最近は大学の卒業式で袴を着る女子が大半のようです。大学生協や貸衣装店などで一括してフルセットをレンタルするなら「お任せ」ですみますが、自前の着物がある場合には、コーディネートやしきたりに頭を悩ませてしまいます。
今回は卒業式で袴を着る場合に、どんな着物を合わせるとよいのかについてです。
卒業式の袴に振袖は?
振袖をもう一度着たいけど
多くの女子が成人式に振袖を着ますが、レンタルではなく誂えたのなら一回こっきりではもったいない!できれば袴に合わせて卒業式でも着たいものです。
成人式で着た振袖は「中振袖」で、袖の長さが二尺五寸(約95cm)もあります。
袴をフルセットでレンタルした場合なら、着物の袖の長さは2尺(約76cm)なので、振袖の袖はかなり長いことがわかりますね。
試着は絶対に必要
袴に中振袖を合わせると、なんといっても華やかさが違います。
ただ中振袖の場合、着物の色・柄や着る人の背丈によって、若干重く感じられることもありますが、合わせる袴を変えれば気にならなくなるものです。
袴を選ぶときには必ず振袖を持参して、実際に試着しながら決めることをおすすめします。
卒業式の袴に訪問着や黒紋付は?
訪問着で格調高く
訪問着は格が高く、未婚・既婚を問わず着ることができるので、大学の卒業式にふさわしい着物といえます。
訪問着の華やかな絵羽模様が活かせるように、上半身にしっかりと柄が入ったものを選ぶとよいでしょう。袴の色は柄のなかの一色を選ぶか、地色の同系色を選べばキレイにまとまります。
黒紋付で個性的に
思い切って黒紋付を合わせるのも粋です。黒紋付は現在喪服として着ることがほとんどですが、不祝儀専用のものではありません。
かつて女学校では、式典の時に袴と黒紋付を合わせて着用していたそうですし、現在でも宝塚音楽学校の卒業式で着用されています。
模様や刺繍が入った個性的な袴に合わせるなら、黒紋付がイチ押しです。
卒業式にママ振りが人気上昇中
単なるお下がりではないママ振り
お母さんが愛用していた振袖(ママ振り)は、おばあちゃんがお母さんのために用意したものです。
つまりママ振りには、おばあちゃんの愛や思いとお母さんの喜びの気持ちが込められていて、単なるお下がりとは全く違うものなのです。
ぜひ、ママ振りに袖を通してみてください。おばあちゃんとお母さんも喜んでくださるはずです。
サイズが違っても袴ならOK
お母さんが小柄でお嬢さんの背が高いような場合、着物の丈が少し足りなくてキレイに着るのが難しいことがありますが、袴だと全く問題ありません。
お母さんやおばあちゃんの着物があれば、ぜひ袴に合わせて着てみられることをおすすめします。
袴の着付けに必要なものは?
フルセットのレンタルではなく袴だけをレンタルする場合には、着付けに必要なものを自前で用意しなければならないことがあります。
しかし、普通の着物用のものを使いまわすことができるので、心配ご無用。特に買い足すものはありません。ひととおり必要なものを挙げておきましょう。
- 着物用肌着(肌襦袢)
- 長襦袢(半襟付き)
- 重ね衿
- 袴下帯
- 腰紐
- 伊達締め
- 衿芯
- 足袋&草履もしくはブーツ
普通の着物と違うのが袴下帯です。
その名のとおり袴の下に締めますが、袴と着物の間からチラ見せして、色柄のコーディネートを楽しむものです。専用のものがなくても浴衣用の半幅帯で代用できます。
ブーツを履く場合には、袴の丈をやや短めにします。
足元を気にしなくてすむし、いつもの靴下を履けるしということで人気ですが、靴を脱いだり履いたりするシーンがあるなら、足袋&草履がおすすめです。
卒業式の袴には振袖…まとめ
袴姿で颯爽と
筆者が女子の袴と聞いてまず思い浮かぶのは、大和和紀の漫画『はいからさんが通る』です。もう40年以上も前の作品ですが、宝塚歌劇の舞台や劇場版アニメとして復活しています。
袴だと、一般の着物のような難しいしきたりを気にせずに着られるところがいいですね。女子の門出に、凛々しい袴姿はぴったりではないでしょうか。
今日のボタモチ
今日のボタモチは【伝承】です。
伝え受け継がれるのがモノであっても、そこに込められた思いやモノを創る技術なども一緒に、末永く伝承されていくのですね。
※今日はボタモチ、1個追加!
コメント