甘湯葉という食材をご存知でしょうか? 京都の知人から「おいしいのでぜひ」と紹介されたのが始まりでしたが、普通のゆばより見た目に色が濃くて厚みがあるだけでなく、味も濃厚で食べ応えがあります。
今回は、甘湯葉と普通のゆばとの違いのほか、戻し方のコツや簡単な食べ方・保存法などについてです。
甘湯葉とゆばとの違いとは?
甘湯葉はゆばの副産物
ゆばは、豆乳にふくまれているたんぱく質を加熱して取り出したものです。牛乳を鍋で温めると表面に膜が張りますが、あれと同じ原理で作られています。
ここで取り出した膜を乾燥させたものが、干しゆばです。ゆばを製造する過程において、豆乳が煮詰まって濃くなっていくのですが、この濃い豆乳から作られたゆばが甘湯葉なのです。
見た目も味も濃厚な甘湯葉
元の豆乳が濃厚なだけに、出来上がった甘湯葉の色・味わいともに濃く、厚みもしっかりしています。うれしいことに、お値段も普通のゆばより断然お安く、大きなシート状のものが3枚入って 600円ほどです。
京都のお料理といえば高級なイメージがありますが、庶民が普段食べている家庭料理は、地元で手に入る野菜や大豆加工品を炊いたものが中心となっていて、ゆばもお手頃価格の甘湯葉がよく使われているそうです。
甘湯葉の戻し方
戻し方は水に浸けるだけ
甘湯葉の戻し方はとても簡単で、水にしばらく浸けておけばOK。水の量は甘湯葉がひたひたに浸かる程度で大丈夫です。お湯で戻すというレシピもありますが、水で戻した方が、プリプリした食感が残っておいしいように感じます。
戻したものにワサビ醤油をそえるだけで刺身っぽくいただくことができますが、酢味噌や梅肉も合いますよ。
戻さなくてOKの料理も
汁物や煮物にはそのまま適当な大きさにちぎって加えると、戻しと調理が同時進行で完了します。
乾燥わかめといっしょにお椀に入れてお汁を注ぐだけで、 一品できあがってしまう簡単さです。味噌汁やお吸い物に限らず、中華スープや コンソメでもいけますよ。
甘湯葉の簡単な食べ方は?
酢の物
水で戻した甘湯葉と季節の食材を調味酢であえるだけで、おいしい酢の物が出来上がります。
今のシーズンなら、生わかめやうどなどがおすすめです。分葱となら酢味噌がおすすめで、こちらも旬の味を満喫できます。
炊き合わせ
お惣菜によく登場する炊き合わせに甘湯葉を加えると、ボリューム・味わいとも のにアップします。
水で戻さずそのままちぎって、煮物が「もうすぐできあがるよ」というタイミングで投入すればOKです。今なら旬のタケノコやフキと一緒にどうぞ。
湯葉丼
京都の味・湯葉丼は家庭でも作れます。麺つゆを薄めて煮立て、甘湯葉をもどさずに加えてやわらかくなるまで煮たら、水溶き片栗粉でとろみをつけたら出来上がりです。
青みとして三つ葉を添えてどうぞ、ご飯ではなくうどんにかけてもイケますよ。筆者は仕上げに梅干しも加えていますが、ほんのりとした酸味と赤い色がアクセントになっていい感じです。
シート状で春巻き風にも
甘湯葉を扱いやすいサイズにカットして水で戻してから、ひき肉やエビと白ネギ・大葉など香りのよい野菜を巻いて揚げると春巻き風に。
ダイエット中の方は蒸してもおいしくいただけます。
甘湯葉の保存法
開封前は常温保存でOK
甘湯葉は半生状態で売られていますが、開封前なら常温保存で製造後2カ月はOKです。
開封後は要冷蔵ですが、筆者はシート状で使う分は切らずにたたんだまま、残りはハサミで適当な大きさにカットしてからジップロックに詰めて冷凍庫に入れています。
甘湯葉はどこで買えるの?
甘湯葉は京都駅のお土産屋で手に入る
甘湯葉は湯葉を製造・販売しているお店で手に入るようですが、観光帰りに京都 駅のお土産屋さんで買うと便利です。
場所は JR 京都駅の八条口側にある「近鉄名店街・みやこみち」という通りの「ハーベス京銘館」で、通路右側のショップを入ってすぐに左に曲がった奥のコーナーで販売されています。
お買い得でおいしい甘湯葉をもっと食卓に
気軽に使える甘湯葉は常備したい食材
甘湯葉はお買い得なうえ食べ応えがあって、普段のおかずとしても頼もしいものです。戻し方・食べ方ともに簡単で保存も利くため、ぜひご家庭に甘湯葉を常備していただきたいと思います。
今日のボタモチ
今日のボタモチは【常備品】です。
食材の備蓄法としてローリングストック法が推奨されています。常備品を消費した分を補充するというものですが、消費期限切れで廃棄せずにすむ良い方法ですね。
※今日はボタモチ、1個追加!
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