酒蔵のうまい梅酒は日本酒仕込み!作り方と失敗しないコツを紹介

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青梅は氷砂糖が店頭に並び、梅酒のシーズンがやってきましたが、酒蔵が作っている日本酒仕込みの梅酒は格段においしいものです。家庭ではホワイトリカーで漬けることが一般的なので、日本酒で漬ける梅酒を自宅で作ることはできないものだと思っていました。

でも、できるんです!今回、酒蔵で開催された日本酒仕込みの梅酒づくり教室に参加し、作り方や失敗しないコツについて教わってきたのでシェアします。

酒蔵の梅酒は日本酒仕込み

酒蔵の梅酒はとても美味

甘いお酒をあまり飲まない筆者ですが、梅酒はときどき漬けていたのです。ところが日本酒ファンになってから日本酒で漬けた梅酒の味を知り、自分で漬けるのを止めにしました。

漬け込み材料がホワイトリカーから日本酒に代わっただけなのに、なんでこんなに美味しいの?アルコール度数の低い日本酒で漬けても傷まないのはなぜ?と疑問に思いながらも、失敗すると辛いので出来上がり品を買っていたのです。

漬け方は通常とほぼ同じ

一般的な梅酒の作り方はとてもシンプルで、梅と氷砂糖をビンに入れてホワイトリカーを注ぎ3ヶ月以上寝かせておくだけでOKです。

酒蔵の梅酒もホワイトリカーが日本酒に変わるだけで、手間は変わりません。つまり味の違いはお酒の違いからきているということなのです。

違いは使うお酒

ホワイトリカーと日本酒で大きく異なるのはアルコール度数です。ホワイトリカーは35度ですが、梅酒用の日本酒は20度の原酒が使われています。

普通によく見かける日本酒は、原酒に水を加えてアルコール度数を16度程度に調整したものなので、日頃わたしたちは「原酒の水割り」を飲んでいるわけです。

なおアルコール度数20度以下のお酒を使って梅酒を漬けるのは避けてください。腐ったりカビが生えたりして失敗するだけでなく、酒税法違反になってしまうからです。

漬け梅までおいしい梅酒の秘密

日本酒で漬けた梅酒がおいしい理由は、適度な浸透圧にあります。

酒類で梅を漬けるとアルコールが梅に染みこみ、梅の中で梅の成分と混じり合います。その後、氷砂糖がアルコールに溶けて梅の周囲の糖分濃度が高くなると、梅のなかに染みこんで梅の成分を含んでいたお酒が梅から出て来るのです。

日本酒で漬けても同じ流れになるのですが、ホワイトリカーよりアルコール度数が低い日本酒では、ゆっくり時間を掛けてお酒が梅に染み込みます。このため梅の内部の糖分と周囲の糖分が均等になるまでの時間が長くなり、梅の成分がゆるやかに引き出されるのです。

その結果、ホワイトリカーで漬けたときよりも梅の実がカチカチにならず、美味しさを保ったまま仕上がるようです。

お酒自体のおいしさもプラス

ホワイトリカーは無味無臭のお酒なので、漬け込む梅の味わいをそのままに楽しむことができるのです。一方、日本酒で漬けた梅酒には日本酒そのもののおいしさもプラスされます。

梅酒用の原酒は梅の風味や香りと相性のよいものが選ばれているため、相乗効果でいっそうおいしくなるのです。実際に漬け込む前に試飲してみましたが、ふくよかな味わいでありながら味や香りにクセがなく、梅とうまくコラボできそうでした。

梅酒の日本酒仕込みでの作り方

まずは動画で梅酒作りのプロセスをご覧ください。

作り方はホワイトリカーを使用するときと同じ手順となります。美味しく作るコツの第一は品質の良い大粒の梅の実を使うことで、梅が良ければ労せずおいしい梅酒ができあがるのです。

美味しく作るコツの第二は氷砂糖の量に気を配ること。日本酒で漬けた梅酒のアルコール度数は10度程度で、ストレートで飲むとちょうどよいものとなります。一方、ホワイトリカーで漬けた場合には20度程度となりロックか水割り・ソーダ割りでおいしくいただけます。

