ステファニー・ケルトン教授来日講演に参加!MMTでデフレ脱却に納得

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紙幣

7月16日に行われたステファニー・ケルトン教授の来日講演に参加して、話題のMMT(現代貨幣理論)を提唱者自らの解説で聞くことができました。

MMTが優れたデフレ脱却への処方箋であることが理解できるお話で、ぜひ多くの方に知っていただきたいものです。今回は、ケルトン教授のお話を聞いてわかったことをシェアします。

MMT(現代貨幣理論)とは

MTT(現代貨幣理論)についてはさまざまに論じられていますが、ポイントは以下の3つです。

  1. 自国通貨建ての国債が破綻することはありえない
  2. 国債による支出拡大は経済成長を促進する
  3. デフレを脱却するまで赤字国債を拡大すべし

1については、すでに平成14年の段階で財務省も「日・米など先進国の自国通貨建て国債のデフォルトは考えられない」と認めています。

2に関しては、「国の借金は国民ひとりあたり800万円」という話をかつてよく耳にしました。けれども国の借金とは、政府が日本国民から国債の発行という形で借りているお金のことなので、国民に返済の義務はありません。

また、財政破綻の事例としてギリシャがよく引き合いに出されますが、ギリシャは外貨を借りていたのだから全く別次元の話なのです。

3を平たく説明すると、「政府の赤字は民間の黒字」ということです。実際に、プライマリー・バランスの黒字化を強行することで民間は貧困化しているわけですが、10月にはさらなる増税が予定されています。

MMTは「とんでも理論」ではない

ステファニー・ケルトン教授が提唱するMMTは、ケインズやシュンペーターの流れをくむ真っ当な経済理論です。ところが「財政支出はいくらでも増やせる」という部分だけを取り出して、ありえないとんでも理論だ!という批判が噴出しているようです。

実はMMTには「自国通貨を発行している国のデフレ下において(まさしく現代の日本)」という前提条件があるのです。ところが、ここを全く無視した「とんでも批判」が飛び交っているというのが現状なのです。

MMTでインフレが止まらなくなることはない

もうひとつのMMT批判としてよくあるものは、「MMTだとインフレが止まらなくなる」というもの。これもMMTの「デフレ下において」という前提条件を無視したもので、「人の話は最後まで聞きましょう」と申し上げたい気分です。

今回のシンポジウムでは記者会見も行われたのですが、記者たちの質問はことごとくインフレへの懸念についてのことで、ケルトン教授は「なぜデフレが20年も続く日本でインフレの心配をするのか」と不思議に思われたようです。

筆者としても長年デフレを脱却できずにいるのだから、インフレ傾向はむしろ大歓迎だと思うのですが…。

融資の増大と供給能力の上限という、インフレの懸念材料が見られない現在の日本においてインフレの心配をするのは、痩せすぎの人がメタボの心配をするようなものでしょう。

MMTでわかるデフレ下の増税が最悪な理由

市中のお金が増えるとインフレになるはずなのに、日本は一向にインフレになりません。つまり日本はインフレを抑える方法をすでに手に入れているわけで、要は国民にお金を使わせなければインフレにはならないのです。

炭素税が炭素排出量を圧縮するように、消費税は消費を抑えます。つまりデフレ下での増税は下痢のときに下剤を飲むのと同じようなもので、絶対にやってはいけないことなのです。

財務省が音頭をとってMMT批判を繰り広げている理由は、MMTが消費税増税の邪魔になるからだと推察されます。

MMTを知ってデフレ脱却へ方向転換しよう

押してもダメなら引いてみな

当日はあいにくの雨でしたが、700名を超える聴衆が講演会に参加しました。画像はパブリックビューイング会場となった浜離宮朝日ホール。参加者のほとんどが男性でした。

軟弱化が進む日本人ですが、それでも世界的にみるとかなり勤勉な国民です。その勤勉な日本人が20年以上もひとつの問題を解決できないということは、努力が足りないのではなく方向性が間違っていると考えるべきでしょう。

昔から「押してもダメなら引いてみな」といいますが、ここらでひとつ方向転換してみてはどうかと思うのです。

今日のボタモチ

今日のボタモチは【痛快】です。

当日、黒のワンピース姿で登壇したステファニー・ケルトン教授。教授を一躍有名にしたのは、米国史上最年少議員のアレクサンドリア・オカシオ=コルテス女史です。元気な女性たちの活躍が日本の停滞を打ち破るきっかけとなれば、痛快ですね。

※今日はボタモチ、1個追加!

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