永年社会人をやっていると、たくさんの去ってゆく人たちを目にします。立つ鳥後を濁さずという古い言葉がありますが、去り際にはその人の人間性が表れるものです。
どうせ出て行くのだからと、後始末をおざなりにしていると、まさかのつまずきにつながらないとも限りません。今回は、会社を辞める前にやっておくとよいことについてです。
辞めた後どうするの?
ここを詰めずに辞めるのはNGです。病気やケガで辞める場合でも、傷病手当の受給や、失業給付金の受給期間延長手続きの準備をしておくべきです。
通常退職の場合なら、辞めるまでに時間があるはずなので、よく考えてしっかり準備をしておきましょう。
- しばらく自分探しをする
- すぐに新天地で働く
- 起業する
- 転職活動を続ける
など、いろいろでしょうが、それぞれに必要な準備があり、できれば準備が整ってから辞めたいものです。
お金はあるの?
転職先が既に決まっている場合以外、お金の問題は重要です。当座のお金はありますか?
失業給付金を受給するには、離職日以前の2年間に被保険者期間が12ヶ月以上必要です。つまり雇用保険を12ヶ月間掛けていないと、受け取れないということです。
また、受給資格の決定日の翌日から7日間の待機期間があり、自己都合退職の場合は、これに3ヶ月間の給付制限期間が加わります。失業給付金の受給までには、けっこう時間が掛かるのです。
もしまだキャッシング用カードやクレジットカードを持っていないのなら、会社員でいる間に作っておきましょう。
これを忘れると退職後、海外旅行や資金調達などでカードが必要になったときに、審査が通らず悔しい思いをすることになります。
辞めるなら去り際が肝心
退職の意志は早めに伝える
まず、「退職の意思」を上司に伝えなければなりません。民法上では退職日の2週間前までに「退職の意思」を伝えればOKとなっていますが、会社の規約を見てください。
たいていは1~2ヶ月前までに退職の通知をするよう定められているはずで、業務の引き継ぎや後任の指導などのため、ある程度の期間が必要なのです。あなたがいなくても仕事が回るようにしてから、会社を去りましょう。
私物の片付けや、貸与品の返却も忘れずに。筆者は、片付けをしないまま退職した人の自宅に、置き去りにされた私物をゆうパックで送ったことがあります。当然備品なども汚れたままで、エライ目に遭いました。
辞めるその日まで誠実に働こう
よくあるのが、たくさん残った有給休暇を消化するために、退職日を引き伸ばすというケース。確かに有給休暇は権利として与えられているものですが、これはいただけません。
2ヶ月前に退職の意思を伝えたとしても、最後の1ヶ月は欠勤だらけとなり、結局引き継ぎや後任の指導が間に合わなかった…在職中の頑張りはこの一件で吹っ飛んでしまいます。
どうせ出て行くのだから知ったことではない、と思っているのかもしれませんが、世間は狭いものです。特に同業種へ転職する場合、思わぬ人が思わぬ人とつながっていたりします。気をつけましょう。
終わりよければ全てよし
「終わりよければ全てよし」とは、よくいわれる言葉です。終わりがよければ、始まりや途中がイマイチだったとしても、全てよしとなるという意味合いです。
しかし、この「全て」には、これから始まる未来も含まれていると筆者は考えます。終わりの後には次のステージが始まるのだから、終わりのよしが次のステージにも引き継がれるのではないでしょうか。
終わり方がよろしくなかったせいで、終わりの始まりにならないように、「去り際は美しく」を心掛けたいものです。
今日のボタモチ
今日のボタモチは【フィニッシュ】です。例えばフィギュアスケートでフィニッシュが決まると、大歓声があがります。
でも、途中の演技が凄くても、フィニッシュでコケたら台無しになってしまう…こんな残念なことは避けたいものです。
※今日はボタモチ1個追加!
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