せっかくの夏休みです。お子さんと一緒に『漢検』でおなじみの漢字検定に取り組まれてみてはいかがでしょうか?
今回は、小学生が漢検に取り組むメリットや、受けるなら何級がいいのか、勉強法はどうすればいいのかについて、ご紹介します。
漢字検定は小学生にどんなメリットがあるの?
漢検は小学生もたくさん受けている
漢検は、大人から子供まで受検できる、国内最大規模の検定のひとつです。1年間に3回の受検チャンスがあり、志願者数は、年間200万人以上といわれています。
そのうち小学生は約50万人で、小学生にとって漢検はメジャーなものとなっています。
漢検で漢字に自信がつく
漢検受検の一番のメリットは、総合的な漢字力がつくことです。単に読めるだけではなく、漢字や熟語の意味や成り立ちまで理解できるようになります。
この力は、読解力や学習効率を高めるのに役立ち、高校・大学受験や資格試験の勉強の際に、お子さんの大きな助けとなってくれるのです。
漢字だけでない漢検のメリット
また、少しずつ進級してゆくことで成功体験が増えることや、自主学習の習慣づけにもなるなど、漢検受検には、漢字に強くなれること以外にも多くのメリットがあります。
もしお子さんが意欲的なら、先取り受検も可能です。高校受験の際には、漢検3級合格から内申書に書けますが、準2級以上ならより有利な加点が期待できるようです。
漢字検定を小学生が受けるなら何級?
漢検は10級からあります。受検目安は、10級が1年生終了、9級が2年生終了、以下5級が6年生終了となっています。これはあくまで目安なので、受検する級は自由に選べます。
夏休みに勉強して10月に受検するなら、お子さんの学年より1つ下の級がおすすめです。例えばお子さんが3年生なら9級を受検するというぐあいです。
漢検は合否判定がでるので、お子さんのヤル気を削がないためにも、最初は確実に合格できる級を受検したいものです。
どんな問題が出題されるかは、【漢字検定WEB問題集】というウェブサイトが参考になると思います。
漢字検定の小学生向け勉強法は?
漢字検定に最適な教材は?
漢検に限らず受検のための勉強なら、主催者が発刊している公式テキストや問題集を使うのが王道です。
公益財団法人 日本漢字能力検定協会からは数種類の教材が出ていますので、その中からおすすめのものをご紹介しましょう。
いちまるとはじめよう!わくわく漢検
低学年におすすめ、1日10分で手軽に取り組める問題集です。課題が終わったらシールを貼って、楽しく学習を進めて行けます。10~5級まであります。
漢検 漢字学習ステップ
10級~2級まであり、10~8級まではワイド版(B5サイズ)も出ています。
漢字能力が総合的に身につくよう、幅広い分野の練習問題が掲載されているので、これ1冊で検定対策が可能です。
漢検 過去問題集
あれこれと中途半端に手を出すより、『漢字学習ステップ』を2~3回繰り返す方が力がつきます。過去問題集は10級からありますが、余力のある中学年以降からで充分でしょう。
漢検 分野別問題集
4級からあります。「漢字の読み」「対義語・類義語」「送りがな」といった、出題分野ごとに学習できる問題集です。『漢字学習ステップ』で不安のある分野は、この『分野別問題集』で集中的に補強しましょう。
漢字を覚えるコツ
筆者は小学生の頃、宿題で漢字を100回ずつ書かされましたが、上の空でマス目を埋めるだけだったため、『手の運動』と『鉛筆の消耗』でしかなかったように思います。
ただやみくもに書き取りを繰り返すより、もっと効果的に覚えられる方法での学習がおすすめです。
漢字の意味を理解する
漢字の特徴は、一字ごとに意味があるということです。
漢字ごとの意味がわかっていれば、知らない熟語を見ても、どういう意味なのかがわかるようになり、後々の学習速度が違ってきます。
部首を意識する
漢字の「へん」や「つくり」などの部首を意識すれば、漢字を覚えやすくなります。乾電池の『ち』は『地』と『池』のどちらが正解なのかも、へんを意識すれば間違えなくなるでしょう。
また、漢字の 90% 以上をしめる形声文字(『聞』『頭』など)では、意味を表す部分が部首となります。
『聞』の部首は『耳』で、『頭』の部首は『頁』です。つくりは漢字の音を表す部分となり、『聞』なら『モン』、『頭』なら『ズ』となるので、部首がわかりにくい『聞』や『頭』も、一発でOKですね。
書き順もチェック
漢検では、書き順を知らないと解けない問題が出題されます。例えば『帯(7級)』『冊(5級)』の書き順を正しく答えるのは、なかなか難しいものです。
【漢字の正しい書き順(筆順)】は動画で書き順を見せてくれるおすすめのウェブサイトです。
一番の勉強法は「お母さんと一緒」
親もいっしょに勉強しよう
低学年のお子さんや、漢字が苦手だったり、あまり興味がなかったりするお子さんの場合、お母さん(もちろんお父さんもOK)と一緒に勉強することをおすすめします。
我が家では、子供の漢字テストで『冬』に点が3つもついているのに◯になっていて(先生もお忙しいのでしょう)、「これはマズイかも」と思い、子供を誘って一緒に漢検の勉強を始めました。
楽しくて励みになる親子学習
子供は8級、筆者は2級(高卒目安)の『漢字学習ステップ』に各々取り組み、お互いの進捗具合を励みに学習をすすめ、ふたりともめでたく合格できました。
楽しく学習を続けるコツは、子供が乗り気でなくても気にせず、お母さんやお父さんが「楽しく」取り組むことです。
家族受検表彰制度がおすすめ
また、漢検には『家族受検表彰制度』というものがあります。
家族一緒に受検して合格すると、最大6名まで連名の表彰状がもらえるというものですが、家族の名前が並んだ表彰状は微笑ましく、励みもなってよい制度だと思います。
気になる合格データは?
チャレンジすることに意義があるとはいえ、せっかく受検するのだから、できれば合格したいものですね。
合格基準は、10~8級が150点満点で80%正解→120点で合格、7~準2級が200点満点で70%正解→140点です。
2023年度第2回検定分の合格率は、以下のようになっています。
- 10級:94.2%
- 9級:88.6%
- 8級:80.3%
- 7級:84.9%
- 6級:76.2%
- 5級:70.1%
なお検定結果通知は検定日の約40日後、自宅に届きます。
漢字検定は小学生にメリットあり・まとめ
漢検受検にチャレンジしよう
小学生にメリットがいっぱいの漢検、2024年度の個人受験は以下の日程で行われます。親子いっしょにチャレンジしてみてはいかがでしょうか?
- 第1回
申込期間:4月19日(金)~5月10日(金)
検定日:6月16日(日) - 第2回
申込期間:8月16日(金)~9月14日(土)
検定日:10月20日(日) - 第3回
申込期間:12月10日(火)~1月11日(土)
検定日:2月16日(日)
検定料(税込み)は、5~7級が各3,000円、8~10級が各2,500円となっています。
詳しくは、漢検ホームページをご覧ください。
▼楽しく漢字が学べる漢検ミュージアムもおすすめ
今日のボタモチ
今日のボタモチは【刷り込み】です。
親の日頃の言動や趣味・嗜好は、お子さんにしっかりと刷り込まれています。あまり似てほしくないところほど、優先的に刷り込まれているような気もしますが…。
※今日はボタモチ2個追加!
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