暑くなると、毎日の入浴をシャワーですませるという人が多くなります。確かに、暑い時期には湯船にどっぷりと浸かるよりも、サッとシャワーを浴びるだけの方が手軽だし、なにより湯上がりに汗をかかなくてすみますし。
でも、夏バテを始めとする夏の不調は、このまちがった入浴習慣によって引き起こされているのです。
暑くてもお風呂に浸かるメリットは大
シャワーの利点として、手軽で汗をあまりかかずにすむということの他に、爽快感があげられます。水流の刺激によって交感神経が優位となるので、シャキッとしたい朝には最適です。
でも、夜の眠りの前にはお風呂にゆったり浸かることをおすすめします。おすすめの理由をみてゆきましょう。
1.血行がよくなる
お風呂に浸かると、血行がよくなります。じっくり温まることによる温熱効果に加え、水圧と浮力によるマッサージ効果のおかげで、エアコンで冷えて淀んでいた血流をリセットできるのです。
血行がよくなると、全身の細胞に酸素と栄養素がまんべんなくゆきわたり、老廃物は速やかに排泄されます。39度程度のぬるめのお湯にのんびり浸かるのがコツです。
2.代謝がよくなる
お風呂で温まることによって体温が上がると代謝もよくなり、体温が1℃上がると基礎代謝は12%もあがるのだそうです。
代謝がよくなるとカラダの働きは活性化し、本来持っている元気を維持する力が向上します。また、ダイエットや美肌効果も期待できます。
3.疲れが取れる
お風呂に浸かることで血行と代謝がよくなり、細胞の修復・再生が進みます。ダメージを受けた細胞が復活すれば、全身の疲れも取れて元気になります。
また、副交感神経が活性化することで、カラダはリラックスモードに切り替わり、疲れがほぐれてゆくのです。
4.おやすみモードになる
お風呂に浸かることで副交感神経が優位になるとおやすみモードに入ります。さらに、お風呂で温めた体温が、湯上がりに下がってゆくにつれ眠気をもよおし、寝付きがよくなるのです。
心もカラダもほぐれた状態だから、ぐっすりと眠れますね。
5.体臭が少なくなる
お風呂に浸かると毛穴が開くため、臭いの元である汚れの落ちがよくなります。しかし、それ以上に大切なことは、お風呂に浸かって汗をしっかりとかくということです。
汗をかくことで汗腺の機能がよくなり、スムーズな発汗が行えるようになります。スムーズな発汗による汗は臭いが少ないため、体臭も抑えられるのです。
お風呂で耐暑訓練?慣れれば暑さも平気に
夏の暑さがこたえるのは、カラダが暑さについていけないから。カラダを暑さに慣らすことで、夏バテなどの不調に備えようという考え方が、暑熱順化というものです。また、お風呂でしっかりと汗をかくことで、汗を出す汗腺のトレーニングになります。
エアコンの効いた空間で過ごすことが多くなり、夏でも汗をかく機会が減っている昨今、汗腺は仕事をさぼりがちになっています。
人体は本来省エネにできていて、できるだけエネルギーを節約するというのが基本スタイルです。使わない機能は退化してゆくようになっています。
汗をかくことで体温を下げるという大切な働きが退化すれば、カラダに熱がこもってしまい、熱中症を引き起こすことにもなりかねません。お風呂は「暑い」からこそいいのですね。
暑いなら涼しくしよう風呂上がり
夏のお風呂が嫌われる原因が、お風呂上がりに汗をかくこと。せっかく汗を洗い流したのに、また汗をかくのはイヤということですね。
でも、クーラーの冷風と冷えた飲み物で一気に汗を止めるというのは厳禁で、汗を急激に止めるとカラダの中に熱がこもってしまいます。体温が下がることでおやすみモードに入っていくので、寝付きが悪くなるのです。
しっかりと汗をかいても不快に感じない方法をみてゆきましょう。
1.バスローブで汗対策
湯上がりは急いでパジャマを着ようとしないで、バスローブにくるまって汗が流れるにまかせます。そして汗が自然に引いてから、おもむろにパジャマに着替えるのです。でも、バスローブは結構かさばるので洗濯が大変ですね。
そこで著者愛用の「自家製ポンチョもどき」をご紹介します。バスタオルを細長くなるように半分に折って、両端から20cmほど縫うだけ。縫った部分が袖口になり、全体はちょうど筒状の真ん中が切れたような状態になります。
お風呂上がりには、パジャマのズボンを履き上半身にはこれを着て過ごすのです。汗が大量に出るのは主に上半身なので、対策も上半身のみに施せば十分だろうと考えて作成しました。セレブ感はゼロですが、洗濯の楽さには勝てませんね。
2.入浴剤で湯上がり爽快
カラダをしっかりと温めても湯上がりがスッキリ爽快になる、とっておきの入浴剤があります。以前、ミントをいれるといいというお話をご紹介しましたが、これをもっと手軽にしたのが、薬局で売っているハッカ油。お風呂に数滴入れるだけで驚きの爽快感を得られます。
もうひとつのおすすめは焼きミョウバン、こちらも薬局で手に入ります。アセモや体臭対策として昔から愛用されているものです。あらかじめ1.5Lの水に50gの焼きミョウバンを入れて3日ほど放置しておいたものを、お風呂に50ccほど入れるだけです。
夏のお風呂はぬるめが正解
お風呂に浸かることによる効果さまざまで、それらはお互いに相乗効果を発揮します。夏のお風呂の効果を最大化するには、じっくりとお湯に浸かって、カラダの奥までしっかり温めることがポイントです。
そのためには、お風呂の温度はぬるめに設定しましょう。40度以下の気持ちよく浸かっていられる温度にしてください。
また、20分ほどお湯に浸かることを推奨されていますが、そんなに長く入っているとのぼせてしまうという方もおられます。そんな方は、湯船に出たり入ったりしながら合計で20分程度になればOKです。半身浴ものぼせ対策に有効です。
お風呂に浸かって夏バテしらず
夏バテ対策のひとつである冷え解消のために、お風呂に浸かることはとても効果的です。暑いからイヤと敬遠していたあなたも、ぜひお試しあれ。一度そのよさを体感すれば、「夏もどっぷりお風呂派」に転向すること請け合いです。
不快指数がうなぎのぼりする蒸し暑い日本の夏を、うまくしのげるようになれたらうれしいですね。次回はもうひとつの夏バテ対策法、睡眠について考えます。
今日のボタモチ
今日のボタモチは【慣れ】です。健康維持のためには、カラダを労ることとともに鍛えることも必要です。この鍛えるということは慣れのことなので、根性論よりは方法論で迫った方が手っ取り早いのです。
※今日はボタモチ1個追加!
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