老後破産の不安を解消!住宅費を制す者こそが人生設計を制す

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カタツムリ

老後破産に至った原因として、住宅費の問題があります。少ない収入の大半を住宅費が占めてしまい、生活が立ち行かなくなってしまったという事例が、大変多く見られるのです。

また、住宅費に家計が圧迫されて、思うように貯金ができなかったという事例もあります。今回は、住宅費をどう制するかについてです。

住宅費クライシスで老後破産まっしぐら

住宅費の目安

一般に、手取り収入の25%以内に抑えるのが、健全な家計を維持するポイントとされています。手取り25万円の人だと、62,500円になりますね。

この金額を超えると家計が圧迫され、いずれ老後破産が他人事ではなくなる恐れがあります。

同じく手取り25万円の人が35歳で住宅を購入する場合、頭金300万円・ボーナス払いなしの25年ローンを組んで買えるのは、約2,000万円の物件です。

「買える」と「払える」は別モノ

頭金ゼロ・ボーナス払いあり・35年ローンにすれば、もっと高い物件を購入できますが、おすすめできません。

この場合、正確には「買える」のではなく「借りられる」ということで、借りたものは返さなければならないのです。

返済期間が長引くほどリスクは高まります。ボーナスなどあてになりませんし、定年後も住宅ローンを払い続けるとなると、老後資金はじきに底をつきます。

この点を勘違いして大変な目に遭った筆者の体験談は、また後ほど…。

賃貸と購入どちらがトク?

いくつかの観点から、賃貸と購入のどちらがトクかを見てゆきましょう。

気軽に住み替えができるのは賃貸

ライフスタイルの変化に合わせて住み替えができると、とても便利です。

独身の間は街ナカ、あるいは職場の近くに住めたらいいですね。結婚して子供が生まれたら、庭付きの家に住み替えたいと思うでしょう。

子供たちが大きくなると、狭くても個室を確保したいし、子育て終了後はバリアフリーのフラットな部屋が安心です。こんなワガママに対応できるのは、やはり賃貸です。

賃貸の家賃がもったいない

賃貸で支払う家賃は消えてしまうものだから、自宅を購入したほうがトクという意見があります。

さきにあげた手取り25万円の人が住宅を購入する場合、家賃と同じ金額の負担で25年後には住宅ローンを完済し、マイホームが手元に残ります。

しかし、不動産を所有すると固定資産税か毎年発生し、修繕費用も必要となるため、別途用意しておかなければなりません。

マイホームは資産になる?

簡単に売却できず、資産価値の経年下落が激しいマイホームは、資産とは言い難いものです。

老後は戸建の自宅を売って、駅近のマンションに住み替えるというのが筆者の計画でしたが、築30年を過ぎた家に資産価値が残っているはずもなく、頓挫は確実となっています。

実録・無謀な住宅購入は老後破産を招く!

ムリなく購入できる物件と返済計画を選べば、生涯で必要となる住宅費は、賃貸より購入のほうが少なくなります。

しかし、このような堅実な選択のできる人ばかりではありません。恥ずかしながら筆者の失敗事例をご紹介しましょう。

平成2年:マイホーム購入を決意!

この年、台風による大雨で、当時住んでいた賃貸アパートが床下浸水しました。

あわや床上という状態だったので、「もうこんなところ住んでられない!」と、にわかに転居を考え始め、どうせならマイホームを買おうかということになり、頭金の積立を開始したのです。

平成5年:念願のマイホーム購入

その後、大雨の度に「早く引っ越さなければ!」と焦るものの、なかなか手の届く物件が見つからずにいました。

2台分の駐車スペースがある物件を希望していたのですが、当時は駐車スペース1台分が一般的で、2台分備えた物件は高額で手が出せなかったのです。

そんな中、やっと見つかったのが今住んでいる家。頭金が物件の1割にも満たない状態&夫の年収でもローンが組めるという営業マンの話に、その場で購入を即決。大根1本を買うより早い決断でした。

平成10年:恐ろしやステップ償還

資金が乏しく、年収が少なくてもローンが組めたのは、ステップ償還のおかげでした。

ステップ償還とは、最初の5年間は、50年ローンとして返済するというもので、資金が少なくても住宅購入が可能となるしくみです。

しかし、ステップ期間終了後、返済額は一気に7割増しとなり、家計は火の車と化したのです。こんなことも知らずにマイホームを買ってしまうなど、もう救いようがありません。

「買える」と「払える」は別モノということに、遅まきながら気づいたのでした。

平成16年:夫の勤務先が倒産

平成14年、筆者が転職してなんとか家計を立て直すことに成功したのも束の間、平成16年に夫の勤務先が倒産。舞い散る桜を眺めながら、お先真っ暗とはこのことか…と茫然自失でした。

その後、夫は自営業を始めましたが、当然ボーナスなどというものはありません。

平成19年・筆者が過労で退職

仕方なく筆者はアルバイトを始めました。皮肉なもので、その頃から本業が急に忙しくなり、体力的にも精神的にも厳しくなってきたのです。

激ヤセし、熟睡できなくなりましたが、なぜかテンションだけは高く、「まだやれる!」と頑張っていました。

そんな筆者にトドメを刺したのが、平成19年夏の猛暑、熱中症で倒れた後不調が続き、そのまま退職となりました。

平成21年:筆者の勤務先が倒産

復活後、平成20年に入社した会社は、1年後リーマンショックのダメージに耐えきれず倒産。どこまでもついてない筆者でした。

その後、夫の売上が激減し、いよいよ住宅ローンの返済が厳しくなったため、返済期間を延長して現在に至っています。

どこでつまずいたのか?

つまずきは、身の丈に合わない買い物をしてしまった、最初の一歩から始まっています。

通常、購入可能物件の価格は、年収の5倍以内といわれているにもかかわらず6倍の物件を購入、無謀にも程がありました。

さらに頭金は1割もなく、通常の借入はできないところをステップ償還という危険なワザを使ってゴリ押し。

住宅金融公庫の通常融資と特別融資、および年金住宅融資の一般貸付と特別割増貸付の4本立てローンを駆使しての購入しました。固定で4.32~4.6%という、今となっては悪夢のような高金利です。

この高金利に目がくらみ?貯金より繰り上げ返済を優先してしまいました。結局、返済期間を延長するハメになり、繰り上げ返済の努力はムダに終わったのです。

25年の長期にわたり、貧しきときも病めるときも払い続けなければならない住宅ローン。子供の教育費や老後の資金も用意しつつ払い続けるには、入念な生涯収支の計算が不可欠です。

住宅費を制す者は人生設計を制す

これから住宅を取得しようとしている方へ、以下の「幸せな住宅取得への6か条」を謹んで進呈いたします。

  1. 物件価格は年収の5倍以内
  2. 頭金は物件の最低15%
  3. 返済額は手取り収入の25%以内
  4. ボーナス払いは利用しない
  5. 定年までに払い終えられるローンを組む
  6. 繰り上げ返済より貯金を優先する

住宅費クライシスを回避し、老後破産と無縁で過ごされることをお祈りいたします。

今日のボタモチ

今日のボタモチは【自制】です。

自動車にはアクセルのほかに、ブレーキとハンドルがついています。人生の安全運転にも、自制が必要です。崖からのダイブは回避したいですからね。

※今日はボタモチ1個追加!

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