日本酒自体に糖分が含まれていることも合わせて、氷砂糖をホワイトリカーで漬けるときの半分程度にするといい感じに仕上がり、標準的な分量は梅1kgに対して梅酒用日本酒を1升(1.8リットル)と氷砂糖を500gです。

実際に氷砂糖300gと500gのサンプルを試飲したところ、300gでは物足りず500gでは少し甘いかなと感じたので、400gで漬けてみました。梅酒をストレートではなくロックや水割り・ソーダ割りで飲むのなら、氷砂糖はもう少し増やしたほうが美味しいようです。

今回、日本酒での梅酒造りを教えてくれたのは、兵庫県加西市の酒蔵・富久錦です。こちらは以前「立春朝搾り」でもお世話になった蔵で、併設のレストラン「ふく蔵」は平日でも予約がないと難しい人気店です。

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梅酒の日本酒仕込みで失敗しないために

日本酒はホワイトリカーよりアルコール度が低いため、途中で傷ませてしまわないかが気になります。注意したいのは梅の状態と、水分の混入でアルコール濃度を下げてしまわないようにすることです。

梅が傷んでしまった

梅酒作りで失敗してしまうのは、梅が傷んでしまうことが原因です。梅にキズがついているとそこから傷み始め、腐ったりカビたりしてしまいます。

また、梅のアク抜きは不要で、梅を傷つけないように優しく洗った後に水分をしっかりと取り除いきましょう。竹串などでヘタを取るときも、梅を優しく扱ってください。

梅は硬すぎないものを使うと美味しく仕上がりますが、軟らかくなりすぎているとキズがついたり皮が破れたりして、取り扱いが難しくなります。心配なら実の硬い梅を使うと、失敗することなく仕上げられるでしょう。

氷砂糖以外で漬けると?

梅酒に入れる砂糖は氷砂糖を使うのが無難です。単に甘味づけのためなら砂糖は何でもよいのですが、わざわざ氷砂糖を使うのは「溶けにくいから」です。砂糖が早く溶けてしまうと、アルコールが染み込む前に梅が浮いてしまって痛みやすくなります。

また、梅の美味しさをじっくり引き出すためには、溶液の糖分濃度が少しずつ高くなることが望ましいのです。早々と梅が浮いてしまったら、毎日瓶を軽くゆすって梅が浮きっぱなしにならないようにしてください。

なお液体の人工甘味料やはちみつを使うことは、溶けやすさに加えて水分量の多さからも、日本酒で漬ける梅酒にはおすすめできません。

味気ない梅酒になった

辛口好みの方がやってしまいがちなのが、氷砂糖を控えすぎることです。梅酒作りで氷砂糖が果たす役割は、単に甘み付けだけではありません。梅の実からエキスをしっかりと引き出すためには、ある程度の糖分が必要なのです。

日本酒の場合には、お酒自体に糖分が含まれているため砂糖は少なめでもOKです。けれども、糖分が足りないと単に酸っぱいだけの味気ない梅酒となってしまうので、やはり300g程度から様子をみて加減していただきたいと思います。

今年は日本酒の梅酒を自家製で

1年も待てない?

梅酒の仕込みは実にシンプルであとは待つだけ、梅は入れっぱなしでOKだそうです。

梅酒教室では「1年寝かせてください」と言われましたが、どう考えてもそんなに待てそうもありません。まだ梅は充分手に入るので、追加で漬けておいたほうがよさそうですね。

なお、梅酒を保管する場所は、光が当たらないところを選びましょう。空気に触れないほうがよいので、飲んでいるうちに減ってきたら、サイズの小さなビンに入れ替えることをおすすめします。

今日のボタモチ

今日のボタモチは【水面下】です。

仕込みを終えた梅酒はこの後、水面下でさまざまなドラマがを展開しながら芳醇な梅酒に変わってゆくのです。美味しく熟成されるまで静かに見守りたい…と思いながらも、待ちきれずに全部飲んでしまうかも?

※今日はボタモチ、1個追加!

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