東寺の秋期特別公開2018を見るには?拝観料や混雑しない時間帯も紹介

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年中混雑している京都ですが、紅葉の時期はなおさらです。少しでも混雑を避けたいなら、まだ少し紅葉には早い時期の平日がおすすめでしょう。そこで秋季特別公開を開催中の東寺へ10月末に出掛け、普段見ることができない五重塔の初層や講堂の立体曼荼羅などを、じっくり拝観してきました。

今回は、特別公開で見ることができるお宝や、東寺の混雑をできるだけ避けたい方におすすめの拝観テクニックの紹介です。

東寺の秋期特別公開2018を見るには

東寺とは

東寺(教王護国寺)は平安遷都とともに建立された官寺(かんじ・国立のお寺)で、その後真言宗の総本山となり現在に至っています。東寺にある五重塔は、新幹線の窓からも見える京都のランドマーク的存在で、木造の建築物としては日本一の高さ約55メートルです。

弘法大師がお住まいだった御影堂(現在改修中)では、今も毎朝6時になると弘法大師に食事とお茶をお出しする生身供(しょうじんく)が行われ、弘法大師が入定された21日には毎月「御影供」や「弘法市」が行われています。

普段は見られないお宝が拝観できる

五重塔初層

五重塔の初層内部は通常非公開で、お正月の「新春特別拝観」と冬季の「京の冬の旅・五重塔特別拝観」、春秋の「特別公開」のみ拝観することができるものです。初層内部は、五重塔を貫く心柱(しんばしら)を四尊の如来と八尊の菩薩が囲んだ密教的空間となっています。

また、四方の柱には金剛界曼荼羅、壁には真言八祖像が描かれています。剥落が惜しまれますが、往時は絢爛豪華な極彩色が施され、密教の教えがビジュアルに展開されていたことでしょう。

案内の方のお話によると、五重塔は登って外を眺めるためのものとしてではなく、外から見るために造られたものだということです。弘法大師が唐より持ち帰った仏舎利(お釈迦様の遺骨)が収められたストゥーパであるため、できるだけ高くして遠くからでも拝めるようにしたのだとか。

そう考えると内部は見るためというより、ストゥーパの構成要素として造られたものなのかもしれません。

講堂「立体曼荼羅世界に入る」

東寺の講堂は、密教を布教するために建立されました。寺域の中心に位置し、中には羯磨曼荼羅(かつままんだら)が安置されています。一般には「立体曼荼羅」と呼ばれ、密教の教えを視覚的に表した曼荼羅を、さらにリアルに具現化するために弘法大使が考案したものです。

大日如来を含む五智如来と向かって右側の五菩薩、左側の五明王に加え、四方の四天王と左右の帝釈天・梵天が須弥壇上に配置されています。特別公開では須弥壇北面(立体曼荼羅の後ろ側)も回れるため、「立体曼荼羅」をぐるりと360度拝観できます。

イケメン仏像の誉れ高い東寺の帝釈天は、仏教を守護する武神です。周囲の荒々しい仏像とは対象的に、帝釈天の表情は理知的で、象に乗った姿からは優雅ささえ感じられるものでした。

宝物館「東寺の如来・祖師像-悟りと祈りのかたち-」

宝物館は春と秋にのみ開館され、今秋の特別公開では東寺に伝わる寺宝のなかから、如来と祖師像に関する宝物が公開されています。

圧倒的な存在感の千手観音菩薩は高さ約6メートルで、見上げると今にも千本の手がこちらに差し伸べられてきそうに思える迫力です。その他、兜跋毘沙門天立像や真言七祖像・不空(ふくう)、弘法大師像などが公開されています。

東寺の秋期特別公開の拝観料と拝観時間

東寺の秋期特別公開は期間ごとに拝観料が変わりますので、ご注意ください。

会期と拝観時間

宝物館「東寺の如来・祖師像-悟りと祈りのかたち-」

  • 会期:2018年9月20日(木)〜11月25日(日)
  • 拝観時間:午前9時〜午後5時

国宝 五重塔初層の特別拝観/講堂「立体曼荼羅世界に入る」

  • 会期:2018年10月27日(土)〜12月9日(日)
  • 拝観時間:午前8時~午後5時

※拝観受付はそれぞれ30分前まで、会期中は無休です。

拝観料

【10月27日(土)~11月25日(日)】

 

