タンス預金のメリットとデメリットであるリスクの検証をしてみた

記事内に広告が含まれています。

タンス

マイナンバー以降、目立って増えているのが『タンス預金』。資産家ばかりではなく、高齢者の間でも人気が高まっています。でも、自宅にまとまった現金を置いておくのは無用心ですよね。

今回は、タンス預金を実践している高齢者の声を参考に、タンス預金のメリットやデメリットであるリスクを検証してみました。結果はいかに?

タンス預金のメリット

マイナンバー以降増え続けてるタンス預金。筆者の周囲ではとくにシニア層の方々に愛好者がおられます。

そんなタンス預金愛好者たちにタンス預金に走る理由を尋ねてみたところ、次のような回答を得ました

自分の『財布』をのぞかれたくない

一番多かったのが、マイナンバーで通帳の中身が丸見えになるのでは?という疑心暗鬼からタンス預金を始めたという声でした。国を信用していないことの現れでしょう。

しかし国がその気になれば、新円切替でもやって旧紙幣を吐き出さざるを得なくさせるでしょう。戦後の「事件」を親から聞いていないのかもしれませんが、疑い具合はまだ甘いようです。

相続税で持っていかれるのはイヤ

相続税の非課税額が下げられたことで、今まで相続税とは無縁だった方々も安心していられなくなったようですね。「タンス預金にしておいて子供に現金で手渡せば、税務署にバレるはずがない」とおっしゃいます。

しかし満期を迎えた預金や、預金口座から引き出された現金の行方を追跡することなど、税務署にとっては朝飯前なのです。調査の手は本人だけでなく、親や子供にまで伸びます。

相続税からは、タンス預金程度でとうてい逃げ切れるものではありません。

金融機関に行くのが面倒

足腰に不安がある高齢者にとって、金融機関まで出向くのはけっこう大変なのです。

そこで、手元に現金を置いておきたいということで、結果的にタンス預金となったのだそうですが、この理由は大いにうなずけます。

手数料が惜しい

遠方の金融機関を利用している場合、コンビニエンスストアのATMを利用すれば便利です。しかし、時間帯やATMによっては手数料が掛かってしまいます。

この超低金利の時代に、これが許しがたいことだと力説される方が多くおられました。

超低金利

こんな超低金利では、ガソリン代や電車賃の方が高くつくので、銀行に預ける意味がないという声も多く聞かれました。

この理由も確かにそのとおりだと思います。

営業されるのがイヤ

預金残高が多いと、窓口で投資信託や保険など商品を営業されることがよくあるそうです。

これがうっとうしいのだそうで「人の金や、ほっといてくれ」とご立腹でしたが、おっしゃるとおりだと思います。

銀行が破綻するかも

銀行が破綻すると、1千万以上は保護されないからタンス預金にしているという意見もありました。

しかし、ペイオフにまで至ることは滅多にないことだし、1千万円以上の預金があっても複数の金融機関を利用すれば問題ないと思うのですが・・・。

タンス預金のデメリット=リスクの高さ

以上が実際にタンス預金をしている方の声から拾い上げたメリットの数々です。

金融機関に出向くのが面倒だとか、しつこい営業がイヤだとかのようなうなずけるものありますが、国家権力を甘く見ているのでは…と首を傾げたくなるものもあります。

何より驚いたのは、タンス預金のデメリットであるリスクについて、ほとんど認識されていなということでした。どうやら「自分だけは大丈夫」という妙な自信を持っておられるようです。

盗難

一戸建住宅の場合、侵入被害のリスクは集合住宅の2倍以上となっています。

とくに高い塀や植え込みで目隠しされた和風の家は、外部から中が見えにくく、ターゲットにされやすいのだそうです。

マンションの高層階も安心できません。戸締りが甘くなりやすいためよく狙われ、屋上から外壁伝いで簡単に侵入されてしまうのです。

火災・災害

火災や災害においては、現金は火災保険や地震保険の保障対象外となっています。

銀行預金なら、たとえ通帳や印鑑がなくなってしまってもお金は守られるのですが・・・。

紛失・失念

高齢者の場合、認知症になっていなくても、少しずつ記憶がゆるくなっていることがあります。

どこにいくら仕舞ったのかをうっかり忘れてしまったり、勘違いしてしまったりといったトラブルは、充分に考えられるのです。

廃棄!

家族や本人がうっかり捨ててしまうことはよくあります。

特に盗難対策でユニークな隠し場所に保管したようなケースでは、廃棄リスクも高くなります。「廃棄物から数百万円発見!」などというニュースはよく見聞きするものです。

注目を集める金庫と貸金庫

タンス預金のリスクを意識している方々の間で注目されているのが、金庫と貸金庫です。

固定式の金庫なら安全?

ところが話をよく聞いてみると、金庫とは名ばかりの「手提げ金庫」を導入されているとのことでした。手提げ金庫など簡単に持ち逃げできるのですが、どういうわけか「これで安心」と胸を張っておられるのです。

金庫ごと持ち去られないようにするためには、固定式にしなければなりません。

この場合、金庫の代金が十数万円プラス運搬設置料として数万円が必要となりますが、これで津波や洪水で家ごと流されない限り大丈夫です。

しかし、万一強盗に入られたら中に金目のものが入っているのは明らかなため、命懸けの攻防?となるでしょう。

なお手提げ金庫を「ダミー」として、わざと見つかりやすいところに置いているという知恵者もおられました。

貸金庫も税務署の支配下

次に関心の高いものは銀行の貸金庫で、ここに現金を入れておけば大丈夫と、皆さん口を揃えておられました。

確かに盗難リスクは限りなく低く、災害や火災のリスクも自宅に比べると遥かに低いものです。

しかし、貸金庫は銀行口座と同様に税務署がチェックできるものなので、税金逃れには使えません。

また、契約者が死亡した場合には、預金口座と同じようにすぐさま「凍結」されてしまうため、貸金庫に遺言書や実印を入れておくと「無限ループ」にはまります。

なお、貸金庫の賃料は年間2~3万円程度です。

メリット・デメリットを天秤にかけると?

タンス預金にはデメリットの方が多い

ここまで見てきて、タンス預金にはデメリットのほうが多いように思えます。また、自前の金庫や銀行の貸金庫はコストが高いため、素直に銀行預金に預けておくのが、もっともコストがかからないようです。

筆者は、所得税を支払った後のお金に課税するのはおかしいと思っているので、現在の税制には不満が一杯です。日本の税率は低いという声もありますが、拒否権や選択の余地のない社会保険料は、実質的には税金だと考えられます。

しかし、「お上」の目を欺くのは難しく、バレたら罪人となりますので、無理せず法を遵守しておくのが身のためでしょう。

今日のボタモチ

今日のボタモチは【天晴(あっぱれ)】です。

損得勘定抜きで信長垂涎の茶釜を身体に巻きつけて爆死した、弾正久秀くらいの心意気でやるタンス預金なら「天晴」かもしれませんね。

※今日はボタモチ、1個追加!

コメント

タイトルとURLをコピーしました