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太陽の塔があべのハルカスに!よみがえる大阪万博の思い出

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大阪・あべのハルカス美術館で、展覧会「太陽の塔」が開催中です。大阪万博のシンボルとして強烈なインパクトがある太陽の塔ですが、今年3月に48年ぶりの内部公開を始めたことも話題になっています。

展覧会「太陽の塔」で公開されているのは、万博閉幕後に撤去された展示物のジオラマや、直径約11メートルの初代「黄金の顔」などで、写真撮影OKです。今回は実際に鑑賞した展示の写真と感想、大阪万博にまつわる思い出などについて紹介します。

1970年3月・大阪万博が開幕

みんな行った?大阪万博

大阪万博は、正式名称を日本万国博覧会(にっぽんばんこくはくらんかい・英語名はJapan World Exposition, Osaka 1970)といい、大阪府吹田市の千里丘陵で1970年3月15日から9月13日までの183日間にわたり開催されたものです。

アジアで初開催の国際博覧会だった大阪万博は、1964年の東京オリンピック以来の国家プロジェクトとして、当時の史上最大規模のものとなりました。

当初の目標入場者数は3,000万人でしたが、最終的に総入場者数は6,421万8,770人となり、外国人 約170万人をのぞいても当時の人口の6割以上の人が大阪万博に行ったことになります。

展示の記憶はほとんどなし…

1970年のお盆休み、父が運転するカローラに家族そろって乗り込み、大阪万博へ出掛けました。

あいにくの雨にもかかわらず多くの見物客でごったがえすなか、太陽の塔内部を見物…したはずの筆者(当時6歳)ですが、実は肝心の展示についての記憶がほとんど無いのです。

ちょっと怖い雰囲気の赤く薄暗い館内を長い長いエスカレーターに乗って、寿司詰め状態で運ばれて行きましたが、子供の目の高さからは展示がさっぱり見えなかったのでしょう。

横に立っていた金髪の外国人女性の、下から見上げた鼻の穴の形がとてもめずらしく、退屈しのぎにずっと見上げていました。そのうちエスカレーターの切れ目でこけそうになり、その外国人女性に支えてもらったことが記憶に残っています。

太陽の塔は近所中にあった?

太陽の塔は当時の金額で約6億3千万円の総工費と、1969年(昭和44年)1月から1970年(昭和45年)3月までの約1年2ヶ月の工期を掛けて作られた、まさに万博の「顔」です。

万博のお土産としても人気が高かったようで、当時、近所のあちこちの家に太陽の塔の置物があり、北海道のクマの木彫りと覇を競っていた感があったものです。我が家にも太陽の塔が、しっかり居間に飾られていました。

太陽の塔は「塔」なのか?

太陽の塔は大阪万博のシンボルともいえる存在ですが、筆者の感覚としては太陽の塔は「塔」ではなく、スタイリッシュなトーテムポールでした。通っていた小学校の校庭に卒業生が置いていったトーテムポールがあり、太陽の塔はその親戚筋に見えたのです。

「塔に顔や腕があってもいいじゃないか」と思われますが、当時の筆者にとっては、顔が3つも付いていて腕を広げている塔などありえないものだったのでしょう。

そういえば「グラスの底に顔があってもいいじゃないか」と、ロバートブラウンのCMで岡本太郎は語っていましたっけ。

2018年・太陽の塔が復活

今よみがえる岡本太郎の問いかけ

▼岡本太郎の分身「若い夢」

▼コップのフチ子太陽の塔ver.がお出迎え

1970年9月の万博閉幕後、長い眠りについた太陽の塔でしたが2018年3月に復活しました。

あべのハルカス美術館で開催中の展覧会「太陽の塔」では、失われた展示空間がジオラマなどの3次元で再現され、岡本太郎が万博という人類の「祭り」に対して問いかけたメッセージを表現した地下展示を追体験することができます。

「太陽の塔」完成までの様子や精巧な模型と作品に加え、映像・音響などにより、シャワーを浴びるように岡本太郎の感性を体感できる展覧会です。

失われた展示を再現

▼太陽の塔・第4の顔「地底の太陽」


万博閉幕後、展示は埋められたり撤去されたりしてそのほとんどが失われました。「地底の太陽」は直径約3mもあるものでしたが、オリジナルは万博閉幕後に行方不明となって現在に至っています。

