の割合が減るほど卵の味・色とも薄くなってしまい、金色からは程遠くなってしまいます。
卵のコシがなくなっている
コシのない卵液は、加熱してもふっくらと焼けません。卵のコシは、混ぜ過ぎたり混ぜてから長時間置いたりしているとなくなってしまうのです。
極上のフレンチトーストを目指して
いろいろと考えた結果、極上のフレンチトーストを作るためには「卵液の出来」と「パンを溶かさずに卵液をしみこませる」ことの2つがポイントだろうと仮定しました。
卵液のベストな配合は?
一般的なフレンチトーストの卵液は、卵に牛乳と砂糖を加えたものが使用されていて、レシピを見比べると牛乳を卵と同量程度加えたものが多いようです。
しかし、筆者は「卵の味と色が濃いフレンチトースト」が好きなので、これではもの足りません。卵液の水分が多くなると、パンが溶けやすくなるところも気になります。
スポンジのようなパンの空気層を保ったまま卵液を含ませて焼くからこそ、ふっくらふんわりとした仕上がりになるのだと思うのですが、パンが溶けてしまうとその隙間が埋められてしまい、べちょっと重くペタンコなフレンチトーストになってしまうのでは?
牛乳はもっと少なくする必要がありそうですが、ミルキーな風味はキープしたい…というわけで、水分が少なく濃厚な味わいの練乳で代用することにしました。
卵はよく混ぜたほうがいい?
極上のフレンチトーストを作るに当たって参考にしたのが、ふっくらふんわりと焼けた厚焼き玉子。
厚焼き玉子のふんわり感のカギは、卵のコシが握っています。卵は混ぜ過ぎたり溶いた後に長く置きすぎたりするとコシがなくなり、焼いたときに膨らまずペタンコになってしまうのだそうです。
フレンチトーストの場合でも、卵液のコシを保つことができればふっくらふんわり焼きあがるはずです。そのためには、よく混ぜたり漉したりせずにザクッと手早く作った卵液のほうがよさそうに思えます。
また、練乳を使うと溶けにくい砂糖がいらなくなるため、卵を混ぜ過ぎなくてすみそうです。
パンは長時間浸したほうがいい?
フレンチトーストのレシピには「卵液に半日から一晩浸す」「途中で何度かひっくり返す」と書かれています。けれども卵は溶いてから時間が経つと、どんどんコシがなくなってしまうのです。
また長時間浸けておいたり何度もひっくり返したりすると、パンが崩れて溶けてしまいます。パンはできるだけいじらないようにして、中心部まで卵液がしみこんだあとは時間を置かずにさっさと焼いてしまったほうがよさそうです。
パンを変えてみたら?
柔らかいパンだと、どうしても卵液に浸している間に崩れてしまいます。バゲットなどのようなしっかり硬めのパンを使うと、失敗のリスクを減らせそうです。
極上のフレンチトーストの簡単な作り方
それでは、金色に輝く極上のフレンチトースト(独断)のレシピをご紹介しましょう。
【材料(1人分)】
- バゲット:2切れ
- 卵:1個
- 練乳:大さじ1杯
- ブランデー:大さじ半分
- バターかココナッツオイル:大さじ半分
- グラニュー糖:ティースプーン山盛り1杯
【作り方】
- バゲットを厚さ1.5cmにスライス
- 卵・練乳・ブランデーを混ぜる
- 卵液にバゲットを45分程度浸す
- バゲットをフライパンで焼く
- 仕上げにキャラメリゼもどきを
【コツ】
- 卵は白身を何度か箸でつまみあげてからザクッと混ぜます。練乳とブランデーは最初に入れておきましょう。均一になるまで混ぜないでください。
- バゲットを浸けておく容器は、バゲットが重なったり折れ曲がったりせずぴったり収まるサイズのものをお選びください。バゲットの全面に卵液をつけてから平たく並べ、ラップをして冷蔵庫に入れます。30分経過後に1回だけひっくり返してください。45分もすれば卵液はほぼなくなっているはずです。
- 焼く前にフライパンを中火で熱してからバターかココナッツオイルを溶かし、バゲットを入れます。フタをして弱火に落とし片面を3分焼きましょう。
- 「カリッと感」を加えるための細工をします。片面が焼けたらグラニュー糖をパンに振りかけてから裏返し、弱めの中火にして30秒、再び弱火に落として3分焼けば出来上がりです。
- 卵液に加えるブランデーは、コワントローやラム酒のほかシェリー酒などお好きなものでOKです。
ついに極上のフレンチトーストができた!
意外と奥が深いフレンチトースト
たくさんのレシピを渡り歩いて失敗の山を築き、よほど自分の腕が悪いのかと凹んだこともありました。しかし、問題の根本に立ち返ることですんなりと解決、卵味の濃いカリふわっとした金色に輝く極上のフレンチトーストを簡単に作ることができるようになったのです。
料理は理(ことわり)を料る(はか-る=推量・見当)ということで、大変勉強になりました。
今日のボタモチ
今日のボタモチは【独断】です。
そもそも自分の理想が王道と一致していることは少ないようです。独断専行であるかもしれないことを理解しておけば、ハタ迷惑になり過ぎない範囲で収まるのではないかと思うのですが、いかがでしょうか…。
※今日はボタモチ、1個追加!
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