夏はぬか漬けがおいしい季節です。ぬか漬けはおいしいだけでなく、夏に不足しがちな栄養がたっぷりで、夏バテ対策にとてもおすすめ。
今回は、自他共認めるズボラな筆者でもできた、初めてでも失敗しない作り方と、ぬか漬けにおすすめの野菜をご紹介しましょう。
『夏バテにぬか漬』の根拠
ビタミンB群が豊富
ぬか漬けには夏に不足しがちなビタミンB群が豊富に含まれています。
ビタミンB1は、糖質の代謝には欠かせない栄養素で、不足すると疲れやすくなったり足がつりやすくなったりするのです。
ビタミンB2は、皮膚や粘膜を保護し、糖質・たんぱく質・脂質をエネルギーに効率よく変えてくれます。
ともに夏のダメージ対策として欠かせないものです。
植物性乳酸菌で腸活
ぬか床に含まれる植物性の乳酸菌は、胃酸に強く生きたまま腸に届きます。
多くの腸活サプリにも含まれていて、その効果は折り紙付き。腸を健やかに保ち、免疫力の向上や美肌効果、ストレスの緩和にも効果を発揮してくれます。
ミネラルも補給できる
ぬか漬けにはカルシウムやマグネシウム、鉄などのミネラル分も豊富です。
汗とともに失われてしまうミネラルを、ぬか漬けで補給しましょう。熱中症の予防にもぬか漬けはぴったりです。
酵素もたっぷり
ぬか漬けには酵素もたくさん含まれています。
胃腸のパワーがダウンしがちな夏には、特に酵素を補いたいものです。代謝や消化・吸収を助け、免疫力の向上や疲労回復を促します。
ぬか漬けが初めてでも簡単な作り方は?
ぬか床は売っている!
ぬか漬け用のぬか床は、米ぬか・塩・鷹の爪・昆布があればできます。しかし、美味しくなるまでに手間ひまがかかるのです。
一番楽なのは、おいしいぬか漬けを作っている人から、ぬか床を分けてもらうことです。もし、手に入らなくても大丈夫。実はぬか床は売っているのです。
でき上がったぬか床のパックに直接野菜を漬け込める、超お手軽なものもあるので、お試し用にいいと思います。筆者もこのタイプからスタートしました。
容器は軽いタッパーでOK
おばあちゃんのおいしいぬか床のイメージは、大きな樽かカメですが、一般家庭には大きすぎます。
ホウロウやガラスの容器がよいと言われていますが、重いし結構いいお値段。気軽に始めるなら、100均で売っている4リットル程度のタッパーで充分です。筆者も100均のタッパーを愛用しています。
毎日混ぜなくてもいい
よく『ぬか床はかき混ぜるほどおいしくなる』という話を聞きますが、そんなことはありません。
混ぜすぎると酸素が好きな菌が増えすぎてしまい、反対に混ぜるのをさぼりすぎると、酸素が嫌いな菌が増えすぎてしまいます。
そうなると、酸味や臭いが強くなったり、表面に白い膜がはったりするので、それぞれの菌がバランスよく成長できるようするため、適度に混ぜることが必要なのです。
混ぜ方は、表面と底を入れ替えるようにざっくり混ぜてから、表面を平らにならし、手のひらで押さえつけて空気を抜くのがコツです。
ぬか漬けにおすすめの野菜
水なすがイチオシ
筆者が一番好きなのは水なすです。そもそもぬか漬けを自分で作ろうと思ったきっかけが、戴き物の水なすのぬか漬けがとても美味しかったから。
アクが少なく、実も皮も軟らかでほんのり甘い水なすは、ぬか漬けにぴったりです。
結構なんでもいける
セロリやミョウガもいけます。長芋とオクラは、ネバネバパワーと相まって夏疲れを癒やしてくれるのでおすすめ。
また、実が固いハズレのアボカドも、ぬか漬けにするとおいしく生まれ変わります。
キャベツの中心部を丸ごとぬか床に埋め込めば、外側から少しずつ剥がして食べることができて手間いらず。
中途半端に余った人参や大根も、ぬか床に放り込めばひとまず安心です。冷蔵庫でしなびさせてしまう前に、ぜひお試しを。
下ごしらえは、適当に切って塩をまぶすだけ
基本的に下ごしらえは、適当に切って塩を少しまぶすだけ。その後、ぬか床に押し込むように入れて漬けます。
穴を掘って野菜を埋めるようにするのは、ぬか床に余計な空気が入り込むのでよくないそうです。
筆者は早く食べたいので、ナスの皮に切れ目を入れてから漬けています。ミョウガやオクラは丸ごと、セロリや長芋は大きめに切ります。
長芋は皮をむかずに、ひげ根をガス火で焼いて取り除いてから漬けると、ぬか床がネバネバになりません。アボカドは半分に割ってタネと皮を取り除いて、塩はまぶさないで漬けています。
漬け込む時間は?