▼血が騒ぐ?地下展示「いのり」


ジオラマで復元された地下展示の作品群を鑑賞して、なぜか「ラスコーの壁画」を見たときに似た、血が騒ぎ魂が揺さぶられるような感覚が沸き起こりました。

▼模型でよみがえった地下展示の全容


これらの実物大を子供が見たら、おそらくビビって泣き出すに違いありません。筆者の記憶では、太陽の塔のなかで子供の泣き声は聞かれませんでした。おそらくほとんどの子供は、展示ではなく大人のお尻か外国人の鼻の穴を見ていたのでしょう。

これが太陽の塔の内部

▼太陽の塔の内部模型


太陽の塔の内部。筆者の記憶にあるとおり、「赤く薄暗い館内」を「長い長いエスカレーター」で上がっていくという仕様になっています。

▼現代人はいない「生命の樹」


現場に行きながら直接見ることが叶わず残念…こんなすごい展示があったとは、驚きです。「生命の樹」は基底部のアメーバから始まり、てっぺんのクロマニョン人で終わっています。作品を見ている私達は蚊帳の外?

「黄金の顔」の大きさに驚愕

▼こんなに大きい「黄金の顔」


現在、万博記念公園に立っている太陽の塔の「黄金の顔」は、ステンレス製の二代目です。展覧会では、1992年の改修で解体保管された鉄製の初代がお目見えしています。写真に見える小さな黒い丸は人の頭で、直径10.6mの大きさを実感できます。

岡本太郎の意志を体現したアートたち

▼可愛く拒否ってる「ノン」


「芸術は爆発だ!」「芸術は呪術だ!」など、さまざまな常識や権威に「否定」の意思を表してきた岡本太郎。「ノン」はその象徴的作品とされていますが、なんだか可愛い…。

著作権は別にして、作品は作者の手を離れた瞬間に作者のものではなくなります。作者の意図などはかりかねるものだし、解釈は鑑賞者の自由。筆者は「ワガママ言ってもいいんだよ」と受け止めています。

▼岡本太郎の絶筆「雷神」


岡本太郎は老い=衰退という常識も否定。「年とともにますますひらき、ひらききったところでドウと倒れる」ことを理想とし、そのとおりに生きて倒れました。作品は未完で署名もありません。

キレイな店仕舞を目指す終活がもてはやされていますが、仕舞うことなどこれっぽっち考えない岡本太郎のような最期も、いいのではないでしょうか。

展覧会「太陽の塔」詳細

  • 会期:2018年9月15日(土)〜2018年11月4日(日)
  • 会場:あべのハルカス美術館
  • 住所:大阪市阿倍野区阿倍野筋1-1-43 あべのハルカス16階
  • TEL:06-4399-9050
  • 時間:火~金曜 / 10:00~20:00 月土日祝/ 10:00~18:00 ※入館は閉館30分前まで
  • 観覧料:大人 1,200円 大・高 800円 中・小 500円

太陽の塔は不滅かもしれない

太陽の塔は誰にも壊せなかった?

もともと万博のパビリオンは閉幕後に撤去されるのが原則ですが、なぜか太陽の塔の撤去は中断され、1975年に永久保存されることが決まりました。そして内部再生事業が完了し、2018年3月の公開となったのです。

消えてしかるべきものだったに唯一残った太陽の塔は、ジャイアンツ以上に不滅なのかもしれません。

今日のボタモチ

今日のボタモチは【記憶】です。

写真は当時の記憶を補強してくれますが、解釈や脚色が後付けされがちです。写真に残っていない記憶は頼りないようでいても、当時のままの姿をとどめているという点で、貴重なのかもしれません。

※今日はボタモチ、2個追加!

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若杉ひふみ
兵庫県生まれの兵庫県育ち
アラ50のO型
現在、昼間は介護予防事業、アフター5はエイジレスライフ実現への考察と実験に勤しむ日々です。
介護予防につながるエイジレスライフの奥義は、好奇心を失わないこと。その実践として「興味本位」な毎日を過ごしています。おいしそうなボタモチはとにかく食べてみよう!ということで、新たな世界との出会いに加え、足腰が強くなるというおまけも付いてきました。
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