江戸の戯画展で世界初のきん魚づくしを鑑賞!アクセスや鑑賞のコツも

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特別展「江戸の戯画-鳥羽絵から北斎・国芳・暁斎まで」が大阪市立美術館でスタート。初日の17日に出掛けて、目玉のきん魚づくしを鑑賞してきました。今回はそのレポートと、大阪市立美術館へのアクセスや楽しく鑑賞するためのコツなどをご紹介しましょう。

戯画展の目玉「きん魚づくし」全9点公開は世界初!

戯画ってなに?

戯画は漫画の元祖といえるものでしょう。落書きや風刺画なども重なる面白くておかしみのある絵で、カエルとウサギが相撲を取っている鳥羽僧正の『鳥獣人物戯画』が有名ドコロとして知られています。

太平の世が続いた江戸時代には多くの戯画が描かれましたが、今回の展示は戯画の中でも18世紀に大坂で流行した「鳥羽絵」をキーワードに構成されています。

あの北斎も戯画を描いていた!

鳥羽絵をはじめとする戯画の人気は、明治時代まで続きました。その影響は上方だけに留まらず江戸の浮世絵にまで広がり、今なお絶大な人気を誇る葛飾北斎も戯画的な要素満載の「北斎漫画」を描いているのです。

今回の目玉である「きん魚づくし」の作者・歌川国芳や、幕末から明治にかけて活躍した河鍋暁斎も数多くの作品を残しています。

「江戸の戯画-鳥羽絵から北斎・国芳・暁斎まで」みどころ

大坂は笑いのメッカ

大坂で活躍した絵師・耳鳥斎(にちょうさい)は、独特の画風で風刺のきいた作品を残しています。展示されている「仮名手本忠臣蔵」「絵本水や空」のゆるカワさやイラストっぽい表現はとても江戸時代のものとは思えません。

また「地獄図巻」では前世の報い?と苦笑しそうな、役者が大根を口に押し込まれる様子が描かれるなど、笑いを愛し文化として育んてきた大坂人の本領が発揮されています。

里帰りした北斎の戯画も展示

葛飾北斎の「鳥羽絵集会」が、ベルギー王室美術史博物館から里帰り、元ネタと思われる鳥羽絵本と見比べられる展示がされています。また「北斎漫画」には戯画的要素が満載で、定番モチーフの七福神や天狗が数多く登場しているのも特徴です。

世界初!現存する9図が揃った「きん魚づくし」

江戸における戯画の名手として知られた歌川国芳による「きん魚づくし」は現在9図が残っていますが、今回それが全て一挙展示されています。

擬人化された金魚たちの愛らしくてユーモラスな仕草が魅力的な作品で、全て公開されるのは前期(4/17~5/13)となっているのです。また国芳は猫好きだったそうで、猫がモチーフとなった作品も多数展示されています。

★きん魚づくしのポストカード 敷いてある風呂敷は「猫飼好五十三疋」

幕末から明治に生きた鬼才・暁斎の戯画も

河鍋暁斎(きょうさい)は歌川国芳に入門後、狩野派など諸派を学んだ本格的な絵師として近年評価が高まっており、ナマズに乗った猫を描いた「暁斎漫画」をはじめとして、多数の作品が展示されています。

戯画や鳥羽絵では、擬人化された動物がよく登場しますが、お上に公然と逆らえば命はなかった江戸時代にあって、疑似化した動物に意趣を託して風刺画や役者絵として発表していたことによるものでしょうか。

暁斎は、激動の幕末から明治にかけての社会情勢を戯画でオブラートして笑い飛ばすような作品を残しています。第一次長州征伐がテーマの「風流蛙大合戦之図」は、六葉葵紋と沢潟紋の旗印を掲げた蛙たちが蒲の穂の槍や水鉄砲を武器に戦っている様子が描かれたものです。