キュウリは次の日には美味しく仕上がっています。大根や長芋などの固い野菜は5日間くらい漬けたままで大丈夫ですが、酸っぱいのが嫌いな方は、早めに食べてしまいましょう。
なお、ぬか床から取り出したぬか漬けは、長く空気にふれると味が落ちます。色も悪くなってしまうので、ご注意ください。
ぬか床に入れるといいもの
ネットを見ると、ヨーグルトや卵のカラ、煮干しなどなど、いろいろなものがぬか床に入れられているようです。
しかし、これらは入れないほうがいいという意見も見受けられます。筆者も、動物性のモノは入れないほうが安全だと考えて、昆布と唐辛子だけにしています(昆布は刻んで食べています)。
食べ物ではありませんが、おすすめは南部鉄の『鉄玉子』。ぬか床に埋めておくと、ナスの色がキレイに仕上がる上、鉄分の補給もできるのです。
【なんとキティちゃんの鉄玉子がありました!】
ぬか漬けの失敗しない管理方法
冷蔵庫で保管すれば失敗なし
「カビがわいた!」「臭いが変!」「酸っぱすぎる!」といった失敗がよく聞かれます。
筆者はぬか床を冷蔵庫で保管していますが、今のところ一度も失敗はありません。混ぜるのは2~3日に1度でOKなところも、楽で助かります。
ぬか床の管理のコツ
容器はいつも清潔に
ぬか床から野菜を取り出したり混ぜたりした後は、平らにならして容器の周りについたぬかを拭き取っておきましょう。
これを怠ると、カビの元となります。
足しぬかをしよう
乳酸菌はぬかをエサにして育ちます。
ときどきぬかを追加するのが美味しいぬか漬けを作るコツ、糠は生のままで加えてOKです。
様子をみて塩も追加
野菜を漬け込むときに塩をまぶしていますが、酸味が強くなったり漬かりが遅くなったりしたときには、適宜塩を足してください。
ぬか床が水っぽくなったら
水っぽくなったぬか床のため、専用の水取りグッズも売られていますが、水っぽくなってしまう前に足しぬかをしたり、昆布を加えたりして調整しましょう。
ぬか床の水分は、ヨーグルトのホエーのようなものなので、捨ててしまうのはもったい。ぬか床の水分量は味噌くらいのかたさが目安です。
ぬか床は冬眠できる
夏が過ぎてぬか漬けをしなくなっても、ぬか床は捨てないでください。
容器からぬか床を取り出してビニール袋に詰めて冷凍すれば、冬眠させることができるのです。再び使用するときには、自然解凍すればよみがえります。
夏バテにぬか漬け・まとめ
ぬか漬けは意外と簡単
ぬか漬けは意外と簡単にできます。
手間いらずで、残り野菜もムダなくおいしくいただくことができ、夏バテ対策にも効果的なぬか漬け、ぜひ挑戦してみられてはいかがでしょうか?
今日のボタモチ
今日のボタモチは【おまかせ】です。
菌に適した環境を整えておけば、いい具合に育ってくれるぬか漬け。過剰に手を掛けず、菌に任せておけばうまくゆくようです。
※今日はボタモチ1個追加!
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