大阪北部地震にも役立つ!都市型地震対策は東京防災から学ぼう

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18日の通勤・通学ラッシュ時に起こった大阪北部地震。亡くなられた方もあり、大変深刻な災害となりました。関西にも震災が発生することを頭では分かっていながらも、地震に見舞われた時どうすればいいのか、よく分かっていないということに気付いた筆者。

そこで、都市型地震対策先進地である東京都が発行している「東京防災」をテキストに、遅まきながら地震への備えを固めていくことにしました。イザというときの備えとしてとても役に立つ「東京防災」を、ぜひお手元に置いていただければと思い、ご紹介します。

大阪北部地震で再認・ライフラインは都市型地震の弱点

地震発生で電車が止まった!

18日朝に発生した震度6弱の大阪北部地震。気象庁によると、震源地は「北緯34.8度・東経135.6度」で大阪府高槻市西面南にあたり、筆者宅からは90kmほど離れたところにあります。その時は2階の自室で靴下を履いているところでしたが、思い掛けず大きな揺れにあわててスリッパをつっかけ出口を確保しました。

その後、普段どおりに自家用車で出勤したのですが、電車が止まったために出社できないという連絡や、行事参加予約のキャンセルが相次いだのです。

地震に脆い都市機能

携帯電話がつながらず、知人や家族の安否確認ができないという声も多く聞かれました。筆者はなんとかラインで連絡が取ることができ、災害時でもラインはつながりやすいというウワサを実体験で確認できました。

夕方にコンビニに行くとおにぎりやサンドイッチの棚がスカスカで、物流にも大きな影響が出ているようでした。

震源地周辺ではそれどころではなく、電気・ガス・水道が止まってしまったところも少なくなかったそうです。また、小学生が崩れたブロック塀のため命を落としてしまいました。

問題があった高槻の事例はもってのほかですが、もともとブロック塀は構造的に脆いものなのだそうで、補強や撤去など早急の対策が必要でしょう。

ライフラインあっての都市生活

地震が起きるとエレベーターは自動停止するので、中に閉じ込められてしまった方もおられました。また電車が止まると空調も止まるため、満員の車内は暑くて気分が悪くなったという声も聞かれました。

このような閉じ込め事例で筆者がもっとも気になるのは「トイレ」の問題。新幹線では地震で停車するとトイレの水も流れなくなるため、トイレを「自粛」するようにとの案内があったそうです。

災害用トイレを自宅に用意しているご家庭は多いと思いますが、出先で地震に遭遇した場合には、今のところ為す術はないというのが実情でしょう。

都市型地震対策を東京防災に学ぶ

東京防災とは?

東京防災とは、東京都が作成した防災ブックです。都内の各家庭で首都直下地震をはじめとする災害に万全の備えができるように、災害に対する事前の備えや発災時の対処法などの情報が分かりやすくまとめられています。

完全東京仕様と謳っているとおり、東京の地域特性や都市構造、都民のライフスタイルなどに合わせた内容となっていますが、他の都市でも充分参考になるものです。

書籍のほか、電子版やアプリ版も

書籍版には書き込み式の「東京防災オリジナル防災MAP」やビニールカバーなどが同包されていますが、東京都民以外の方や都内に通勤していない方なら、無料でダウンロードできる電子版でもOKでしょう。

筆者はKindleで電子版を購入(無料)しました。なお、スマホで使える「東京防災アプリ」もリリースされています。防災ブック「東京防災」は1冊130円(本体価格)で販売されています。在庫状況等については、こちらからどうぞ。

無料でダウンロードできる電子書籍版の取扱書店は、Kindleやdブック、Yahoo!ブックストアなどをはじめたくさんあります。

なお、スマホで使える東京防災アプリはオフラインにも対応。iPhoneは App Store、AndroidならGoogle Playにていずれも無料で手に入れられます。

東京防災の内容

東京防災は300ページを超える充実の内容でが、イラストが多用されていたりおさらいクイズで復習できたりと、わかりやすい構成となっているものです。

「大震災シミュレーション」の章では、地震発生の瞬間から避難を経て生活の再建までをシミュレーションしています。「被災者の声に学ぶ」には実際に被災した方々のナマの声が寄せられていて、「その時」どうするのかを考えさせられます。

「今やろう 防災アクション」の章では、今すぐできる災害の備えが紹介されています。今回の大阪北部地震は、崩れた塀と倒れてきた家具のために亡くなられた方がおられましたが、危険な箇所を予め知っておき対策を講じておくことの大切さを強く感じました。

その他、災害発生時に役立つ「もしもマニュアル」や「知っておきたい災害知識」、かわぐちかいじ氏による漫画「TOKYO“X”DAY」などが掲載されています。

都市型地震に対してできること

非力さを思い知らされた体験

23年前の阪神淡路大震災発生時、筆者は寝床の中で気持ちよく眠っていました。自宅はJR沿線の側にあるため、地震発生直後は貨物列車が脱線事故を起こしたのかと思ったのです。

しかし長く続く激しい揺れに、とんでもなく大規模な地震が起きたのだと気付きました。とはいえその間は為す術もなく、布団の中で硬直したまま揺れが収まるのを待つことしかできなかったのです。

幸い寝室には家具を置いていなかったため、人的被害は全くありませんでした。けれども、大移動していたリビングボードや棚から落ちで砕け散っていた鉢植えに、あらためて揺れの激しさを感じたものです。

家具は凶器に変わる

知人のご主人は、倒れてきたタンスからお子さんをかばって骨折しました。重くて大きい家具は「その時」凶器と化して襲いかかってきます。また窓ガラスやガラス扉付きの家具も大変危険なものです。

今すぐ家具が倒れないように固定して、ガラスには飛散防止フィルムを貼っておくことをおすすめします。これらは屋内の安全性を確実に高めることができるものなので、必ずやっておいていただきたいと思います。

自宅外の危険エリアを知っておく

東京防災では、冒頭で「まず自分の身を守ること」の大切さが強調されています。

そのためには、普段から自分の行動範囲内にある危険エリアを知っておくことが大切で、「その時」にはそこからできるだけ離れることで、危険な状態に陥ることを避けられるのです。

また避難場所や避難経路もあらかじめ確認しておけば、イザというとき的確に行動できます。その他にも、オフィスや駅・電車内など場所ごとに分けて地震に遭遇したときに身を守るための行動が示されているので、ぜひ確認してみてください。

ひとりにひとつ「東京防災」

「東京防災」をもっと知ってほしい

「東京防災」は完全東京仕様を謳っていますが、内容は大変汎用性の高いものとなっています。東京都民専用にしておかず、広く皆さんに知っていただければと思ってご紹介しました。

「東京防災」は書籍版のほか、電子書籍版とスマホで使えるアプリ版があります。電子書籍版とアプリ版は無料なうえ出先で簡単に使うことができるので、ひとりにひとつずつの「東京防災」をおすすめします。

今日のボタモチ

今日のボタモチは【ブラッシュアップ】です。

イザというとき的確に行動できるかどうか、正直なところ自信薄です。けれども、猫が爪を研ぐようにときどき防災意識をブラッシュアップしておけば、「その時」の被害を最小限に抑えられる可能性は高くなるのではないでしょうか。

※今日はボタモチ、1個静かに追加…

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