要注意!会期中に展示替えあり

「江戸の戯画-鳥羽絵から北斎・国芳・暁斎まで」の会期は4/17(火)~6/10(日)ですが、前期(5/13まで)と後期(5/15から)で一部の作品が展示替えされます。

「きん魚づくし」全9図は前期のみ、「風流蛙大合戦之図」は5/29(火)~6/10(日)のみ展示されますので、ご注意ください。

休館日は月曜ですが、ゴールデンウィーク中の4/30は開館しており、入館は9:30~16:30(17:00閉館)となっています。

入場料は一般:1,400円、大学生・高校生:1,000円、中学生以下無料です。

大阪市立美術館へのアクセス

大阪市立美術館は、住友家から大阪市に寄贈された敷地に昭和11年に開館されました。開館当時からのレトロモダンな建物は見るだけでも価値があるものです。

所在地:大阪府大阪市天王寺区茶臼山町1-82(天王寺公園内)

最寄り駅:

  • 大阪メトロ御堂筋線・天王寺駅/谷町線・天王寺駅【15,16号出口】
  • JR・天王寺駅【中央改札】
  • 近鉄・南大阪線 大阪阿部野橋駅【西改札口】
  • 阪堺電気軌道・上町線 天王寺駅前駅

各駅を下車後、天王寺公園に向かって北西へ約400m歩けば到着です。

楽しく鑑賞するためのコツ

大阪市立美術館にはカフェがない!

美術館を訪れる楽しみのひとつにミュージアムカフェがありますが、2年ほど前に閉店してから大阪市立美術館にカフェはありません。鑑賞の合間に一息入れられないのは残念で、早期の復活が望まれるところです。

とはいえ、近隣には飲食店はたくさんるのでご安心を。大阪らしさを楽しみたい方には、通天閣や串カツでおなじみの新世界界隈がおすすめで、今回筆者が訪れたのは「串かつ専門店・寅勝」です。

★ユニークなエビフライ入り巻きずし・トラ吉ロールは680円

メガネをお忘れなく

「江戸の戯画-鳥羽絵から北斎・国芳・暁斎まで」に展示されている作品は、サイズの小さいものや細かい描写が施されたものが多くあります。メガネ(特にシニアグラス)を忘れると悲しいことになるので、くれぐれもご注意ください。

★持っててよかった!携帯用シニアグラス

手荷物はロッカーへ

「江戸の戯画-鳥羽絵から北斎・国芳・暁斎まで」では、約280点の作品が展示されていて見応え充分。手荷物があると結構疲れるため、展示会場に入る前に手荷物や上着はロッカーに預けましょう(利用後、お金は戻ってきます)。

また、美術館への傘の持ち込みは厳禁です。入り口に備えられた鍵付きの傘立てを利用していただければと思います。

きん魚づくし全てを見るなら今!

空いている今のうちにGo!

筆者は初日に訪れたせいか混雑はなく、ゆったりと作品を鑑賞できました。しかし今後、テレビや新聞などで報道されるとたくさんの来館者でごったがえすことが予想されます。

とくに今年は明治150年とあって、幕末から明治時代がクローズアップされていて、この時期に活躍した暁斎の人気が高まっていることも相まって、会期後半にはかなり混雑するのではないでしょうか。

今回展示されている作品はサイズの小さいものが多いため、展示に近寄って立ち止まらなければよく見えません。じっくりと鑑賞したいなら、空いている今のうちのお出掛けをおすすめします。

なお、「江戸の戯画-鳥羽絵から北斎・国芳・暁斎まで」は大阪のみの開催で、巡回予定はありません。

今日のボタモチ

今日のボタモチは【笑い】です。

笑いを愛し大切にするのは大阪の風土でしょうか。商売は笑売、日常会話にもオチは必須、面白くなければ価値がないなど、ユニークな大阪の文化はAIでは代替できないものだと思うのです。

※今日はボタモチ、1個追加!

 

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