子供の頃、理髪店へ散髪しに行くとキャラメルがもらえました。しかし、キャメル以上に楽しみだったのは『ゴルゴ13』を読めること。無駄口をきかず神業的な仕事をこなすゴルゴ13の渋いカッコよさに魅せられ、すっかりファンになっていたのです。
今回、大阪文化館にて連載50周年記念特別展が開催中とあって、ゴルゴ13に会ってきました。
ゴルゴ13展はこんな内容
ゴルゴ13は連載開始から半世紀
「ゴルゴ13」は1968年11月にビッグコミック(小学館)で連載が開始されました。以来半世紀に渡り連載最長記録を更新し続けています。
主人公は超A級スナイパーのデューク東郷。国籍・生年月日などは不詳で謎に包まれていますが、その徹底したプロ意識と孤高のキャラクターで、圧倒的な存在感を放っています。
特別展の構成
第1章から第5章という構成で
- 第1章「軌跡」:ほとんどが初公開の原画39点
- 第2章「狙撃」:アーマライト16などのモデルガン
- 第3章「女性」:ゴルゴガールたち
- 第4章「制作」:ゴルゴの制作過程&等身大フィギュア
- 第5章「人気」:ゴルゴがモチーフの省庁や企業のポスター
が展開されています。
ゴルゴ初登場シーンを含む貴重な原画や、アーマライト16のモデルガンを構えて記念撮影ができるコーナーもありました。
筆者も実際に構えてみましたがかなり重いもので、こんなものを片手で自在に振り回すゴルゴの凄さを改めて実感しました。
連載50年間で休載は一度もなし
これがプロの仕事
ゴルゴ13連載の半世紀中、休載は一度もないというから驚きです。ゴルゴの徹底したプロ意識は、作者であるさいとう・たかを氏自身が持つ意識の投影なのかもしれません。
さいとう氏ご本人は、「この仕事しかないと思ってやってきただけ」と語っておられます。因みにさいとう氏は和歌山生まれの大阪育ちで、無口なゴルゴとは違って関西弁でユーモラスな語りをされます。
さいとう・プロダクションは分業制
『ゴルゴ13』は連載開始当初、10回で完結する予定で結末まで決定していたとのこと。その後半世紀に渡りネタ切れすることなく連載が続いているのは、さいとう・プロダクションの分業制に負うところが大きいようです。
「多くの才能を集めれば、より完成度の高い作品ができるはず」との考えから導入された分業制は、松下幸之助氏の事業部制のように画期的なものでした。そういえば松下氏も和歌山出身でしたね。
作者は80歳現役!まだまだやれる
さいとう氏は生涯現役モデル
さいとう・たかを氏は1936年生まれで現在80歳、長寿社会の生涯現役モデルでもあるのではないでしょうか。
1955年に日の丸文庫の単行本『空気男爵』でデビューして以来、60年以上画業を続けておられます。
続けてこられた理由とは
「続けてこられたのは、さいとう・プロのスタッフの支えがあるから」とのことです。
さいとう・プロダクションは分業制となっていて、スタッフがそれぞれ得意な分野で才能を発揮し合いながら作品を作っています。アシスタントではなくスタッフと呼ぶところにもそれが現れていて、待遇のよさも業界では有名なのだとか。
さいとう氏は、スタッフの雇用を守れなくなったらどうしようかと心配で、連載打ち切りの悪夢もよく見ていたそうです。
さいとう氏の仕事術
半世紀も連載を続けられたのは、結末が決まっているからなのだとも語っておられます。
最終回はもう決っているから、いくら描いても間に挟み込んだ挿話なのだとか。つまりいくらでも挟み込めるというワケなのです。
オチがあって間を埋めていくという手法は、作品毎のストーリーを考えるときにも役立っているとかで、仕事を長く続けるためのヒントにもなりそうなお話ですね。
そして『ゴルゴ13』がいつまで続くのかは、「やれる限り」なのだそうです。
ゴルゴ13展へ行こう!まとめ
ゴルゴのモデルは健さん
ゴルゴのモデルは高倉健さんだそうです。確かにヘアスタイルや寡黙なところ、独自の存在感などが似ていますね。
因みに筆者は中学生のころから、同級生がトシちゃんマッチなどと騒いでいる中でひとり健さんファンでした。
なお、11月3日(金・祝)さいとう・たかを氏のサイン会があります。これから行かれる方はこの日にぜひどうぞ。
【連載50周年記念特別展 さいとう・たかを ゴルゴ13】
- 会期:10月6日(金)~11月27日(月)会期中無休
- 開館時間:平日12:00~20:00 土・日・祝日 10:00~18:00(入場は閉館30分前まで)
- 会場:大阪文化館・天保山
- 入場料:一般当日1,500円
今日のボタモチ
今日のボタモチは【仕事人】です。
ひとつひとつの仕事をきっちり片付ける、これが仕事人の流儀であり極意でもあるようです。
※今日はボタモチ、1個追加!
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