五重塔初層内部 金堂・講堂

宝物館

観智院

共通券

大人

800円

500円

500円

1,300円

高校生

700円

中学生以下

500円

300円

300円

800円

【11月26日(月)~12月9日(日)】

 

五重塔初層内部 金堂・講堂

観智院

共通券

大人

800円

500円

1,000円

高校生

700円

中学生以下

500円

300円

600円

なお、11月25日までの共通券の販売は、午後3時30分までとなっています。宝物館と観智院は4時30分を過ぎると入館できなくなるため、移動と拝観に必要な時間を見越しての措置のようです。

観智院には宮本武蔵の筆による「鷲の図」と「竹林の図」があります。有名な吉岡一門との「一条寺下り松の決闘」の後の潜伏中に描いたもので、残された筆跡は剣豪の太刀筋を彷彿させる切れ味が見て取れるものです。

紅葉ライトアップと金堂・講堂夜間特別拝観

10月27日(土)〜12月9日(日)には、紅葉ライトアップと金堂・講堂夜間特別拝観が行われます。

五重塔や北側の瓢箪池を囲む回遊式庭園もライトアップされ、夜空に浮かび上がる五重塔や紅葉が水面に映り込む樣はまさに絶景。五重塔初層内部と金堂、講堂の立体曼荼羅は、昼間と同様に拝観できます。

  • 拝観料:大人・高校生1,000円、中学生以下500円
  • 拝観時間: 午後6時30分~午後9時30分

拝観受付は午後9時までで会期中無休となっています。昼間の拝観が終了する午後5時には一旦退場となり、夜間特別拝観が開始される午後6時30分まで入場することはできないので、ご注意ください。

東寺のお土産はなかなかユニーク

お寺のお土産といえば、御朱印帳やお守りなどのお寺グッズのほか、仏像の絵葉書や饅頭などが思い浮かびます。

もちろん東寺にも定番のお寺グッズがそろっていますが、人気の高い帝釈天の根付や天然素材の入浴剤のほか、鳥獣像のマスキングテープなどの文具、ワッフルやポップコーンなどのハイカラ系お菓子など、ユニークなものもたくさんあります。

東寺の混雑しない時間帯とは

平日の午後3時以降が狙い目

東寺をはじめ、京都は年中観光客で混雑していて、休日はバスに乗れないほどです。平日でも観光バスの団体さんが大挙しているので油断はできません。

団体客は朝イチや午後イチに来訪することが多いため、午後3時以降が狙い目となりますが、入場受付の終了時間などを調べておくことをおすすめします。

筆者が東寺を訪れたのは午後3時15分ごろで、スムーズに拝観できましたが、共通券の販売が3時30分までだったため危うく買いそびれるところでした。

ライトアップは終了1時間前がおすすめ

秋のライトアップは人気が高く、開始時刻前に長い行列ができます。行列の前方に並ぶためには、よほど早い時間から待たなければなりませんし、開始時間近くに訪れると入場までに長い時間待たなければなりません。

けれども観光客は拝観開始直後から前半に集中する傾向があるため、終了時間が近くなると混雑はかなり緩和されているものです。

今回は時間の関係で東寺のライトアップ拝観は叶いませんでしたが、他の夜間イベントで検証済みなので、ぜひお試しください。ただし寒さ対策をお忘れなく。

東寺の秋季特別公開で密教に親しもう

楽しく拝観すれば神仏に向き合える

物見遊山でお寺や神社に行くことをけしからんと見る向きもあるようですが、厳しく身を律しなければならないのは僧侶や神主であって、衆生にそんな固いことは求められていません。

五重塔初層内部や立体曼荼羅も、衆生が神仏に向き合えるようにと弘法大師がプロデュースしてくださったものと感謝しつつ、楽しく拝観したいと思います。

今日のボタモチ

今日のボタモチは【ビジュアル】です。

「百聞は一見にしかず」には「百見は一考にしかず 百考は一行にしかず…」という続きがあるそうです。しかしはじめの一歩がなければ何も始まらず、その一歩は取っ付き易いほうが後々よろしいようです。

※今日はボタモチ、1個追加!

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