「日本酒ナビゲーター」認定講座で脱初心者!利酒師の気分を味わおう

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灘五郷のひとつ・西郷にある「沢の鶴」で開催された「日本酒ナビゲーター」講座に参加しました。初心者にも分かりやすい講義とテイスティングに加えて、お土産までもらえて大満足、日本酒好きな方にぜひおすすめです。今回は、「日本酒ナビゲーター」の紹介と、認定講座の模様をレポートします。

「日本酒ナビゲーター」とは?

「日本酒ナビゲーター」は一般向けの資格

「日本酒ナビゲーター」は、研究会・酒匠研究会連合会(SSI:Sake Service Institute)が認定を行っています。

「利酒師」の上位資格である「日本酒学講師」が講師となって開催している、一般の日本酒愛好者に向けた資格です。

講座のスタイルは座学とテイスティングがメインとなっていますが、オプションで料理とのマリアージュなどが楽しめるプランを提供しているケースもあるそうです。

「日本酒ナビゲーター」と「利酒師」の違い

日本酒関連の資格としては「利酒師」が有名です。「利酒師」は日本酒のソムリエのような存在で、酒屋さんや料理店などのプロ向けの資格ですが、業界関係者でなくても取得できます。

「利酒師」になるには講習を受けたうえで試験に合格する必要がありますが、「日本酒ナビゲーター」に認定されると受講料などの割引を受けられる特典が得らるのです。

「日本酒ナビゲーター」は誰でも気軽に取得できる資格ですが、「利酒師」を目指す方はまず「日本酒ナビゲーター」の認定を受けられることをおすすめします。

沢の鶴「日本酒ナビゲーター」認定講座の体験レポート

ここからは、創業から300年を超える沢の鶴株式会社で「日本酒ナビゲーター」認定講座を受講した模様をレポートしましょう。

講師は製造部の「日本酒学講師」

「日本酒ナビゲーター」認定講座の講師を務められたのは製造部に所属されている森田さんで、「日本酒学講師」の有資者です。

講座は、講義とテイスティングの二部構成+蔵見学で、会場には資料とテイスティング用のお酒4種が用意されていました。

興味深くて分かりやすい講座

「日本酒ナビゲーター」認定講座にはSSIが用意した公認テキストが用いられ、日本酒の歴史や製造方法のほか、日本酒をもっと楽しむための知識などを学びます。

加えて、沢の鶴オリジナルのテキストも併用しながら、「灘の酒」を切り口に講義がスタートしました。

灘の酒は江戸期に大人気を博し、浮世絵などには「※(沢の鶴のマーク)」や「!(剣菱のマーク)」が描かれた酒樽が頻繁に登場しています。また、灘から下ってこない酒はおいしくないということから、「下らない」の語源にもなったといわれています。

▼江戸に向かう酒樽満載の船

実は、灘の酒が大人気を博したことには、論理的に説明できる理由がありました。

よい原料と地の利とともに、優れた設備や優秀な技術者を持っていたことに裏付けされた品質の良さと供給能力が、大発展につながったのだそうです。

これらは、商業的な発展だけでなく国家の安全保障にも関連する、本質的な要素なのかもしれません。

日本酒の製造方法についても詳しく

日本酒の原料は米・米麹・水の3つだけです。日本酒はビールやワインと同じ醸造酒に分類されるもので、糖を酵母で発酵させてアルコールを作ります。

日本酒では、でんぷんを糖に変える工程と発酵工程を同時進行させる「並行複発酵」という方法で醸造します。

その他、「酒母」の仕込み方法の「山卸」と「山廃」はどこが違うのかなど、さまざまな知識を素人にも理解できるように、やさしく解説してもらえました。

いよいよテイスティング

座学のあと、いよいよテイスティング。机に用意された4種のお酒は、左から「薫酒(くんしゅ)」「爽酒(そうしゅ)」「醇酒(じゅんしゅ)」「熟酒(じゅくしゅ)」に分類されています。

▼見た目では左3種の区別はつかない

まずはそれぞれが持つ香りと味わいの特徴を確認します。その後4種のなかの一種が配られて、どの分類に属するかを判定するというスタイルでテイスティングを行うのです。

熟酒は濃厚な味わいと琥珀色の外観が身上のお酒ですが、好き嫌いの好みがはっきり別れる傾向が強く、すっきりした大吟醸系がお好きな方はあまり好まれないようです。薫酒は女性に人気が高く、フルーティーな吟醸香(ぎんじょうか)が特徴となっています。

テイスティングの正解は醇酒でしたが、熟酒と薫酒は初心者でも区別しやすいため、爽酒と醇酒に判定が分かれました。

ライトな味わいの爽酒と旨口の醇酒の味わいは明らかに異なるものでしたが、判定用のお酒はあらかじめ用意されていたお酒より冷えた状態だったため、判別が難しくなったようです。日本酒は温度で味わいが変わるということがよく分かる出題でした。

筆者も爽酒と醇酒の判別に迷いましたが、講師の「最初の直感が正しい」というアドバイスを受けて、なんとか正解となりました。楽しい講義とテイスティングに加えお土産までいただき、50名の参加者は皆、満面の笑顔でした。

なお、受講費用は日本酒ナビゲーター登録料込で、税込み5,000円です。

▼自宅でもテイスティングが楽しめるラインナップ

晴れて筆者も日本酒ナビゲーター

日本酒の奥深さを知ればさらにおいしく

この日、沢の鶴は蔵開きも行われていました。ウェルカムドリンクは3/18に新発売となる純米吟醸酒「神戸一七一七」。くせのない味わいが幅広い料理によく合う食中酒向きのお酒ということで、先行販売もされていました。

▼一足お先にいただきます

写真では分かりづらいのですが、ボトルのなかに神戸の風景が浮かんで見えます。神戸で300年酒造りを続けてきた沢の鶴の、地元への思いが感じられるデザインです。

価格は税抜き1,800円ですが、うち10円が『BE KOBEミライPROJECT』での子ども支援の取組みに使われます。

今日のボタモチ

今日のボタモチは【地元愛】です。

もともとは米問屋の副業として始まった沢の鶴でした。「さわ~のつ~る~」のCMを流すなど、全国区の大手酒造メーカーとなりましたが、現在も地元に基盤を置いた活動を行っています。

蔵開きには地元の人たちが集まり地元出身のバンドも登場するなど、わきあいあいとした雰囲気でした。

沢の鶴の製品の性格上、地元を離れての生産は考えられないということもありますが、伝統と地元を重んじる姿勢の企業が増えることは、日本の文化と経済を守ることにもつながっていくように思うのです。

※今日はボタモチ、1個追加!

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